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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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タグ:スウェーデン ( 16 ) タグの人気記事

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★ヨハン・アウグスト・ストリンドベリを続けます。詳しくないけれど興味を抱いたのは、ストリンドベリの女性像というか女性観のようなものかもしれない。同時代の北欧の劇作家にイプセンが居られる。私はイプセンの作品の方をより親しんでいる。ストリンドベリというとそのイプセン批判などのイメージが長らくあった為か、作品から暫く遠のいていたお方である。けれど、どこか気になるものが私の記憶の中にあり、年月の経過と共に消え失せるものではないと感じるに至っているような。

ストリンドベリは「女性嫌悪」という批評もあるけれど、それは表裏一体に思う。ただ、聡明なお方ながら女性に関しては老年期に至るまで少年のような幻想を抱いておられたのではないだろうか...。ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ(Johan August Strindberg:1849年1月22日~1912年5月14日)は、スウェーデンのストックホルムで小型船舶の販売を営む家に生まれる。けれど1850年に父親は破産。母親は嘗てこの家の女中であったお方で、二人には男の子が二人誕生(その弟の方がストリンドベリ)。けれど、母親は終始夫から主従関係を強いられていたという。また、当時の世間の目もこの母子には苛酷なものであっただろう。ストリンドベリにとって母はとても優しい存在であった。

ストリンドベリの生涯を4つに区分され語られる。その時代と女性たちとの関係も興味深い。

1870年代=探求の時代
1874年(25歳)に王立図書館に職を得る。担当は中国関係だった。
男爵夫人シリ―・フォン・エッセンとの三角関係から結婚(1877年)へ。
大作の戯曲や自然主義小説『赤の部屋』などで名を馳せる。

1880年代=批判の時代
ヨーロッパを各地に移り住み、社会主義の影響を受ける。
自伝的小説『女中の子』(1886年)、『ある魂の成長』(1886年)を発表。
『父』(1887年)、『令嬢ジュリー』(1888年)などの自然主義戯曲の名作を刊行。ニーチェは『父』を絶賛されたという。
けれど『令嬢ジュリー』は出版及び上演も禁止される。
ゲーオア・ブランデス経由ニーチェの影響のもとに精神的貴族主義となり『チャンダラ』(1889年)などを刊行。
妻シリ―と疎遠になる。

1890年代=地獄の時代
1891年に妻シリ―・フォン・エッセンと離婚し、ベルリンへ。
ボヘミアンの旗頭でムンクなどスカンジナビアの芸術家たちとの交友。
『痴人の告白』(1893年)を発表。
1893年二人目の妻フリーダ・ウール(女性記者)と結婚。
二年後に離婚。
精神的疾患が悪化し狂気の危機との苦闘の時期。

1898年~1909年=大ストリンドベリの時代
1890年代の終わりから約12年間の晩年である。
優れた戯曲を多数書き、小劇場を自力でストックホルムに興す。
1901年三人目の妻ハリエット・ボッセ(女優)と結婚、1904年に離婚。

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老年期60代のストリンドベリにとっての「最後の恋」が訪れる。
フアンニイ・フアルクネルとの実らぬ恋であった。
知り合ったのはフアンニイ・フアルクネルが10代の少女の頃。
婚約(解消されるけれど)した折は20歳頃の女優・画家の卵時代。
フアンニイ・フアルクネルは1911年頃に『青い塔の中のストリンドベリ』(邦題:『ストリンドベルクの最後の恋』1924年刊行)を書き、その中でストリンドベリとの愛の日々を綴っている。けれど、翻訳版は大正時代のもので今も絶版。けれど、この『ストリンドベルクの最後の恋』を読んだ島崎藤村の言葉が残されている。

「幸か不幸か、ストリンドベルクにはそれほど女運のなかつたばかりに、女の価値といふものが低くならないで、晩年に到るまでそれを重く視つづけて行つた人のやうにも思はれる。これは作家として、また人としての彼を知る上に、かなりデリカなことであらうと思ふ。何故かなら、女を知れば知るほど女の価値が低くなるといふのは多くの人の場合であらうから」

藤村の言葉を知る由もなく、ストリンドベリは1912年5月14日、胃癌によりストックホルムに死す。

※とりあえず頭の中の整理のために纏めてみました。もっとストリンドベリの作品に触れた後に、私の想いももう少しは言葉に出来るような予感がします。後50年ちょっとは生きようと思っているのですが、3月11日以来、自然災害と人災により、日本は混沌とした時代を迎えたようで不安は募るばかりで心身不調です。けれど、東北は日本の基盤であるとさえ思うので、どうか時間がかかっても復興してほしいと願います。
by claranomori | 2011-04-14 23:11 | 19世紀★憂愁のロマンと美
★ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ(Johan August Strindberg:1849年1月22日~1912年5月14日)は、スウェーデンのストックホルム出身の作家であり、近代劇(戯曲)作家の第一人者とも謳われる。そのストリンドベリ(ストリンドベリイ)の戯曲の中でも代表作である1888年刊行の『令嬢ジュリー』。登場人物は3人で、伯爵令嬢ジュリー(25歳)、召使頭ジャン(30歳)、女料理人クリスティン(28歳~35歳)。

舞台設定は1880年6月20日頃の夏至前夜から朝までの幾時間。北欧の盛大なお祭りが開催される。緑が色付き、花々は夏を一気に飛び越えて開花する。自然が人々の心と共に交響曲を奏でるかのような季節。貴族たちは豪奢な民族衣装を纏い舞踏会を開く。そこで、この伯爵令嬢ジュリーも気分が高揚し下男であるジャンをダンスに誘う。ジャンはダンスが上手く、ヨーロッパの貴族のお屋敷を転々としてきたのでフランス語も流暢。なんとなく不思議な魅力の持ち主である。身分の違う二人がダンスを踊り、その昂奮のままジャンの部屋へ。その時、父は不在であった。また、ジャンはクリスティンと婚約をしていたのだけれど、クリスティンもその夜は疲れ自分の部屋に休みに行った後の事。しかし、その後はジュリーとジャンの立場が逆転してゆく。ジャンの態度は傲慢になってゆき、錯乱状態になるジュリーに剃刀を差し向け、遂にはジュリーは自殺に追い込まれてしまう。

私はこのジャンが好きにはなれないし、ジュリーに感情移入もしない。けれど、ジュリーの少女時代を考えてしまう。ジュリーは美貌の女性である令嬢ながら、縁談をずっと断り続けていた。その理由には母親の影響がかなり色濃く反映されているように思う。平民の出身である母親は、伯爵からのたっての願いで結婚しジュリーを産む。けれど貴族の見栄ばかりの生活が嫌いで、ジュリーを男の子のように育てていた。この母親の娘時代は女性の自由や結婚制度の意義が問われ出した頃で、しかたなく妻となり母となる。こうした経緯ゆえ、我が娘には男性の奴隷になってはならぬと教育していたようなのです。この『令嬢ジュリー』のお話の悲劇には作者であるアウグスト・ストリンドベリというお方の人生も二重写しに感じられ、たいそう興味深いものでもあります。
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※外国の人名等のカタカナ表記はややこしいです。ヨハン・アウグスト・ストリンドベリとかヨーハン・アウグスト・ストリンドベリ、ストリンドベリイやストリンドベルクと。さらに古くの翻訳版では『令嬢ユリエ』と題されたものもあったようです。今は『令嬢ジュリー』で通っていますが、スウェーデン語では『シュリ―』と発音されるそうです。北欧の言葉は殊に読み難いです。
by claranomori | 2011-04-13 23:32 | 19世紀★憂愁のロマンと美
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★1938年のイングリッド・バーグマンがハリウッド・デビューする前のスウェーデン映画。当時、バーグマンは20歳過ぎでお若い。既に本国では人気の女優さまであったと思うのだけれど、このような役柄を演じておられる辺り、流石!フランス劇の原作を映画化したものだそうだ。1941年にはジョージ・キューカー監督、ジョーン・クロフォード主演の作品もある。

イングリッド・バーグマン演じるアンナの片方の顔には火傷の痕(酷いケロイド)がある。そのために暗い少女時代を送り、現在も人に言えない仕事をしていた。仲間の男性たちと、人の弱みに付け込んでは大金を得るという、ゆすり屋である。悪人のアンナは男性達に引けを取らないキレ者の存在。あるお金持ちのご夫人が次のターゲット。彼女のご主人は整形外科医のお方で、そのゆすりの場面で出会うことになる。その医師はアンナの顔を見て気の毒に思い整形を勧めるのだった。奇しくも整形手術で美しく生まれ変わったアンナは、ある貴族の甥トルシュテンを殺し財産を奪うという計画のため、執行者として家庭教師を捜していたそのお屋敷に向かうのだけれど、その貴族トルシュテンと恋仲になる。次第に本来の目的を実行することに戸惑い葛藤が起きる。美しく別人のようになったアンナは荒んだ心までも美しさを取り戻して行った。結局、仲間を裏切り、その計画を阻止しようと決意する。

お美しいバーグマンは数々の映画で拝見しているけれど、前半の火傷のお顔のバーグマンは初めて。それでも、セーターにパンツルック姿の颯爽としたお姿は綺麗!巧みに演じ分けているのも流石で、前半のアンナの喋り方などもなかなかカッコよかったりする。鏡を見て映る自分のその姿。その時の仕草や表情などには女心が表れていて可哀相にも思えた。また、この映画はスウェーデン語なので、本国の言葉で特異な役を演じた名女優イングリッド・バーグマンを拝見できたので、もう、それだけでも感激でもあった。それにしても、何を観ても素晴らしい女優さま☆
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女の顔/EN KVINNAS ANSIKTE
1938年・スウェーデン映画
監督:グスタフ・モランデル 原作:フランソワ・ド・クロワセット 脚本:イエスタ・スティヴェンス、スティナ・ベルイマン、ラーンヒルド・プリム、撮影:オーケ・ダールクイスト 音楽:エリック・ベントソン 出演:イングリッド・バーグマン、ヨールイ・リンデベルイ、トーレ・スベンベルイ

by claranomori | 2010-04-12 21:56 | キネマの夢・シネマ万華鏡
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★スウェディッシュ・ポップ・バンドやシンガーが続々と登場していた1995年頃が昨日のことのようだけれど、今聴いても好きなバンドは多い。特に女性ヴォーカルだけれど。このパインフォレスト・クランチ(PINEFOREST CRUNCH)のデビュー・シングルとなる『カップ・ヌードル・ソング(CUP NOODLE SONG)』は1stアルバムの1曲目で、一際ポップで爽やかな名曲。ヴォーカルのオーサ・エクルンドのキュートな歌声と美少女ぶりにトキメクという理由も大きく、今もよく聴きたくなる。この曲以外も好きで、もっとフォークっぽい楽曲は北欧の幻想的な景色を想起するかのようで、プログレ風の響きも印象的。それもその筈、ドラムスのマティアス・オルソンはアングラガルドというプログレ・バンドのメンバーでもあったという。2ndアルバムはさらにそんな雰囲気に包まれた作品。ヴォーカルのオーサ・エクルンドは今は母親になられているそうだ。このアルバムがリリースされて10数年になるのだと想うと不思議な気もする。カーディガンズ、クラウドベリー・ジャム、シナモン、コメダ...好きなバンドは多い。やはり、アバの国だものなっとも想う。北欧には行ったことがないけれど、神話や妖精譚を読むのが好きな私は夢を馳せる♪


★オーサ・エクルンドちゃんが可愛すぎ!彼女ばかり見てしまう素敵なPVです♪

by claranomori | 2010-02-09 10:45 | 私的少女音楽★愛しき歌姫
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リヴ・ウルマン:LIV ULLMANN
1939年12月16日 日本・東京生まれ
本名:Liv Johanne Ullmann

★リヴ・ウルマンを初めてスクリーンで拝見したのは『秋のソナタ』で、故イングマール・ベルイマン作品には欠かせないお方であり公私に渡る絆であったようだ。東京生まれでその後、カナダやアメリカでも過ごしておられるので英語も堪能。70年代には英語圏の出演も多い。不思議な女性らしさを感じさせるお方で稀なる名女優さまのおひとりなのです♪

●代表作●
サラバンド (2003)
不実の愛、かくも燃え (2000) 監督  
ギャビー、愛はすべてを越えて (1987)  
さらばモスクワ (1986)  
女たちのテーブル (1985)
キーファー・サザーランドのベイ・ボーイ (1985)
野鴨 (1983) 
秋のソナタ (1978) 
遠すぎた橋 (1977)  
蛇の卵 (1977) 
鏡の中の女 (1975)  
呪われた女 (1975)  
ある結婚の風景 (1974) 
失われた地平線 (1973)  
エーゲ海の旅情 (1973) 
西部に来た花嫁 (1973)  
叫びとささやき (1972)
移民者たち (1971) 
ナイトビジター (1970)  
夜の訪問者 (1970)  
沈黙の島 (1969) 
仮面/ペルソナ (1967)
狼の時刻 (1966) 
恥 (1966)
by claranomori | 2008-07-24 21:23 | 女優館★銀幕の名花たち
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イングマール・ベルイマン監督の1952年映画『不良少女モニカ』はいったい何だろう!!と私は衝撃を受けたもの。原題の『モニカとの夏』の方がノスタルジックでメランコリックだろうか。強烈なインパクトをモノクロームの映像と共に感じる。この作品で映画デビューしたハリエット・アンデション(ハリエット・アンデルセン)は撮影当時19~20歳頃。この17歳の少女モニカは自由奔放でわがまま、でも、今という刻の空気を全身で感じている、社会に反抗する象徴のようでもある。新しい女性、これからの女性!という感じでこの躍動感のようなものは途轍もなくダイナミック!そして、生き生きとした若さに溢れた圧倒的な存在感なのだ!
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1955年にナボコフの『ロリータ』が、そして1956年にはブリジット・バルドーの『素直な悪女』が登場するけれど、それ以前の1952年のスウェーデンからこの17歳の少女モニカは登場していたのだ。両親は仲が良いけれど父親はいつも酔払っている。兄弟たちも多い家族でモニカは今にも家から飛び出したい様子。ある日、陶磁器の配達をしている19歳の青年ハリーと出会い恋をする。ハリーは母を亡くし病気の父との暮らし。ハリーはボートを借り、モニカの夢でもある旅に出ることにする。短い北欧の夏のひととき。二人は若い。モニカははすっぱな魅力に溢れた少女(不良という言葉も出てくる)、ハリーは真面目で今後のことを考えエンジニアになる勉学をする。そんな若い二人に子供が生まれる。お腹の中にいる頃は無邪気な様子で幸せそうだったモニカながら、いざ誕生すると家で毎日赤ん坊を抱いての生活などまっぴら!となってしまう。ハリーは三人で少しでも豊かにとお仕事と勉学に励んでいる。二人の心の距離は離れる一方。そんな折、モニカが他の男性と浮気をしているところをハリーは目撃してしまう。もう修復不能となり、さっさとモニカは出て行き、ハリーは残された赤ん坊を抱いて、あの幸せなモニカとの夏を回想する...。
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モニカに感情移入は全くできない私。でも、この存在感はなんだろう!!とずっと想っている。終盤、他の男性とデート中にジュークボックスから音楽が流れ、モニカの顔のアップが続く。最初は目が合うような感じでドキリ!と息を呑む程凄い...何?モニカが問いかけてくるかのようでもある。そして、モニカは”私はモニカ。これが私。”という毅然たる表明のようにも想える。また、ラストでハリーの顔のアップが鏡に映る...目の下にヤツレタ疲れが顕著で切ない。それでも回想する、あの夏の日を。ハリエット・アンデションの見事な演技力と存在感に圧倒される。ベルイマン一家のお一人として、また数々の難役を演じ続けている素晴らしい女優様として健在なり☆

不良少女モニカ/SOMMAREN MED MONIKA
       1952年・スウェーデン映画
監督・脚本:イングマール・ベルイマン 原作:ペール=アンデシュ・フーゲルストルム 撮影:グンナール・フィッシェル 音楽:エリック・ノードグレーン 出演:ハリエット・アンデルセン(ハリエット・アンデション)、ラーシュ・エクボルイ、オーケ・グリュンベルイ、ベント・エクルンド
by claranomori | 2008-06-28 09:40 | 銀幕の少女たち・少女映画
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イングマール・ベルイマン監督の1982年作品である『ファニーとアレクサンデル』に出演していた可愛い少年バッティル・ギューヴェ!その妹役のファニーを演じていた少女ペルニッラ・アルヴィーン(Pernilla Allwin)も可愛い♪兄妹役ながら撮影当時11.12歳頃の同い歳のふたり。長い大作映画はヴィスコンティで慣れてはいるものの、これは凄い!でも、5時間強という長さなのだけれど最後まで魅入ってしまったのだから相性の良さを感じる。ベルイマン映画はどれも好きだと想っているけれど深いテーマや宗教的な色合いが濃いので幾度か観ては新たな発見や想いが巡るという繰り返しが続いている。劇場版の3時間強というものもあるそうだ。
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このアレクサンデル少年はベルイマンの少年時代ともいえるようで、父はプロテスタントの上級聖職者であったというので、この映画の中で主教を見つめるアレクサンデルと重なり合うようだ。また、ベルイマンは子供時代から人形劇がお好きで舞台装置なども作って遊んでおられたという...やはり並みの子供とは想えない。そんな場面も印象的に描かれている。私はセーラー服姿の少年少女たちが好き♪殊に少年のセーラー姿には異常に反応してしまう。そして、このバッティル・ギューヴェ君の顔立ちや瞳の愛らしさと共に、何ともいえぬ足の線の美しさが決定打!この映画でしか知らない少年だけれど大好きなのだ。
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大人たちもベルイマン作品の常連の俳優方を始め素晴らしいし、映像の美しさは全編を貫き澄み渡っていた。撮影はこれまた大好きなスヴェン・ニクヴィスト!!この幼いファニーとアレクサンデルが絶対服従の拷問を受けたりする。彼らを救うかの存在である骨董品店を営むユダヤ人のイサク・ヤコビという人物の存在。ユダヤ人の狂人イスマエルとアレクサンデルの幻視。キリスト教徒と異教徒のこと、美しい自然の景色、まるで不思議な夢の世界のよう。家族や人間ドラマを描いているのだけれど、愛や苦悩と共にどこかおとぎ話のようにも感じる。静寂で透明で美しい!さらに大好きな『叫びとささやき』は赤の色彩が印象的だけれど、この 『ファニーとアレクサンデル』は雪や森の風景、衣装や髪の色(美術)など...白と黒という色彩(特に白かな?)が私には強く残っているベルイマンのカラー作品☆

ファニーとアレクサンデル/Fanny och Alexander
b0106921_23273737.jpg1982年・スウェーデン映画
監督・脚本:イングマール・ベルイマン 撮影:スヴェン・ニクヴィスト  音楽:ダニエル・ベル 出演:バッティル・ギューヴェ、ペルニッラ・アルヴィーン、グン・ヴォールグレーン、エヴァ・フレーリング、アラン・エドワール、ハリエット・アンデション、レナ・オリン、クリスティナ・ショリン、アンナ・ベルイマン
by claranomori | 2008-03-19 23:37 | 銀幕の美少年・少年映画
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野の草が咲きこぼれる田園風景はまるで印象画のように美しい。しかし、お話はあまりにも儚い悲恋物語。妻子ある青年貴族の軍人(脱走している)のシクステン・スパーレと、サーカス芸人の世界に育った綱渡りの娘エルヴィラ・マディガン。この二人の愛(逃避行)は死へと帰結するしかなかったのだ...。1889年(明治22年)に実際に起きた実話を基に描かれたもの。心中することで純愛を貫くのだ。でも、死なずに生きていられたなら...とも想う。日本でも心中が流行った時代があったと嘗て何かで読んだことがある。この映画のように、身分の違い、または許されぬ愛ゆえに選ぶ道だったのだろう。軍服を脱ぎ美しい田園での笑顔の二人。しかし、時と共にお金が無くなり食べるものさえ。でも、飢えても愛を捨てようとはしない二人。エルヴィラはシクステンに”殺して”と乞うけれど、”殺せない”とシクステン...蝶を追うエルヴィラの姿がゆっくりとストップモーションになり銃声が響く。そして、もう一発...ああ、みじかくも美しく燃えた純愛物語に涙する。

原題はこの美しき少女エルヴィラ・マディガンの名だけれど、この邦題がとっても素敵♪エルヴィラを演じたピア・デゲルマルクは撮影当時17歳頃で、この作品でカンヌ国際映画祭の女優賞に輝いている。また、映像美と共に典雅なクラシック音楽の調べ(モーツァルトやヴィヴァルディ)がさらにこの物語を彩る。二人のなり染めなどの描写もなく、ただただ二人の愛の時を余韻を残すように描いている辺りも好き。日本公開は1968年だそうだけれど、大きなスクリーンで観てみたい!色褪せぬ名作のひとつ☆

b0106921_22492674.jpgみじかくも美しく燃え/ELVIRA MADIGAN
     1967年・スウェーデン映画
監督・脚本:ボー・ウィデルベルイ 製作:ヴァルデマール・ベリエンダール 撮影:ヨルゲン・ベルソン 音楽:ゲザ・アンダ 出演:ピア・デゲルマルク、トミー・ベルグレン、レンナルト・マルメン


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by claranomori | 2008-02-24 23:02 | 銀幕の少女たち・少女映画
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スウェーデンのルーカス・ムーディソン監督の『ショー・ミー・ラヴ』に続く作品。主題歌はアバの 『S.O.S.』 (アバのヒット曲の中でも特に好き♪)。2000年の映画なのだけれど、70年代の雰囲気溢れる楽曲たち、ファッションやインテリア、時代の香りを感じさせる愉しい映画で観終えた印象も心が晴れる...そんな作品。70年代は好きな時代。当時はまだ幼くて追体験としてしか知らないけれど、世界的に色々な動きがあった。ここでは”コミューン”を舞台に、個性的な人々が集合住居で共に暮らす姿を生き生きと、かつコミカルに描いている。両親の喧嘩が原因で母に連れられて、この”コミューン”(Together)にやって来る破目となったエヴァとステファンの姉弟は奇妙な大人たちの様子になかなか馴染めないのだけれど、徐々に彼らの自由な生き様に何かを感じてゆく姿が可愛い♪

エヴァとステファンとすてきな家族/TILLSAMMANS
2000年・スウェーデン/デンマーク/イタリア合作映画
監督・脚本:ルーカス・ムーディソン 撮影:ウルフ・ブラントース 出演:エンマ・サミュエルソン、サム・ケッセル、 リーサ・リンドグレン、ミカエル・ニュクビスト、アクセル・スーベルアニア・ルンドクヴィスト、イシェカ・リードベリィ

”何故、コミューンを舞台に描かれたのですか?”という問いに以下のように語っておられた。私はとても興味深くこのインタビューを拝読した。そして、ファミリー映画やコメディ風味の映画を楽しみながらも考えさせられることは多分にある。”家族”という意味合いは色々あるけれど、とても大切なことなのだと想う。ヒット作を侮ってはいけない。レアな作品だけが価値があるのではない。音楽もすべてのことに共通する個人的な想いだけれど。

僕はこの時代のムーブメントにおいて、何が「善」で何が「悪」だったかという概念を理解したかった。それから理想が現実という壁にぶつかった時にどうなるのかということにも興味があったんだ。僕にとっての「善」は、公私共における反抗精神、連帯、共有という考え方。そして「悪」とは、何でも理論化する態度と原理主義だ。フリーラブと言えば聞こえがいいが、そのせいで人が嫌な思いをしたら、それはもう「良いもの」とは言えない。人を傷つけたり、遂には”社会を変えられるかもしれない”というムーブメントの持つ可能性までメチャクチャにしてしまう独善的支配だ。例えば、原理主義者はアバという、労働者階級に絶大な人気を誇る音楽が大嫌いだ。もし彼らが心を開こうと努力していたら、もっと変革の可能性はあったと思うんだ。

この映画の中で、コミューンを形成するのは非独善的な人々であり、政治意識の強い”普通の人々”。でも実は僕が、最も親しみを感じているのはコミューンきっての原理主義者エリックなんだ。エリックは愚直で、バーダー・マインホフ(西ドイツ赤軍)に参加したがったりもする。だけど、僕には彼の心中がよくわかる。エリックが抱える多くの憤りや反逆心は僕自身がもたらしたものだから。

ルーカス・ムーディソン監督(インタビュー記事より)


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    ♥10歳のステファンと分厚いメガネがキュートな13歳のエヴァ♪
by claranomori | 2007-11-26 20:46 | 銀幕の少女たち・少女映画
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ルーカス・ムーディソン監督の『ショー・ミー・ラヴ』(1998年・スウェーデン映画)。14歳のエリン(アレクサンドラ・ダールストレム、撮影当時14歳)は美人で可愛いのでデートのお相手にはまったく困らない少女。でも、そんな毎日になにか面白くない感情を持ちながら過ごしている。違う町からやって来たもうすぐ16歳になるアグネス(レベッカ・リリエベリ、撮影当時17歳)は地味でお友達がなかなか作れないタイプの女の子。彼女の家庭は厳しく、作家になる夢を抱いているけれど、環境に馴染めず友人もいない毎日に何か不満を抱きながらも過ごしている。大抵、こういう気持ちなのだろうなぁ...思春期の少年少女たちって。私は意外とついこの間のことのように思い出したり、懐かしい想い出たちが巡たっりしながら観ていた。この映画は、本国スウェーデンで大ヒットを記録し、主演の少女お二人は揃ってスウェーデンのアカデミー賞のような賞を受賞されたという。

女の子同士の恋、アグネスがレズビアンでエリンの事が好き。エリンは男の子と付き合っていたけれど、ヴィクトリアという学友の少女から(彼女はアグネスのノートに”エリンが好き”と書かれているのを見てしまう)アグネスの気持ちを知り、そこから終盤急速な動きになる。エリンはそのことが本当なのか確かめたくなった。夜、眠れずアグネスのお部屋の窓に石をぶつける。嫌われてると思ってるアグネス。エリンの心の中のこれまでもやもやとしていた感情が吹っ切れたかのように”私も好きだよ”という。”そのこと、本当?嘘なら殺すわよ!”...こういう会話も好き。そして、はっきり意思を聞きたくて入った場所は女子トイレの中。次を待つ少女が待ちきれず、だんだんと学友たちが集まってくる。エリンは他の男子と中に入ってると思われていたのだ。どうする?...しかし、ド~ン!と二人は手をつないで堂々と皆の前に出てゆき、エリンは”私の新しい彼女よ。”とにこやかな笑顔と共に二人は颯爽と歩いてゆくのだった♪

なんと!清々しい青春映画だろう!!アグネスが学友たちから気持ち悪がられたりして、いつも一人の場面とか切ないシーンもあるけれど、彼女たちの”私は私よ”という堂々たる姿は潔く強く、未来の光を感じさせるもの。全くジメジメした感じがない。姉や弟、両親、友人たちとの関係、彼らの反応もそれぞれ。ハリウッドの青春映画だと、この感触はなかなか出せないように思う。愛らしくて強い少女たちに拍手!!なのだ。ただ、思うのはアグネスが”私は女の子が好き”だと自覚した時(今後はどうかは別として)の戸惑いや疎外感って言葉には表せないものなのだろうなぁ...と思う。でも、彼女はその自分を否定はしない。そこが気持ちよい。いいじゃないか!といつも思うから、女の子が女の子を、男の子が男の子を好きになっても♪こういう映画が大ヒットするスウェーデンは素敵なお国に思う。日本だと大ヒットにはまず、現状のところならないだろうから。

ショー・ミー・ラヴ:SHOW ME LOVE
  1998年・・スウェーデン映画
監督:ルーカス・ムーディソン 出演:アレクサンドラ・ダールストレム、レベッカ・リリエベリ、エリカ・カールソン、マティアス・ルスト

★以前、「音楽と映画の宝石箱」に綴ったものです。纏めることにします♪
by claranomori | 2007-09-17 08:11 | 銀幕の少女たち・少女映画