あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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ジーン・セバーグ(1938年11月13日~1979年9月8日)は、ゴダールの『勝手にしやがれ』(1959年)が一番に語られる作品だと想う。私も勿論好き!でも、当時18歳~19歳だったジーン・セバーグはフランソワーズ・サガン原作の映画化『悲しみよこんにちは』(1957年)でセシル役を演じた。以前にも少し綴ったのだけれど、どうしてもジーン・セバーグが好きで、どうしてもセシルが好き。セシルは17歳。私もそんな歳の頃に読んだもの。そして、此処でつらつら綴っている中でいつも立ち止まるところ、それは少女期(思春期)の心の揺らぎであり、その時だけの心の襞。とても不安定で暴走したり臆病になったり...でも儚く過ぎ去る刻。"少女幻想”と言っても童女(幼女)を愛しく想う気持ちとはまた違うもの。また、よく”フレンチ・ロリータ”という特集が組まれたりする。気になるので見たり買ったりするのだけれど、多くは男性が描く幻想であり、私は愉しく頁を眺めながらもちょっと違うニュアンスで脳内に絡まり合う美少女~ロリータ~ファム・ファタルな百花繚乱絵図を整頓しようとしてしまう。線引きは微妙なのでくっきりとはゆかないけれど、あれやこれやと鑑賞しては想いを巡らせ此処に綴ってゆく。
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ジーン・セバーグはアメリカ・アイオワ州出身のアメリカ人ながら、フランス映画との係わりが大きい。小柄で華奢な体型と当時流行した”セシル・カット”のボーイッシュな髪型は永遠なのだろう。本来は髪は長いお方だったけれど、デビュー作の『聖女ジャンヌ・ダーク』(1957年)の役柄の為に髪を切ったのだそうだ。この映画は未見なので是非!いつの日にか観てみたい。主演第二作目となる『悲しみよこんにちは』のセシルの気持ちが痛いほどに分かる!と先ずサガンの本を読んだ時に想った。私の境遇とは違うけれど、父に対する気持ち、父と娘という関係に他者が入り込む余地はない...とあの年頃なら。ましてや、素敵な美人の淑女(美しきデボラ・カー演じるアンヌ)に父(これまたお気に入りの英国の名優デヴィッド・ニーヴン)を奪われてしまうような乙女心。時は戻らない。過ぎ行く時間と想い出はセピア色になれども心から消えはしない。
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国際的に活躍されていたお方なので、40歳での謎の死(パリの車の中での変死だった)を憶測するよりも惜しい気持ちが大きい。バート・ランカスターと共演の『大空港』でも見事だった。もっと年老いたお姿での役柄も幅広く演じることができたお方に想う...。ソフト化されていない作品も多く残念だけれど、晩年のフィリップ・ガレルの作品、あるいは政治的な介入...何か運命のいたずら、きっとそんな星の下に生きたお方なのかもしれない☆
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by claranomori | 2008-06-16 03:06 | 少女イコン・不滅の少女
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悲しみよこんにちは/BONJOUR TRISTESSE

1957年 イギリス/アメリカ合作映画

監督:オットー・プレミンジャー 
製作:オットー・プレミンジャー
原作:フランソワーズ・サガン
脚本:アーサー・ローレンツ 
撮影:ジョルジュ・ペリナール
音楽:ジョルジュ・オーリック

出演:ジーン・セバーグ、デヴィッド・ニーヴン、デボラ・カー、ミレーヌ・ドモンジョ、ジェフリー・ホーン、ジュリエット・グレコ

◆あらすじ◆
去年の夏。セシル(ジーン・セバーグ)は、愛する父レイモン(デヴィッド・ニーヴン)、その愛人エルザ(ミレーヌ・ドモンジョ)と別荘での楽しいバカンスを過ごしてた。そこに、亡き母の友人アンヌ(デボラ・カー)がやって来る。17歳の少女の楽しい日々が断ち切られる...。思春期の少女の心の深い溝と葛藤が、松林の先に広がる美しい海岸を背景に、セシルの心の中の小さな”悪魔”が動き始める。

★ソウル・バスの花びらの如き涙の雫がフランス語のままのタイトルで始まり、ジュリエット・グレコが歌う物憂げな主題歌に合わせ、ナイトクラブで何かを抱えてしまった無表情さで踊るセシル。少しブルーがかった様に美しいモノクロームな色彩。そして、カラーに変わる。現在が白黒、去年がカラーで描かれている。この鮮やかな回想との対比。「あの夏からすべてが変わった。何もかも、永遠に・・・。」とセシルは過去を思い出さないようにしていても、「アンヌ、アンヌ」と夜になると囁く声がする。そして、涙がとめどなく頬を濡らす。セシルは暗い日に向かい「悲しみよ、こんにちは。」と言う。同じ年57年に「聖女ジャンヌ・ダーク」でデビューしたセバーグは18歳(公開時は19歳)。この映画のセシルは2万人近いオーディションからセバーグが選ばれた。まだ新人のセバーグは見事にセシルそのものにピッタリ。完璧なキャスティングだと私は思う。英国の名優、ダンディなデヴィッド・ニーヴンと知的な美女デボラ・カーのファンでもあるので、とってもご贔屓にしている作品のひとつ。原作を読んだのが同じ年の頃なので、とてもセシルに感情移入し易かったのだとも思う。でも、再見する内に、美術的な美しさ、南仏の景色などの素晴らしさなどにも圧倒されてしまう。
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by claranomori | 2006-07-13 04:19 | 銀幕の少女たち・少女映画
b0106921_5115199.jpg悲しみよ 
さようなら
悲しみよ
こんにちは
・・・・・・・
欲情をそそる
肉体同士の愛
愛のつよさ
からだのない怪物のように
誘惑がわきあがる
希望に裏切られた顔
悲しみ 美しい顔よ


朝吹登水子:訳 新潮社「悲しみよこんにちは」


「初めから私は大人だったのだろうか。それとも、いまだに子供のままなのだろうか・・・・・大人の年齢になった今でも。」と、サガンは当時を回顧して語ったという。

18歳でこの小説を出版。プルーストの小説から取られたペンネームを持つ天才少女作家誕生。そして、次々と作品は売れ映画化されたものも多い。小説を彷彿させるかのような20歳年上のギ・シェレールとの結婚。サガン22歳。(その後、再婚している。)急速な人生は時にチクチクと刺されるかの様に危険な空気が漂う。サガンはアルコールや音楽を愛したけれど、人生の途中からルーレット(ギャンブル)をも愛した。加速される、歯車が狂い始める。彼女のお顔が人生を物語る。実年齢よりずっと年老いたあの様相は!?と思うけれど、凡人ではないお方ならではの生き様をかっこよく思う。その進み過ぎる老化は、神経衰弱や睡眠薬などの影響も大きかった様だ。小説の中のセシル、サガン、セバーグ...運命の出会い。
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by claranomori | 2006-07-12 01:10 | 本の中の少女たち・少年たち