人気ブログランキング |

あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

タグ:吉屋信子 ( 3 ) タグの人気記事

★久しぶりの更新です。気に留めてくださっている皆様にいつも感謝しております。ずっと以前になりますが、吉屋信子の『白百合』の事を綴りました。追々に御本『花物語』からその他のお話をと想いながら...。ここ数日体調を崩してしまったのですが、だんだんと春の陽気を感じています。もうすぐ春だというのに「向日葵」だなんて、相変わらず間の悪い私ですが、此方『クララの森・少女愛惜』は偏愛音楽館同様に私の心の支柱ブログであるので予定はいっぱいです。もう少し更新頻度を上げてゆこうと想います。

お花は大好き!姿かたちも様々なら芳香も。子供の頃から好きなお花はやはり今も好き。綺麗な薔薇はどんな色でも好き。誕生花である白百合も大好き。小さな野に咲く名も知らぬお花も可愛いから好き...。けれど、あまり好きではないお花というのも幼い頃からある、僅かながら。その筆頭は「向日葵(ひまわり)」と決まっていた。母はお花を愛し育てていた、あの姿が浮かぶ。私が小学生の中学年頃だっただろうか。初めてお家の花壇にひまわりのお花が咲いた。夏休みの予定表には朝起きてからの私の日課であった"花壇のお水やり"という項目があった。他のお花よりぐんと!背丈があり快活で鮮やかな色をした大きなお花。勿論、ひまわりにもお水をあげたけれど、きっと他の草花たちに話しかけるように...という具合ではなかったと想う。何というのかな..."元気いっぱい"な姿に負けてしまうような私が居たように想う。母にそんなお話をしたけれど、「お母さんはひまわりだって好きだけどね。」って微笑んでいた。あれから随分時が経ち、今の私はようやくひまわりも太陽の輝きの尊さや美しさを少しは感じられるようになってきたところ。なので、吉屋信子さんの美しいお話より♪

或る時は黄金向日葵或る時は
月見草とも見え給うかな

この歌一首、潮のために捧げらるるものではあるまいか。外にあくまで強く雄々しく、しかも内に優しく柔らかく人思う子の不幸性格よ!
向日葵の花よ、花よ、御身は強過ぎる花と、少女達はあるいは眉ひそめて近よりがたく思うであろう、けれども御身の花のその中に含まれた人知れぬ優しく弱き心の涙を、孤独我れのみ一人生くる如く、陽にくるめきて咲く強き花葩の陰に包むのを、よく知れる美しき少女は一人はあるものをその名は宝木関子-そのひとそれより向日葵の花を愛すること世のなみならずと伝う。
b0106921_13515281.jpg

by claranomori | 2010-03-18 11:48 | 本の中の少女・少年
b0106921_23154922.jpg
『乙女の儚夢』

哀れ乙女よ何故歎くか お巡りさんがわけ迅えば
お願いだから許してね
弟 いもうとおなかすかして 待ってるからね 
なくなと云えばなを泣いた
かた うちふるわせて

作詞・作曲:あがた森魚

b0106921_23221637.jpg

★映画『レ・ミゼラブル』のことを書きながら、『噫無情』と綴った折に過ぎったあがた森魚さんのアルバムのこと。あがた森魚さんの1974年のアルバムのタイトルだったから。そして、いつか書こうと想っていたのでその前作アルバムとなる『乙女の儚夢』のことを。初めて知ったのは『赤色エレジー』で、当時大ヒットした曲だと知ったのは母も口ずさんでいた曲だったので。私はこの1972年の『乙女の儚夢』というアルバムはリアルタイムではないので再発盤のレコードで持っている。上の詩は中の歌詞カードより。あがた森魚さんの歌を聴いていると美しくてやさしいので涙に溢れることが多い。殊にこのアルバムでは大正ロマンに溢れた世界!この”儚夢”と書いて”ロマン”と読む辺りに先ず心ときめいたものだ。そして、このアルバムが大好きな理由はいくつかあり、全てが自然と繋がり購入してから20数年経っているけれど、当時より今の私に大切なもののようで愛おしいアルバムなのだ。大ヒットしたという名曲『赤色エレジー』も収録されているけれど、より嬉しいのは吉屋信子さんの詩(この歌は田村しげる作曲、松島詩子と山野美和子のおふたりがデュエットの昭和9年の曲)『女の友情』が収録されていること。吉屋信子さんの書かれたものの”エス”という世界は好き嫌いが分かれるのだろうけれど欠かせないもの。私はとっても好き!

そして、このアルバムのバックはムーンライダーズの前身バンドである”はちみつぱい”である!この1972年という時代は私にはボウイの『ジギー・スターダスト』の時代であるので憧れの時代。はちみつぱいの作品も大好きで『塀の上で』という曲をカセットテープに録音して何度も聴いていた頃がある。その空気感、時代感は当時のアートロック的なもの、当時のロンドンに夢を馳せる世界観に溢れているように感じた。私はフォーキーな音が好きで落ち着く。トラッドフォークにアートロック...言葉は違えども重なり合う部分は多い。文学や音楽が”アート”という言葉で融合し合うのが好きだし、そのようなアーティストたちが大好き。あがた森魚さんの世界は文学でもあると想う。私の好きなロマンを歌にしてくださる、美しい日本語で☆

美しいジャケットは林静一!赤色エレジーのシングル盤も同じく。この曲は漫画のガロに掲載されたお話に影響され、あがたさんが当時の失恋した想いを託し作られた曲だということなどは、ずっと後に知った。漫画のガロの「赤色エレジー」は今も知らない。
by claranomori | 2008-09-20 23:38 | 愛の花束・日本の抒情
「花物語」

返らぬ少女の日の
ゆめに咲きし花の
かずかずを
いとしき君達へ
おくる。

★このお言葉は『花物語』の序文に記されているもの。昭和14年というのだから同じ昭和でも随分と変容してきたと感じることができる。私はヨーロッパかぶれした子供時代から今に至るけれど、日本語がとても好き!三島由紀夫の文体、泉鏡花の世界、萩原朔太郎...と読み返せば常に新鮮な気持ちになる。それは、今ではほとんど使われない言葉、美しい日本語の響きに心が清められるかのよう。”少女小説”というと一等好きなお方は野溝七生子な私。あまりにも私の心の中に静かに存在するものゆえに、未だ綴ってはいないけれどいつの日にか♪

以前にも書いたのだけれど、私は百合のお花が好き。そして、色々と連なる想いが巡る相性の良いお花のようなのだ。吉屋信子の小説家としての曙、出発点だと仰っておられる『花物語』。私の持っているものは1985年に再販されたものなので、初回版(昭和14年)のものとは漢字や仮名遣いに変更がなされている箇所があるそうだ。上・中・下の三巻の中に数々の花物語が綴られている。少しずつ好きなお話の中から。

花かそもなれ
清きすがた
されどゆくすえ
思えばかなし
かしらなでつつ
われは祈ぎぬ
『神、花の姿、永久に変えぬ』

葉山先生という女学生たちの憧れのマドンナのような存在。慕う少女の気持ちが繊細でいじらしく心痛いほどに伝わる。辞職後、帰郷され、葉山先生は翌年にお亡くなりになった。でも、学舎の少女たちの胸にこのローレライの歌曲(ハイネの詩にリストが曲をつけたもの)は、白百合のお花が”純潔”と囁き咲くかぎりは、永久に共に生きるという美しくたおやかな物語。
b0106921_12355030.jpg
★独特の文体と世界なので、好きなお方と苦手なお方がおられるように想う。私はごく自然に好きだと想い読む。”少女(おとめ)”という言葉や世界をイメージして吉屋信子の作品を好きになったとも想えない...いつの頃からか自然と。この物語の少女たちのように、ただいつまでも好きなもの、大切にしていたいものたちを胸に永久(とわ)に共に生きていたいと願う。この「クララの森・少女愛惜」に限らず、『BRIGITTE』で好き勝手な拙い綴りは全て私の心の中の大切なもの。変れない、変らなくてよいのかも...と、私の琴糸に共鳴する美しい世界の住人たち、また同じ様に感じておられるお方がいてくださることに勇気付けられて生きています☆
by claranomori | 2008-04-13 11:57 | 愛の花束・日本の抒情