あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

『恐るべき子供達』 画:ポール・ガヴァルニ:PAUL GAVARNI (1838年~1842年)

b0106921_13525223.jpg

★ポール・ガヴァルニ:PAUL GAVARNI(1804年1月13日~1866年11月23日)はフランス、パリ生まれの19世紀のイラストレーター。挿絵画家でもありますがカリカチュアの代表的なお一人です。あのフランス特有の風刺画は世相を反映しており毒も強いので、作品は好きなものとあまり好きでないものがあります。けれど、このポール・ガヴァルニの作品は知っているものに限れば好きな画家のようです。

少しばかり経歴を。ポール・ガヴァルニとはペンネームで、本名はギョーム=シュルピス・シュヴァリエ。1829年10月に創刊された「ラ・モード」の発行者であるエミール・ド・ジラルダンにバルザックがガヴァルニを紹介。ブルボン復古王政が崩壊する以前で、この「ラ・モード」誌は王家の援助を受け好評であったそうです。「パリの神秘」でベストセラー作家となるウジェーヌ・シュー、バルザックにジョルジュ・サンド等もこの雑誌から世に出ることになる。ガヴァルニとバルザックは友人で共にこの時25歳の若さ。1830年から絵を発表し、バルザックの小説で挿絵を担当したり、「カリカチュール」誌にやはりバルザックの紹介であるが、ガヴァルニは政治にほとんど興味を示さない方で政治風刺画はほとんどない。なので寧ろ発表の場は「シャリヴァリ」誌であった。石版画や水彩画も秀でており、それらを展覧会に出品したりしていた。1833年に、「子供達」の連作で自己の画風を完成させる。そして、自らの雑誌を創刊するに至る。名称は「社交界の人々の新聞」である。

今回は『恐るべき子供達』という連作より。この作品は1838年から1842年の5年間に飛び飛びに作られ、50枚のシリーズになる。子供の無邪気さが恐るべきものになるという皮肉な構図で、この頃からガヴァルニは、単なる観察者からシニカルなモラリストと変容してゆく。因みにジャン・コクトーの『恐るべき子供達』は1929年の小説。

上の絵の少女はかわいい子供ではなく、大人のような表情をしています。

紳士:「かわいいお嬢さん、あなたのお母さんは何という御名前のマダムなの?」
少女:「ママはマダムではないのよ、マドモワゼルなのよ」

こんな具合である。バルザックやボードレールのような文学者もこのカリカチュアに協力し、ジャーナリストは文学者に劣る、また挿絵画家は文筆家に劣るという時代が変わろうとしていた頃。こうした文学と美術が共鳴し合う様はとてもフランス的で好きなのです。

b0106921_13531724.jpg

[PR]
by claranomori | 2012-09-10 03:01 | 絵画の中の少女・女性