『ポンパドゥール夫人』 作:フランソワ・ブーシェ★真珠の肌を持つロココの優美な肖像 (1756年)
2010年 09月 13日
うっとりする程、美麗な色調は優美!この前時代とは異なる平和で経済も好調であった時代ならではの生活趣味の豊かさに意味を持ったロココ文化の開花。「優美」「洗練」「貴族的」その真髄は「生きる喜び」にあったとされる時代。この肖像画『ポンパドゥール夫人』(1756年)のローブ・ア・ラ・フランセーズ!そのドレスを彩る装飾品たち!薔薇のお好きなポンパドゥール夫人なのでやはり薔薇の造花が数多く付けられ、繊細な手工レース、リボン、真珠、ブレスレット、ブローチ、ネックレス...嗚呼、豪奢である。その夫人の優雅な佇まいを見事に描き出しているフランソワ・ブーシェは、天使の支える時計、クッション、猫足のサイドテーブル、ポンパドゥール夫人候爵家の紋章入りの本棚などとの見事な調和を完成させている。読みかけの本を手にするポンパドゥール夫人は大変な読書家。それも、当時の女性が好んで読んでいた説話本ではなく、詩、哲学、歴史、伝記、文法などの多くの書物を読まれており、どれもよく読んだ跡のあるものであったという。「ポンパドゥール夫人の時代」ともいうべき時代が築かれた宮廷を支配する程の権力を握ったのは、国王ルイ15世の公式の愛人であり美貌の持ち主であったことだけではなく、むしろ豊かな文学的教養と美的センスのためであったとも云われている。
ポンパドゥール夫人については、また別に綴っておきたいので追々にと想います♪