あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

タグ:美輪明宏 ( 2 ) タグの人気記事

b0106921_5492811.jpg
畏怖の念を抱きながらもやはり綴っておきたいので珍しく日本映画を。1968年の深作欣二監督映画『黒蜥蜴』。主演は尊敬してやまぬ美輪明宏様の改名前の丸山明宏時代で、黒蜥蜴こと緑川夫人。そして、名探偵:明智小五郎は木村功が演じている。原作は江戸川乱歩、戯曲は三島由紀夫という豪華さ。美術は森田郷平とデータに掲載されているけれど、美輪様も大きく携わっておられるに違いないと思っている。映画の冒頭から終盤の壁画(オーブリー・ヴィンセント・ビアズリーの「サロメ」が描かれている)、恐怖美術館の舞台セット、お衣装や小道具...すべて一貫した美意識。耽美!素晴らしい!勿論、お美しい美輪様のお姿も完璧。何よりも好きなのは、日本語の美しき詩的表現の数々である。それらの台詞を聞くだけでも充分に美しいのであるが、宝石商の所有する「エジプトの星」を手に入れる目的で繰り広げられるサスペンス。このお話は屈折した愛の物語でもある。名台詞のひとつ「追われているつもりで追っているのか 追っているつもりで追われているのか 最後に勝つのはこっちさ」とお互いが語る。船中で黒蜥蜴は間もなく海に眠ることになる明智小五郎への思いを語る。本人が聞いているとは知らずに。恐怖美術館での雨宮潤一(川津祐介)の裏切りと宝石商の娘:岩瀬早苗(松岡きっこ)の替え玉...結局は変装して屋敷に潜り込んでいた明智の勝ちだったのだけれど、死んだ(殺してしまった)と思い込んでいた明智が生きていたことを自分の死よりも喜ぶ黒蜥蜴は悪女であるけれど、明智が語る「本物のダイヤはもうなくなってしまった」と。黒蜥蜴こと緑川夫人の心は本物の宝石(ダイヤ)だったのだ。この辺りの絶妙な男女の綾なす秘めた心に胸を打たれる。三島由紀夫も特別出演されており、恐怖美術館の生人形(剥製)の青年として僅かに登場される(この人形化されている三島氏ですが静止するのは難しい体勢だったのか揺れています)。美輪様のお芝居での『黒蜥蜴』は3度拝見しているのだけれど、舞台と映画はまた異なる魅力。詳しいお話は原作を!

ぼんやりしたおぼろげな記憶。幼い頃、テレビでよく明智小五郎ものを観ていたのだけれど、その役は天地茂だったもので、長年、私の中での明智イメージはあの血の気の薄いお顔と冷たいお声が今も響くのです。その番組は連続ドラマだったのか、なんとか劇場だったのか...思い出せないでいます。ご存知のお方は教えてください★
b0106921_5494679.jpg

   黒蜥蜴
1968年・日本映画
監督:深作欣二 原作:江戸川乱歩 原作戯曲:三島由紀夫 脚色:成澤昌茂 撮影:堂脇博 音楽:富田勲 美術:森田郷平 出演;丸山明宏、木村功、川津祐介、松岡きっこ、宇佐美淳也、西村晃、小林トシ子 特別出演:丹波哲郎、三島由紀夫
[PR]
by claranomori | 2009-08-11 06:30 | 文学と映画★文芸・史劇
b0106921_19301844.jpg
大好き!尊敬しているお方のおひとりである美輪明宏さまから多くのことを学んできた。そして、今もその過程にある私。まだ老いてもいないけれどピチピチ若くもない。中途半端な年齢になっている。こうして個人的な想いや好きなアートについて綴ったりしているのは、私自身の心の辿りであり、好きなことでお仕事ができていることに感謝の気持ちを忘れたくはないから...ご覧下さっている方の中にはとってもお若いお方もおられるようで、私が”紹介する”これらが役立つとこの上ないお言葉を頂く。ありがとうございます!でも、私は”紹介している”(おこがましい気がします)つもりはないに等しく、ただ好きな世界を辿っている。そして何処かに同じようなお気持ちのお方がおられて出合う喜ばしさ♪まだまだ過程なので今後何処に向かい何処に辿り着くのか...は分からない。こうして綴ってみることで、私の中のもうひとりの私、どうしても避けては通れないものにぶち当たったりもする。もっと若い頃は、意識してかな...そんな自分の心を避けていた様にも感じられる。今はそうじゃない。心の赴くままに愛する世界を誇りに思い、それらを鑑賞しながら私の中で私なりに昇華していたいと願う。その為の苦があるのも覚悟のうえ。”苦しい”と思っても逃げない勇気を多くのお言葉(書物や音楽たち)から得てきたのだから♪

私は子供の頃からヨーロッパかぶれした子供だったけれど、今もそうだけれど日本が好き!好きではないところもあるけれど、多くの好きなものは日本の抒情のように想う。文学や絵画、ファッション...私は時代遅れかもしれないけれど、昭和が今でも大好き!戦後生まれの私は戦前の昭和、またはそれ以前の大正や明治時代の日本のモダニズムに魅せられる。流行には興味がないかも。だからと言って新しいものを否定したいのではない。居心地が良い世界、心が穏やかでいられる世界に生きていたいと願うだけ。美輪明宏さまのお歌の会やお芝居に嘗ては一緒に行ってくださる友人もいなかったので、一人で鑑賞しては感動で胸がいっぱいになり泣いていた。そして心豊かなエネルギーを頂いてお仕事にまた向かうことができた。今は美輪さまのファンのお友達も周りにいてくださるので、ご一緒に語らうことができて幸せ♪

『光をあなたに』はもう幾度も読んでいるのでこの画像では小口が分かりにくいけれど、結構古びている。でも、愛読書ほど、古びてゆくもの。そして、この朽ちてゆく外形が愛おしくも感じられる。美輪さまはこの序文に以下のように記されているので嬉しい☆

本書は、個人的な悩みに答えるという形にはなっていますが、私としては全てのひとに光が射し込むようなメッセージを込めたつもりです。装幀も、ページをめくるだけで気分がなごむような情緒豊かなものになりました。どうか枕許に置いて、幾度も読み返していただけるとありがたいと思っています。(美輪明宏)

表紙の絵、中のページにはお花のイラストが綺麗。それらは中原淳一氏によるもの。母達が女学生の頃に親しんだという古い乙女雑誌(母は「ジュニアそれいゆ」以前のことはよく知っていた)や映画雑誌...これらのページをめくるだけで嬉々とする心を感じられるなんて!

本は「心の糧」ともいわれています。私達の精神生活の上に大きな恩恵をもたらしてくれるものなどといったら少々大げさにもなりますが、色々な持物の中でも、一字一字たどって読んだ本には特に深い愛着を覚えるものです。青春のある時期に大そう感銘をもって読みふけった本、忘れ難い人から貰った本・・・・・。或る本の数行は暗誦しているほど好きな一節、或るものは幼い頃読んだ童話の本で、その頁の美しいさしえにまつわる思い出・・・・・等々、本棚に並んだ本を眺めると、それらの本に自分の心の遍歴をみるような気がします。(中原淳一)

このお言葉と同じように思う私は、こうして今書き写しながら幸福な想いで涙に溢れています☆
[PR]
by claranomori | 2007-11-12 20:47 | 愛の花束・日本の抒情