あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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<   2012年 07月 ( 3 )   > この月の画像一覧

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★エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン(Elisabeth-Louise Vigee-LeBrun:1755年4月16日~1842年3月30日)は18世紀後期ロココを代表する女流画家。同じく画家であった父親ルイ・ヴィジェとは15歳の折に死別。10代の頃から画家の才能を認められ母親と弟を養っていたという。画家で画商のジャン=バティスト=ピエール・ルブランと結婚後、ますます宮廷画家としても多くの貴族の肖像画を描く。マリー・アントワネットにヴェルサイユ宮殿に招かれ王妃や家族の肖像画も多数描かれた。マリー・アントワネットとエリザベート・ヴィジェ=ルブランの友情関係も築かれていったとされるけれど、フランス革命が起こってからはフランスから逃れ、ヨーロッパを転々とされた。

上の自画像はやはりエリザベート・ヴィジェ=ルブランの代表作のひとつだと思いますが、1790年のフィレンツェでの製作とあります。下の愛らしい瞳の大きな娘さんとの母子像が1786年とのことですので、この小さな少女はまだ3歳か4歳という頃です。王妃の身を案じながら、小さな一人娘を抱え、いったいどのような心でフランス革命の最中、この典雅な面持ちの画を維持できたのだろう。生涯画家として多くの作品を残され、王政復古した祖国フランス、ルイ18世に手厚く迎えられ安住の地となる。けれど、夫や成長する娘の素行は良くなく、家庭的には決して幸福なものではなかったという。

「ここで、ついに、私は休みます…」と刻まれた墓碑銘。画家として激動のフランス、ヨーロッパの中で生き抜いた86歳のエリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランの壮絶な時代との生涯と、柔和で優雅な微笑みの肖像画の数々ゆえに、鑑賞者の私に与えてくださるものは言葉を超える☆
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by claranomori | 2012-07-15 22:10 | 絵画の中の少女・女性
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★7月14日は「パリ祭」或いは「パリまつり」と呼ばれている日。けれどこの呼称は日本でのことで、本国フランスでは「建国記念日」であるけれど、あのバスティーユ襲撃の日であること、そして、フランス革命という世界史に於いてもたいへんな劇的な転換をもたらした大事件だと思います。「自由・平等・友愛」をスローガンに人間の尊い自由なる精神を得る大偉業でもあり、また多くの犠牲、血なまぐさい恐怖政治という時代をも経なければならなかった、フランスの歴史、およそ100年近くのこのフランス革命には今も複雑な想いで揺れ動きます。

まだ幼い時に、池田理代子作の『ベルサイユのばら』が大好評となった頃。私がその作品を知ったのは、母に連れられて行った宝塚歌劇団の『ベルサイユのばら』が最初でどんなお話かも知らないし、タカラヅカのこともその時まで知らなかった。母にはとても感謝しています。今でも浮かぶのはラストシーンのマリー・アントワネットのお姿と「マリー・アントワネットは、フランスの女王なのですから」という台詞が焼きついています。あのタカラヅカの煌びやかな夢のような雰囲気に圧倒されていたのだと想うのですが、死にゆく王妃の気高き心が子供の私に何かを与えてくださったのだと想います。そして後にアニメ版、そして原作という順で作品に親しみました。

以前、ジャン・コクトーのマリー・アントワネットについての言葉に触れましたが、やはり「マリー・アントワネットについて考えるとき、首を斬られるということは、極端な悲劇的な意味をおびる」のです。僅か14歳でフランス王妃となり39歳の若さでギロチン(ギヨチーヌ)刑という生涯。フランス革命に限らず、歴史的な大事件は多角的に見たり考えたりすると、正と悪という短絡的な感情では収まらないものなのでしょう。フランスの文化が好きなのですが、「パリ祭」の日には華やぐ気分にはなれないのです。フランス革命の歌『ラ・マルセイエーズ』は、自由と解放の歌のように愛唱されている有名なフランス国歌でもありますが、歌詞はとても血なまぐさいものです。

起てや祖国の 健児らよ、 栄えある日こそ 来たるなれ、
われに刃向う 暴虐の、 血染めの旗ぞ 翻る、
君よ聞かずや 野に山に、 敵兵どもの 吠えるのを、
わが同胞を 殺さんと、 奴らはわれに 迫り来る、
いざ武器を取れ 市民たち! 隊伍を汲めや いざ行かん!
敵の汚れし 血潮もて、 わが田の畝を 潤さん。

このフランス革命歌、フランス国歌の軽やかなリズムゆえに、高らかに謳う陰に、貴族やデモクラシーに反対する人々(当時の体制派、保守派)は敵であり、アリストクラートと呼ばれた。1792年の夏に、『ラ・マルセイエーズ』はパリに集まって来た義勇兵たちが高唱したもので、フランス国民の統一と団結を謳うもの。けれど、もう一方では同じフランス人の多くの人々のギロチン(ギヨチーヌ)という悲劇は、尊い自由の代償として深く傷痕を残しているようです。けれど、フランスは長い複雑な歴史を国内からあらゆる視点で描く人々がいる。フランスに限らず先進国、大国と呼ばれる成熟した国ならそうでしょう。日本はいつの間にか、フランス国歌よりもずっと穏やかで美しい和歌「古今和歌集」を基とした『君が代』という国歌がありながら、合唱する機会は稀であるという状況。間もなくロンドン・オリンピックが開幕される。日本の選手が金メダルを獲得する折、あの場面すら放送されない局もあるのだろうか、と想うと何故?!と疑問は歳を重ねるほどに強く深くなっています。そんな諸々を想起していました♪
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by claranomori | 2012-07-14 23:56 | 想い・鑑賞・読書メモ
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フランソワーズ・アルディ / 私の騎士
FRANCOISE HARDY / SI MI CABALLERO
作詞:フランク・ジェラール 作曲:トゥーカ 1971年

シ・ミ・カバレロ
できることなら
白い砂塵になって
あなたの軍隊の後を追いたい

シ・ミ・カバレロ
どんなに嬉しいことかしら
一束の雑草になって
あなたの体にくっついてゆけたら

この白い家は
花々に囲まれていても
あなたがいなくては
墓石とおなじよう


 フランソワーズ・アルディ!私が「フレンチ・ポップス」という音楽を意識した上で、最初に好きになったお方。そのほんの僅か前にブリジット・フォンテーヌを知ったことが大きいのでしょう。けれど、ブリジット・フォンテーヌにはフレンチ・ポップスというイメージを当時抱かなかったのです。当然のことながら、私も毎年年齢を重ねている。ちょっと寂しいような、でもこの先どんな風なのだろう、と、今の日本の状況の中で私は生きてゆくわけです。とっても憂国の念に溢れながら、でも私はこの日本で生きていつか死が訪れる。思考は深みに陥り滅入るけれど、幸いなことに生まれつきの楽天的な性格が、それでも前を、空を見上げることを忘れずにいられるらしい。

 その当時、私は16歳。実に不思議なくらい、この16歳~17歳という高校生の時期に、今も大好きな音楽、アーティストに出合うのです。それ以前は英国、ブリティッシュ・ロックやポップスを主に聴いていたけれど、この辺りから徐々にフランスの音楽、ヨーロッパへ。また女性ヴォーカルが一段と好きになってもゆく。そんな音楽的には実に充実した実りの多い頃ゆえに、こうして好きな曲をふと想い出したり聴いたりすると、いとも簡単に16歳のあの頃、あの教室、あの風景が蘇ります。いつまで経っても行ったり来たり。

 この「私の騎士」という曲はオリジナル・アルバムでは『私の詩集』に収録された1971年の曲。作詞はフランク・ジェラールでアルディが信頼を寄せているお方でもある。そして、作曲はブラジルのトゥーカが担当しています。トゥーカもアルディと同様に、女性シンガー・ソング・ライターで、同時代を生きたお二人の中で芽生えた友情のようなものが素敵な曲を作り上げたのだと思えます。

 イントロが口笛で始まる印象的な曲で、とっても好きな曲です。アルディに関しては山のように好きな曲が存在するのですが、16歳の私が初めて買ったフランソワーズ・アルディのアルバムに収録されていた曲なので、かなり思い入れの強い曲です。タイトルは「SI MI CABALLERO」とスペイン語。「さあ、私の騎士さん」。物憂い、メランコリックなアルディの歌声とこの詩と曲がピッタリ呼吸を合わせるかのような名曲です。私の好きな往還する女と少女の世界、そして知的でエレガント、そして風変わりなフランソワーズ・アルディの名曲の一つだと思います。

 この当時アルディは27歳頃。60年代後半からミュージシャンのジャック・デュトロンと同棲生活を始め、息子さんも。長い間、「結婚しない女」と呼ばれていたアルディはずっとデュトロンとの生活を今も続けている。今は正式にご夫婦でありますが、実にフランス風な良きパートナーとの関係を想うのです。


★「FRANCOISE HARDY / SI MI CABALLERO」♪

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by Claranomori | 2012-07-04 15:21 | 私的少女音楽★愛しき歌姫