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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『王妃グウィネヴィア』ウィリアム・モリス:WILLIAM MORRIS

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19世紀の英国文化に欠かせないお方、ウィリアム・モリス(1834年3月24日~1896年10月3日)。詩人であり工芸デザイナーであり、熱心なマルクス主義者としても有名な社会主義者。オックスフォード大学時代からの親友にバーン・ジョーンズやダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ等がいる。この絵はウィリアム・モリスが唯一残した油彩。

モデルとなるのはジェーン・バーデン(ジェイン・モリス)で、モリス25歳、ジェーン19歳の1859年にお二人はご結婚されている(厳格で裕福なモリス家は猛反対だった)。なので、ご結婚の前年の作品。しかし、ジェーンを取り巻く関係は複雑でもある。ラファエル前派の主要なモデルのお一人であったジェーンは、イギリス人的というよりも、ギリシャ的な容姿が魅力だったようだ。この、モリスは内気で純情なお気持ちでこの絵を愛情一杯に描かれたように思う。「トリスタンとイゾルデ」の中世騎士さながらに、労働者階級の若き娘ジェーンを王妃に喩え、ロマンス(夢物語)を作ったようだ。

ランスロットは、”本当に私を殺してください、そうすれば癒されるのです”と言い、王妃の前にひれ伏してしまう詩を残している。そして、この絵を描いている。ランスロットはモリス自らというところなので、なんとも、ロマンティックというかこの初々しいお心に感動さえ覚える(後に、その妻は不貞を犯すのに...)。

この絵(1858年)のタイトルは『Queen Guinevere (La Belle Iseult)』王妃グウィネヴィア(麗しのイズー)となっている。副題にフランス語を付けている。元々は『トリスタンとイゾルデ』はケルトからフランス、そしてドイツ...と渡ってゆき、リヒャルト・ワーグナーの曲やオペラ等の歌劇、そして、映画化と、今日も今後も様々なものとして残ってゆくものだろうから。アーサー王と騎士物語はオックスフォード時代からもっとも重要な主題であるとロセッティ達とも意見が合致していたそうだ。個人的には、クリスチャン・ヴァンデ(フランスのプログレ・バンド:マグマのリーダー)のソロ・アルバムなどを想起してしまうのだけれど。

最近も、映画『トリスタンとイゾルデ』が公開された。90年代の『トゥル-ナイト』という映画も結構好きだったりするので、そういう私もこのような主題、題材ものには滅法ヨワイようだ。不倫の夢物語、そして最期は死。悲恋の結末...。100年以上も前の絵、さらに古い伝承物語や詩などから、こうして21世紀に生きる私は何かを受け取ることが出来るのだと思うと嬉しくてしかたが無い☆
by claranomori | 2007-06-27 23:19 | 19世紀★憂愁のロマンと美