あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

<   2008年 10月 ( 8 )   > この月の画像一覧

b0106921_21214435.jpg
★クリストフ・バラティエ監督の自伝的内容でもあるという映画『コーラス』(2004年)。早くこの映画のことを~と想っていた大好きな作品。問題児のピエール・モランジュ少年を演じるのはジャン=バティスト・モニエ(JEAN-BAPTISTE MAUNIER)で映画は今作が初出演。劇中でも素晴らしい美声を聞かせてくれるのだけれど、それもそのはず正真正銘のソリスト。彼の所属するサン・マルク少年少女合唱団が合唱を担当している。でも、主役は失業中の音楽教師クレマン・マチュー(ジェラール・ジュニョ)!なんとも言えない名優さまで幾度も感動させられて来たお方。舞台となるのは戦後間もない1949年の田舎町の”池の底”という名の寄宿学校。ここの少年たちは家庭に問題があったり、親のいない子ども、素行の悪い問題児たちが一緒に生活している学校。その学校に赴任してきたクレマン先生はまとまりのない彼らをなんとかしたい。将来の夢を書かせると皆それぞれ希望を持っている未来のある子供たちなのだ。そこで、”歌”を通じて彼らの心を素直にできないものかと合唱団を結成する。ある施設からやって来たかなりの問題児ピエール少年。お顔は美しいがそういう役柄。しかし、彼はとんでもない美声の持ち主だったのだ。彼らは日増しに上達し発表会も開く。先生は作曲も捗り、ピエールの才能をなんとか伸ばしてやりたいと面会に来た母親に告げる。そんな中、私が最も好きだった少年は小さなペピノ君(マクサンス・ペラン)。彼はこの映画の製作者でもあり50年後のピエール役でも出演しているジャック・ペランの息子さんなのだそうだ。とってもかわいい!彼はいつも両親が迎えに来てくれる日を望み学校の門を眺めている。けれど、決してその夢は叶わないのだった。上手く事は運ばない。ある遠足の日、何者かに校舎を放火されてしまう。校長の怒りや憤りも分かるけれど、貴重な音楽教師をクビにしてしまう...先生が学校を去る時、後ろから生徒達のメッセージが書かれた紙飛行機が飛んでくる。ああ感涙!そして、私の気になっていた小さなペピノ君がトコトコとバスに乗る先生のあとをついてゆく。先生は一緒に連れてゆけないというけれど、結局彼は一緒に行った。そのペピノとピエールが50年後に再会し、ペピノは一冊の日記をピエールに見せる。クレマン先生の残した大切な形見を☆
b0106921_21221532.jpg
子供時代の思い出は、
後になって大きな意味を持つようになります。
無意味なことは一つもありません。
そして音楽や歌は
その頃を美しく鮮やかに蘇らせてくれます。
どうかこの映画を、あなたの子供時代と
重ね合わせて思い出してください。
あの無心で一生懸命だった日々を・・・。

ジャック・ペラン

b0106921_21223656.jpg
★今もこのペラン氏のお言葉を打ちながら胸が熱くなります。そして心穏やかながら涙に溢れます。私はこの映画が大好きです!生まれ育った国や環境は様々でも、誰もが子供時代を体験している。そして、その時の楽しい想い出も辛い想い出もあるけれど、それでも一生懸命生きていたのだと想います。私もきっとそうだっただろうし、今の子供たちもそれぞれに。なので、私はこうした少年少女の映画が好きなのかもしれません。いつでも想い出せるのです...困る時もありますが。

コーラス/LES CHORISTES
  2004年・フランス映画
監督:クリストフ・バラティエ 音楽:ブリュノ・クーレ 合唱:サン・マルク少年少女合唱団 
出演:ジェラール・ジュニョ、ジャン=バティスト・モニエ、ジャック・ペラン、マクサンス・ペラン、フランソワ・ベルレアン

[PR]
by claranomori | 2008-10-28 22:21 | 銀幕の美少年・少年映画
われらの誕生はただ眠りと前世の忘却とに過ぎず。
われらとともに昇りし魂、生命の星は、
かつて何処に沈みて、
遥かより来れり。
過ぎ去りし昔を忘れしにはあらず、
また赤裸にて来りしにもあらず、
栄光の雲を曳きつつ、
われらの故郷なる神のもとより来りぬ。
われらの幼けなきとき、天国はわれらのめぐりにありき。

『ワーズワース詩集』より


b0106921_21252043.jpg

☆ワーズワースは英国のロマン派のお方で好きな詩篇も多い。西洋文化と日本で生きる私とは違うけれど、不思議な相性の良さを感じてしまう。時代もずっと昔のお方だけれど。子供という存在の無垢さ、純真さは天からの授かりものなのだ。極悪な社会の歪みは子供たちにも影響する。本来は尊き天使の遣いかもしれないのに。関係ないのですが、関西では開催されずにガクンとしていましたので、大好きな英国画家ジョン・エヴァレット・ミレイの少女と母の絵を。この愛らしい少女の眼差しは彼女にしか見えないものがあったのかとも妄想したり。鳥の巣があるようなのですが☆
[PR]
by claranomori | 2008-10-22 21:35 | 19世紀★憂愁のロマンと美
b0106921_8562239.jpg
少女子役時代の、あの『奇跡の人』のヘレン・ケラー役はとても衝撃だった。以前少し書いたのですが補足したいことも色々あるのでまた此方でもと想っているところ。そのパティ・デュークが成長して思春期、青春期を迎えた頃の名作映画『ナタリーの朝』。ナタリーは優しい両親と暮らしているけれど、年頃になりお友達で美人のベティの世話により男の子とデートに行く。ナタリー17歳。大人への階段を上りゆく頃。その時、男の子は美人のベティを見て逃げ腰になってしまう。そしてクラブに行くナタリーはまるで”壁の花”という状態だった。美人でない自分の容姿に対するコンプレックスが募る一方。そのことはもっと幼少の頃から抱いていたナタリー。母親に告げても”大きくなったら美人になるのよ”と言われ信じてもいた。けれど、”ママは嘘つきだわ!”という年頃になったナタリー。子供の頃からナタリーの事を”リトル・プリンセス”と呼んでくれる大好きな叔父さんが10数年の海外生活から戻ってきた。喜ぶナタリーながら、また愕然とすることが。叔父さんが婚約者だというお方が金髪のグラマー美人だったのだ。叔父さんも嘘をついてた!と想ったようだ。
b0106921_856837.jpg
そして、大学に進学したナタリーは造反ゲバ騒動に参加し退学処分を受ける。そして、両親の反対を押し切って家を出てゆくことに。高校の卒業パーティーでも誘ってくれる男の子はいなかった。ナタリーは架空の恋人を夢みたりする。いつか素敵な王子様が私を...といじらしい少女の心。家を出ることはナタリーの自分自身を見つめる機会でもあり、青春の甘酸っぱさや社会の裏切りをも体験することにもなった。初めて、”きみは美しい。個性的で魅力的だ”と言ってくれた男性と出会う、そして初めての恋をする。しかし、ハッピーエンドではなく、またナタリーは両親の家へ戻るのだけれど、”Me, Natalie”と言うナタリーになって。青春時代は自分が見えない時がある輝かしき刻であると想う。感情で突っ走ることができる頃。そこで苦い体験をしてもその時の輝きはバラ色のように感じるのだと。この映画の中でパティ・デュークは表情や巧みな演技で特に前半は本来よりかわいくない少女(可愛くない少女がいるのだろうか...と私はいつも想う、でもコンプレックスが爆弾を抱えているほどに重い時がある、それも少女!)を演じているのだけれど、オーバーアクトでなく自然で上手いなあ~と想う。そして、グリニッジ・ヴィレッジという町を少し羨ましく想えた映画でもある。流れるヘンリー・マンシーニの美しいメロディや風景と共に忘れられない青春映画のひとつ。最初はテレビで観たのだけれど、その時、既に大スターだったアル・パチーノが端役で出ていたのも印象に残ったもの。後に知ったけれど、この映画がアル・パチーノのデビュー作なのだそうだ。

ナタリーの朝/ME, NATALIE
   1969年・アメリカ映画
監督:フレッド・コー 音楽:ヘンリー・マンシーニ 出演:パティ・デューク、ジェームズ・ファレンティノ、マーティン・バルサム、ナンシー・マーチャンド、サロメ・ジェンズ、デボラ・ウィンタース、アル・パチーノ
[PR]
by claranomori | 2008-10-16 09:40 | 銀幕の少女たち・少女映画
b0106921_22411267.jpg
b0106921_22414140.jpg
b0106921_22415695.jpg

★レコード盤が大好きです。でも今ではCDしか作られない作品が多くなっています。音楽が好きになったのは映画よりも少し遅れましたが、ジャケ買いに外れは一度も無いのです。CD化されたものを眺めていても綺麗な好きなジャケットは色々あるのですが、あの大きさのレコード盤に再会すると魅力はすっかりレコードに負けてしまいます。レコード世代だからかもしれないのですが、レコードの音が好きです。少々ジィジィ鳴る古びたものでも溝と溝の間で奏でる、楽曲を結ぶ優しさがあるようで♪上の3枚はどれもアーティストも楽曲もずっと好きなものたちです。特に一番上の少女が気になってしかたがないのです。Catchersという英国の男女混声バンド。キーボードとバックヴォーカル担当の女の子のお名前はアリス・レモンと云います。そのお方かなあ...とも想うのですがはっきり分かりません。俯き、天使の環が美しい短めの髪。少し少年ぽいので、男の子だと想像するのも愉しいです。あとは、80年代から今でもしつこく聴いている大好きなコクトー・ツインズとオール・アバウト・イヴです。ジャケットの少女たちはメンバーではありません。このような気になる女の子が映ったレコードが色々あり、手放さずに持っている理由がどうやら分かったような気がしています。場所をとるものたちに好きなものが多いです♪
[PR]
by claranomori | 2008-10-15 23:17 | 私的少女音楽★愛しき歌姫
b0106921_20295837.jpg
音楽映画はやはり好きで、また姉妹ものであるこの『ジョージア』は忘れられない映画のひとつ。カントリー・シンガーとして成功し家族もある優秀な姉ジョージア(メア・ウィニンガム)と、そのまるで正反対のような妹セイディ(ジェニファー・ジェイソン・リー)。姉のように澄んだ声で上手には歌えない、姉に対する憧憬と尊敬の気持ちと同時に抱く心の叫び。姉は、アルコールやドラッグに浸りパンクファッションに身を包み安酒場で歌う妹が気がかりでもあり、厄介でもある。そんな姉妹の心の葛藤を、奏でる音楽や歌う曲、流れる曲たちと見事に融合して心の襞を描き出す。1995年製作の作品なので、このセイディ役のジェニファー・ジェイソン・リーは30歳を過ぎている。でも私にはまるで堕天使のような少女に映った。彼女の黒く縁取ったメイクや華奢な身体で上手くないけれど心から歌っている。1995年のアメリカというとシアトル勢が凄くて、ファッション界にまで”グランジ”が押し寄せていた頃。そんな同時代を生きている私はジョージアよりもセイディに共鳴できるしセイディが好き!私と似ている訳ではないけれど、音楽が人生と共にあり、そこに生を見出し生きている人々がいる。”そんなことじゃ”と想われる人々もいるだろう。古い映画もヨーロッパ映画も観る。嘗ての世代の人たちが抱いていた”アメリカン・ドリーム”のような幻想。原体験していない者なので生意気ながら敢えて”幻想”と言わせていただく。ヒッピーやフラワー・ブームな映像が多く残されている。それらを観て感動することもある。でも幻想だったと...。
b0106921_203010100.jpg
この映画の中で、ルー・リードの曲が使われていてそれがさらに説得力を持ち伝わるのかもしれない。私はデヴィッド・ボウイが大好き。ボウイは60年代のヒッピーたちの幻想に疑問を持ちながら違った形で表現していた。60年代末にヴェルヴェット・アンダーグラウンドはアンディ・ウォーホルの後押しでニコをヴォーカルに歴史的なデビューを果たす。けれど、当時のアメリカはドアーズであったのだと想う。メインストリームは!ボウイは英国人ながら当時からヴェルヴェッツの大ファンでニューヨークで彼らのライヴを観ている。そして、ルー・リードを英国に紹介したのもボウイ。映画の内容から離れているようだけれど、この映画はメインストリームと落ちこぼれの合わせ鏡のような世界を姉妹の心の葛藤として描き出しているように想う。ジェニファー・ジェイソン・リーがヴァン・モリソンの曲を歌う場面がある。彼女は演技派女優だけれど歌手ではない。でも、女優でもあり歌手でもあるメア・ウィニンガムの清楚な歌声よりも私には響くものだった。歌だけではなく、演奏でも下手でも心に届くものがある私はそう想う。下手なものを認めないお方もおられるのでこの映画の感動の具合は好きな音楽や生き方、其々の感性によって違うものだとも想う。バックバンドのボビー・メロンの中にはL.A.のパンク・バンドであったXのギタリスト、ジョン・ドゥーもいる。痛いほどにヒリヒリする映画。また、ジェニファー・ジェイソン・リーは主役でも脇役でも好きな女優さま。ルー・リードの70年代は低迷期だった。今ではルー・リードの、ヴェルヴェッツの子供たちが増殖するばかり。私はそんなアメリカは心に響くものを感じる...上手く語れないけれど、アウトロー好きなところがあるらしい。
    
   ジョージア/GEORGIA
1995年・アメリカ/フランス合作映画
監督:ウール・グロスバード 脚本:バーバラ・ターナー 出演:ジェニファー・ジェイソン・リー、メア・ウィニンガム、マックス・パーリック、テッド・レヴィン、ジョン・ドゥー、ジョン・C・ライリー
[PR]
by claranomori | 2008-10-13 21:41 | 銀幕の少女たち・少女映画
b0106921_1902168.jpg
フランスのイラストレーターであり漫画家であった有名なレイモン・ペイネ(RAYMOND PEYNET:1908年11月16日~1999年1月14日)がオリジナル・イラストで、チェザーレ・ペルフェット監督により映画化された『ペイネ 愛の世界旅行』(1974年作品)を、2000年代になりリバイバル上映とソフト化され観ることができたもの。フランスとイタリア合作のアニメーション映画で、主役の愛らしい男女おふたりはバレンチノとバレンチナというお名前。時代を超えた”メッセンジャーたち”と出逢う旅の物語。もうメルヘンであり、可笑しさもあり、ちょっとエロティシズムもありと愉しい作品。

おふたりの愛のデータが記されているのだけれど思わず微笑んでしまう♪
<旅行時間> 紀元前1年~永遠
<訪問国数> 20カ国 <訪問都市> 26都市
<出逢った”愛のメッセンジャーたち”> イエス・キリスト、ビートルズ、ネモ艦長、ドン・キホーテ、フェデリコ・フェリーニ、ボッティチェリのヴィーナス、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ウィリアム・テル、エリザベス女王、人魚、シェイクスピア、毛沢東、モナリザ etc.
<移動手段> 主にエア・ラブ(操縦は天使)
その他 自動車、自転車(二人乗り)、潜水艦、馬車、ゴンドラ、気球、日の丸タクシー、列車、蒸気船、ヘリコプター、地下鉄
b0106921_1903987.jpg
友人の監督がペイネ氏について、「とても心優しい人で、騒がしい世間とはあまり接触したがらない。だから、人に会いたがらないし、親友の自分とも常に優しい声で話すし、隔絶されたようなところに住んでいて、マスコミなどとの折衡も全部代理人に任せ接触しない人。」だと語っていた。そういうお方だとお聞きして何も不思議ではないし、そうだろうなあ~と想う。ずっとご自分の描く世界を大切に生きておられたのだろう。唯一の映画が残されていて嬉しい。主題歌はエンニオ・モリコーネ、音楽はアレッサンドロ・アレッサンドローニが担当している。日本の漫画家さま達も多くの影響を受けたとお聞きする。こうしたメルヘン世界は心が落ち着くので好き☆
[PR]
by claranomori | 2008-10-11 19:39 | 詩人・作家・画家・芸術家
b0106921_761371.jpg
アナ・トレント出演映画の久しぶりの日本公開となる『ブーリン家の姉妹』(2008年・今秋全国公開)が楽しみで楽しみでという状態。姉妹もの好きで英国好き、さらにそのブーリン姉妹を演じるのはアン・ブーリンがナタリー・ポートマン、メアリー・ブーリンを演じるのがスカーレット・ヨハンソン。さらに私のお気に入り英国女優さまのおひとりであるクリスティン・スコット・トーマスが姉妹の母親レディ・エリザベス・ブーリン。そして、アナ・トレントはヘンリー8世の最初のお妃キャサリン・オブ・アラゴン役で出演されている。以前に、アン・ブリーンのこと(ずっと私はブリーンと呼んできたのですがブーリンの方が通常のようだと知りました)を少し綴った時にはこの映画のことも知らずにいたのでこんなに嬉しいことはない。ヘンリー8世にはエリック・バナが扮しているらしい。監督はジャスティン・チャドウィックで俳優でもあるお方。『ロンドン・キルズ・ミー』や『セクシャル・イノセント』などに出演、監督としてはテレビ映画や短編などを撮られてもいる。
b0106921_763177.jpg
原作はフィリッパ・グレゴリーで英国ではロングセラーだというもの。その中での方が映画より、さらに色濃く姉妹の愛憎関係が描かれているのだという。映画を観てみないと何も言えませんので、詳しくは鑑賞後に此方にて綴ろうと想います。私は最新情報のチェックなど、かなり疎く周りの友人たちから教えて頂いたりという幸せ者。映画も書物もいくら著名なお方が絶賛されたり、批判されていても参考にはさせて頂けるけれど自分の想いを抱くことはできないので此処には綴らないという基本が私なりにあります。でも、今作の第一回目の鑑賞では観る箇所、目的が女性オンリー!さらにチューダー朝時代の英国の雰囲気にうっとりしているだろうという予測♪
b0106921_793787.jpg
そして、もう少し先には『ビクトル・エリセDVD BOX』が11/29に発売される。そこには廃盤状態だった『ミツバチのささやき』(1973年)、『エル・スール』(1983年)がニュー・プリントで、そして初登場となるエリセ監督のデビュー作である『挑戦』(1969年)の3作品が収められているというもの。永遠の少女☆アナ・トレントは作品の中で生き続ける。そして、今のアナ・トレントも女優として生きている。”少女時代のアナ・トレントしか観ない”とか”エル・ニドは終わってた”などというお声も聞いてきたけれど、私は今でもアナ・トレントが好きなので愛し続けるだけ☆
[PR]
by claranomori | 2008-10-08 08:00 | 銀幕の少女たち・少女映画
b0106921_85608.jpg
主人公の少年サーニャは6歳。舞台は第二次世界大戦終結後のロシアで、その混沌とした状況下にサーニャは生まれた。けれど、父親はサーニャがまだ母親のお腹の中にいる時に戦死している。私は少年や少女が主人公の映画は機会があればどの国のものでも観てしまう。そして、それぞれ歴史的背景も違うし、その親子の関係、家族、生活も様々。そして、なにか世界の歴史や文化を映画を通じて学ばせて頂いているようにいつも感じている。学生時代から殊に世界史は大好きな学科でもあった。私は女性なので少年期を知らない。幼い6歳の少年とまだ若く美しい未亡人の母親ふたり。このような状況下で生きてゆくことはとても困難である。父親というものを知らない6歳の少年の心って...。

サーニャには絶えず父親の幻影がある。1952年のある列車で運命的な男性トーリャ(ウラジミール・マシコフ)と母と息子は出会う。そして、母親カーチャ(エカテリーナ・レドニコワ)とトーリャは恋におちる。そして、3人で生活を始めるのだけれど軍人を装ったトーリャは実は泥棒稼業の人生を歩む人。それを知っても愛し続けるカーチャ。そして、息子サーニャに”パパと呼びなさい”と言われても呼べない少年。少年の目を通して描かれる大人たち、子どもたち。この映画はパーヴェル・チュフライ監督がご自分の少年期のことを撮りたくて脚本から手掛けられているもの。当時の集合住宅というのか共同生活の様子は貧しくもなにか美しいと想えた。老人も中年夫婦も子どもたち。各家族がありながらも共同生活をしている。その人々が食卓を囲む光景、アコーデオンの音が響き歌を歌い語らい笑ったりしている♪

罪を重ねるトーリャに母親は止めるように告げ口論も増える。ある日、そんな中母親を突き飛ばすのを見て少年はテーブルにあったナイフを突き出す。けれど刺すことなどできない。サーニャ少年はこの男性に憎しみと親しみを持っている。トーリャからサバイバル法を教えてもらったりする。この親子にとっていくら泥棒男でも忘れることはできない程の愛が次第に育まれていた。しかし、遂にトーリャが警察に捕まってしまう。護送される車に移動する時に彼に会うために親子は雪の中を待つ。母親が”カーチャよ!!”と叫ぶ。サーニャ少年は彼がその後どうなるのかも何も分かってはいない。ただ、彼を乗せて走り出す車を小さな足取りで必死に追いかけ”ぼくのパパ!置いて行かないで”と叫ぶ...ああ号泣!ここでようやく”パパ”と呼んだのだ。呼ぼうとなど頭で考えてはいない心からの声。そして、実の父親の幻影も消えた。数年後、刑を終え再会する日がやって来たけれど、母親は病死し少し成長したサーニャは独りぼっちになってしまう。その後、彼はどうしているだろう...孤独なうえ、背負ったものも大きいだろう。サーニャ少年を演じたミーシャ・フィリプチュク君の瞳は水晶のよう☆
b0106921_8561916.jpg

パパってなに?/VOR
 1997年・ロシア映画
監督・脚本:パーヴェル・チュフライ 撮影:ウラジミール・クリモフ 音響:ユーリヤ・エゴーロワ 出演:ミーシャ・フィリプチュク、エカテリーナ・レドニコワ、ウラジミール・マシコフ、アマリヤ・モルドヴィノワ
[PR]
by claranomori | 2008-10-03 09:46 | 銀幕の美少年・少年映画