あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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カテゴリ:キネマの夢・シネマ万華鏡( 49 )

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「ポーランド映画祭2013」


「ポーランド映画祭2013」が11月30日から12月13日の間、東京のシアター・イメージフォーラムで開催されることが決定、ラインナップも併せて発表された。
今年は、2014年に最新作『ワレサ(仮題)』の公開を控えるアンジェイ・ワイダ監督の『灰とダイヤモンド』『すべて売り物』など傑作7本をメインに、前回反響の大きかった作品の再上映や、ポーランド映画最新作のジャパンプレミア、さらに60年代のポーランドでテレビ放映され子供たちを熱狂させた児童アニメの名作も紹介されるなど幅広い作品がラインナップされている。
昨年に続き、現在新作を準備中のイエジー・スコリモフスキ監督が今年も監修として参加。
映画祭初日には開幕挨拶を行う。
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■上映ラインナップ■
<アンジェイ・ワイダ監督作品>
『地下水道』
『灰とダイヤモンド』
『すべて売り物』
『戦いのあとの風景』
『大理石の男』
『鉄の男』
『コルチャック先生』
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『沈黙』(カジミェシュ・クッツ監督)
『サルト』(タデウシュ・コンヴィツキ監督)
『不戦勝』(イエジー・スコリモフスキ監督)
『夜の大三部分』(アンジェイ・ズラウスキ監督)
『砂時計』(ヴォイチェフ・イエジー・ハス監督)
『夜行列車』(イエジー・カヴァレロヴィッチ監督)
『さよなら、また明日』(ヤヌシュ・モルゲンシュテルン監督)
『不運』(アンジェイ・ムンク監督)
『沈黙の声』(カジミェシュ・クッツ監督)
『サラゴサの写本』(ヴォイチェフ・イエジー・ハス監督)
<ポーランドアニメーション>
『ボレック&ロレック』
『魔法のえんぴつ』
<ジャパンプレミア作品>
『イーダ』(パヴェウ・パヴリコフスキ監督)
『ライフ・フィールズ・グッド』(マチェイ・ピェブシツァ監督)
『巻き込まれて』(ヤツェック・ブロムスキ監督)
※ラインナップは変更になる場合があり
※上映日時など、詳細は映画祭公式ウェブサイトへ
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「ポーランド映画祭2013」
2013年11月30日(土)~12月13日(金)2週間限定
渋谷シアター・イメージフォーラムにて
公式サイトは → こちらです。



★もしも、関西圏でも上映予定が決まりましたら教えて頂けますと嬉しいです♪

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by claranomori | 2013-11-24 00:09 | キネマの夢・シネマ万華鏡
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 「銀幕の華麗なる悪女」というと、やはりこのお方、バーバラ・スタンウィック(BARBARA STANWYCK:1907年7月16日~1990年1月20日、アメリカ、ニューヨーク出身の大女優)!ビリー・ワイルダー監督の『深夜の告白』での美貌のフィリス役。優れた「悪役」は鑑賞者にやはり「悪いな!」「憎たらしいな!」と、書かれたお話を演じているにも関わらず思わせる。その悪女がまた美人で誘惑者であると、ますますスリリング。私の場合、「銀幕の中の悪女たち」を想う場合、やはり美貌と知的さを伴ったお方が断然好き。だってただの性悪女という役柄なんてつまらないもので。なので、「銀幕の華麗なる悪女」、華麗でなくては!最後は裁きを受けるか死んでしまうか。作品によっては華麗にすり抜ける天晴悪女も。でも、このバーバラ・スタンウィック演じるフィリスは見事なまでの悪女で、「許せない」感いっぱいで鑑賞したものです。

 『深夜の告白』は1944年のハリウッド映画で、日本公開は1953年。フィルム・ノワール映画、また保険金殺人のサスペンス映画の先駆的作品だそうです。原作は『郵便配達は二度ベルを鳴らす』や『ミルドレッド・ピアース』のジェームズ・ケインで、ビリー・ワイルダーと作家のレイモンド・チャンドラーが共同脚本。

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 1944年です。あの第二次世界大戦の最中(末期)。そんな時代背景は全編を覆う暗い色調、陰影は表現主義的手法。悪女フィリスの破滅に向う様とは異質の保険外交員ネフの破滅への過程。そのネフと調査員のキーズには、何か男同士の友情(同性愛的な漂い)をも感じさせる余韻を残す辺りも好きです。そして、お話はこの破滅に向うネフが保険会社の事務所で、自ら録音機で告白するという場面からの回想形式。流石に名画と謳われる作品は見事だなあ、と堪能したものでした。それにしても、バーバラ・スタンウィック演じるフィリスの殺人を犯しても動じる事無く非情な態度、イスに座った折の足のポーズなどが印象強く残っています。そして、バーバラ・スタンウィックという女優さまは好きです。拝見した作品中、この『深夜の告白』の他に、『私は殺される』や『ステラ・ダラス』(ベット・ミドラーとトリニ・アルヴァラードによる『ステラ』はリメイクです)もとっても感動しました。また観返したいと思います。



深夜の告白 / DOUBLE INDEMNITY
1944年・アメリカ映画
監督:ビリー・ワイルダー
原作:ジェームズ・M・ケイン
脚本:ビリー・ワイルダー / レイモンド・チャンドラー
撮影:ジョン・サイツ 音楽:ミクロス・ローザ
出演:フレッド・マクマレイ / バーバラ・スタンウィック / エドワード・G・ロビンソン
ポーター・ホール / ジーン・ヘザー / トム・パワーズ

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by claranomori | 2013-11-06 09:55 | キネマの夢・シネマ万華鏡
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 すっかり秋。今年の激猛暑はなんだったのだろう、と思う程。気象庁によるお知らせでは、秋が無く冬になり、寒波の厳しい冬になるそうです。私の大好きな季節、そんな秋は今年もあっという間に過ぎゆくようです。「秋」と云えば「芸術の秋」。久しぶりに「映画」のことも。「女優」というと、基本的に欧州の退廃的美しさを漂わせたお方が子供の頃から好きです。でも、可憐な少女性を残したファム・アンファンな女優さまも好きだし、「銀幕の華麗なる悪女」或いは「宿命の女(ファム・ファタル)」のような女優さまも好き。「少女」もそうですがやはり「女優」や「女性ヴォーカル」は幅広く寛容なようです。でも「フェミニスト」や「ジェンダー」ばかりを声高に叫ぶお方とも何か違う気がしています。

 20代半ば位まででしょうか?もっと後までかも?所謂「セックス・シンボル」と形容される世界的人気を誇る女優方を、ちょっと敬遠していました。先入観が如何に愚かであるのか、と反省する程の衝撃は「マリリン・モンロー展」。涙が出る程、愛らしくて可愛いお方。ハリウッドの映画産業による影響は日本でも大きいですね(占領下でしたし...今も属国的)。1946年(日本公開は1949年)のハリウッド映画で、リタ・ヘイワース主演の『ギルダ』という作品。ヨーロッパ映画を優先して鑑賞して来たもので、この名画を鑑賞したのは90年代に入ってからでした。フィルム・ノワールな作風で気に入りましたが、ファム・ファタルなギルダを演じる妖艶なリタ・ヘイワースが踊りながら歌う場面(アニタ・エリスの吹替え)は息を呑むようでした。今も大まかなストーリーしか思い出せないのですが、その場面はずっと焼きついています。またじっくり観直したいと思います。そして、ギルダが歌う「Put The Blame On Mame」という曲も。なかなか意味あり気な内容で、1906年のサンフランシスコの大地震、カナダでの銃による射殺事件・・・「それはメイムのせいなの」といった具合。

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 ジャン=リュック・ゴダール監督の『ゴダールの映画史』に、この『ギルダ』の名場面が登場した時、やはり嬉しかったです。そして、フランソワ・オゾン監督の『8人の女たち』の劇中、ファニー・アルダンの歌の場面(原曲シャンソンはニコレッタです)は、ギルダへのオマージュでもあります。ファニー・アルダン!カッコよくて素敵な女優さまで大好きです☆

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★リタ・ヘイワースは元々ダンサーだったそうで、独特の動きと雰囲気です♪



★フランソワ・オゾン監督の『8人の女たち』でのファニー・アルダン♪

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by claranomori | 2013-11-04 23:58 | キネマの夢・シネマ万華鏡
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★確定申告や風邪気味続きのバタバタした日々を送っているのですが、久しぶりに懐かしい想い出の映画のことを。ジム・ジャームッシュ監督の『ストレンジャー・ザン・パラダイス』という映画を先月観返していました。1984年作品ですが日本公開は1986年。80年代初頭辺りからヴィスコンティやフェリーニ等のイタリアの巨匠のリバイバル映画、トリュフォーやゴダールなどのヌーヴェル・ヴァーグ作品を後追いする日々がとても愉しかったものです。そして同時代の新しい映画も今よりずっと観ていました。このジム・ジャームッシュ映画に興味を抱いたのは、ジョン・ルーリーが出演されていると知った事が大きい。所謂〝NO NEW YORK”一派で、弟のエヴァン・ルーリーやアート・リンゼイ等によるラウンジ・リザーズというバンドの音楽が好きで、中でもジャケットに写るジョン・ルーリーが素敵だなあ、って。そんなミーハーな気分でこの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』、『パーマネント・バケーション』、『ダウン・バイ・ロー』とジム・ジャームッシュ作品が一気に日本公開されたものでした。音楽は全てジョン・ルーリーが手掛けており、御大トム・ウェイツも出演していて歓喜!ジム・ジャームッシュはカンヌ映画祭で強い。本国アメリカより日本での人気の方が高かったとも云われていました。

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この『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の劇中に、さり気なく小津安二郎監督の『東京物語』の事が出て来たり、ジム・ジャームッシュ監督の独特の表現手法の中に日本的な〝間”、ジャームッシュ解釈による日本の和の精神からの影響を垣間見ることが出来、また新鮮な想いを抱きました。かなり時を経る中で私なりに多少の薀蓄も積もる故の発見。当時の私の今作の印象は、ざらついた映像的な新鮮さ、淡々とした人物描写、飛行機、コミカルなロードムービー...そんな断片的な映像が残像としてこれまで漠然とあったに過ぎず。けれど、今の私の関心はやはり〝ストレンジャー”とは?或いは〝パラダイス”とは?に向う。ハンガリーからアメリカへやって来て10年になるウィリー(ジョン・ルーリー)と、アメリカにやって来たばかりの16歳の従妹エヴァ(エスター・バリント)によって、パラダイス=アメリカをシニカルに感じることが出来たという感じ。アメリカに馴染もうとする青年と、醒めた少女の対比と結末が面白い。

そこで〝ポストコロニアリズム”に再会する事になり、想えばかなり長年、この問題が気になっているのです。この映画のアメリカに住む異国人の主人公たちのみならず、世界中で今も問題はなかなか解決出来ず深い根を下ろすことになっていること。1984年というとまだ米ソによる冷戦状態で、この年の夏にはアメリカのロサンゼルス・オリンピックが開催された。けれど、ソ連を始め東側14か国が不参加でした。オリンピック競技では体操が一等好きな私はとても残念な物足らない大会だったことだけは憶えています。

ポストコロニアリズムとは、20世紀後半、第二次世界大戦後、世界が脱植民地化時代に突入すると、それまで植民地だった地域は次々に独立を果たしたが、こうした旧植民地に残る様々な課題を把握するために始まった文化研究のこと。
(参照:wikipedeiaより)

けれど、今一つ日本では馴染まないポストコロニアリズムなる理論なり運動な気がします。フランスでも然り。それはやはりこのポストコロニアリズムがアメリカ的だからではないでしょうか。ソ連の崩壊後、世界の中心は強国アメリカである。多文化共生、人類皆兄弟の思想は素晴らしい。けれど、今世界中で民族、宗教、文化の差異による諸問題は大問題となっています。差異を、権利を主張し過ぎると逆に際立たさせる事にもなる。日本でも在日外国人(殊に在日朝鮮人)問題が深刻化しているのは、日本で生活する人間同士として長く生きているのに、韓国や中国は国家政策として抗日、反日教育をして来た。日本の状況も複雑ながら、ヨーロッパもかなり複雑。陸続きの戦争の繰り返し、アメリカの肌の色の差異よりも、ヨーロッパは概して云えばユダヤ人やジプシー(ロマ)に対する排斥の方が根強いように感じます。戦争に良いも悪いも無く、また勝った国が善で負けた国が悪であるわけもなく。ただ大きな時代の流れ、歴史のうねりの中で逃れようのない運命のような。

幼稚園から高校まで一緒だった友人の祖父母が韓国人であった。日本で生まれ日本語を話し同じ学校に通っていた。家族同士も家が近いので仲が良く、今想起しても懐かしい風景しか浮かばない。ただ、小学四年生頃に、同じ級友がその少女に「○○ちゃん、朝鮮人やろ?」と云った。きっと幼いし深い意味も悪気もなかったのだと想う。けれど彼女は泣いてしまった。私は前後の会話も意味も良く分からず何故泣いているのかが気になった。結果として泣かしてしまった少女は帰ってしまい、私はその時、まだ泣いている友人が可哀想だと想い、今も時折想い出す。その時のその友人の小母さんの眼差しもまた。幼い私に向ってあんなに真剣な眼差しと口調で「おばちゃんも○○も日本人なんよ。」と。それ以後、その少女とは洋楽の情報交換などをして引っ越すまでお互いのお家を行き来していた。高校では一度も同じクラスにならなかったけれど、帰宅後、彼女の好きな米国音楽(ウエストコースト辺りの爽やかな)、私の大好きなデヴィッド・ボウイのレコードを抱えて一緒に聴いたり。紛れもない私の大切な想い出。今の韓国や中国の日本に対する抗日的態度はやはり残念!私はどうしても日本人であるとさらに自覚し日本を想う。けれど、あの小母さんの言葉はきっと一生忘れる事はないだろう。そして、保守だとか革新、右派左派というイデオロギーを超えて、どの国にも民族の誇りがあることを踏まえた上で、私なりにもっともっと考えながら生きてゆきたいと想います。


ストレンジャー・ザン・パラダイス / STRANGER THAN PARADISE
1984年・アメリカ映画
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
製作:サラ・ドライヴァー 製作総指揮:オトー・グローケンバーガー
撮影:トム・ディチロ 音楽:ジョン・ルーリー
出演:ジョン・ルーリー、エスター・バリント、リチャード・エドソン、セシリア・スターク

【あらすじ】 ウィリー(ジョン・ルーリー)は、10年来ニューヨークに住んでいる。ハンガリー出身で本名はベラ・モルナー。クリーヴランドに住むロッテおばさん(セシリア・スターク)から電話が入り、彼女が入院する10日間だけ、16歳のいとこエヴァ(エスター・バリント)を預かるこどになった。エヴァはアメリカで新生活を始めるため、ブダペストからやって来るのだ。やって来たエヴァに、TVディナーやTVのアメリカン・フットボールを見せるウィリー。彼にはエディー(リチャード・エドソン)という友達がいて、2人は、競馬や賭博で毎日の生活を食いつないでいる。エヴァの同居をはじめ迷惑がっていたウィリーも、彼女が部屋の掃除や万引きしたTVディナーをプレゼントしてくれるうちに、親しみを覚えていった。お礼に贈つたドレスを、エヴァはうれしそうにもらうが、気持ちだけ受けとって、その趣味の悪いドレスをゴミ箱に捨てた。彼女がクリーヴランドに発った直後、ウィリーとエディーは、いかさまポーカーで大儲けして、借りた車でクリーヴランドヘ向った。クリーヴランドは雪におおわれており、ロッテおばさんの家で暖まった2人は、ホットドッグ・スタンドで働いているエヴァを迎えに行く。エヴァと彼女のボーイフレンドのビリー(ダニー・ローゼン)とクンフー映画を見に行ったり、エリー湖に行ったりした2人。数日を過ごした後、ウィリーとエディーは、ニューヨークに帰ることにするが、いかさまで儲けた600ドルのうち、まだ50ドルしか使ってないことに気づき、エヴァも誘つてフロリダに行くことにする。サングラスを買って太陽のふりそそぐ海辺に向かう。2人分の宿賃で安モーテルにもぐり込む3人。翌朝、エヴァが起きるとウィリーとエディはドッグレースに出かけており、有り金を殆どすって不機嫌な様子で戻って来た。やがて競馬でとり返すと言って彼らが出て行き、エヴァは土産物店でストローハットを買うが、その帽子のために麻薬の売人と間違えられ大金を手にする。競馬に勝って勇んで帰って来た2人は、エヴァのおき手紙と大金を発見して驚く。飛行場に急ぐ彼ら。しかし、エヴアは、その頃、考え直して安モーテルに戻ることにするのだった。(参照:goo映画より)


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by claranomori | 2013-03-08 13:31 | キネマの夢・シネマ万華鏡
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★シルヴィア・クリステルとは70年代女優と云えるのでしょう。作品も70年代~80年代初頭辺りまでと、晩年ではやはり...。母が映画雑誌の『スクリーン』を70年代の後半まで購入していたもので、私は子供の頃から『スクリーン』によって作品は知らないけれど、女優、男優の名やお姿をそのグラビアから知ったお方が多い。なぜだか、大抵は男優より女優ばかり眺めていた。カラーのグラビア、表紙を飾る方々は当時の人気のバロメーターにもなる。子供心にそれらの美麗な女優たち、銀幕の名花に魅せられた。私は音楽より先に映画が大好きになって行った。

結構ボロボロにもなっている母の時代の『スクリーン』や『キネマ旬報』、自分でも買い始めた80年代の『スクリーン』、時々『ロードショー』という映画雑誌は、引越の折に箱に詰めたままのものが多いので、活用してゆきたいと思いながら時を経る。映画評論家の中に幾人か好きなお方がいるのですが、女性では渡辺祥子氏の批評に親しんで来たように思います。ちょっと、ドミニク・サンダさまには厳しい批評もあったのですが、それでも書かれる批評は女性の眼差しゆえに、すんなり受け止めることが出来たのかもしれない。女性、男性ってあまり関係ないようでやはりある。その渡辺祥子氏が語ったシルヴィア・クリステルについての文章を読み返していました。訃報は18日に知りましたが、数日後の追悼記事となってしまったのは心が追いつかないから。今もピンと来ない。でも、なにか切なくて悲しいです。淡い光の中の白いドレスを纏うショートヘアーの少女エマニエルはボーイッシュに感じたけれど、紛れもなくしなやかな女性だった。今までの女優とは違うエロティシズムの芳香。元々ファッション・フォトグラファーの監督ジュスト・ジャカンにとっても、シルヴィア・クリステルという女優との出会いがなければ成功は有り得なかったのではないでしょうか!

バレリーナを想わせる彼女のしなやかな姿態に魅せられない女がいるだろうか?
あの静かなブルーの瞳に、ラブリーな口もとに心を奪われない女がいるだろうか?
女なら、おそらく誰もがシルヴィアのように生まれつきたかった、と願うのではないかと思う。女は、本来、美しい女が大好きなのだし、女の美しさに対して敏感なのは、男よりも、むしろ女なのだから。
引用渡辺祥子 『夢淡きお嬢さんから世界のスターへ』 より

この「女は、本来、美しい女が大好きなのだし、女の美しさに対して敏感なのは、男よりも、むしろ女なのだから。」というお言葉にかなりの年月を経て再会できたこと。探していた言葉のようにも感じ懐かしく嬉しい出会いです。美しき帝国主義の娘。綺麗なシルヴィア・クリステル。ご冥福をお祈りいたします☆

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by Claranomori | 2012-10-23 18:25 | キネマの夢・シネマ万華鏡
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三船敏郎は日本の誇りであった、否、今もなお。まるで映画を通しての国際的な日本大使のような役目も果たしておられたとさえ云えまいか。アラン・ドロンは三船さんを「日本の兄」、「憧れの男性」と尊敬の念を抱き続けてくださる。フランスには騎士道精神、日本には武士道がある。その精神を私は日本の美であると想っている。いくら古臭いものと揶揄されようが。この武士道精神たるは何も男子に限ったものでもないと想っている。女子の精神にも通うものはある。それは日本という国家が心にあるか無いかで理解されないかもしれない。日本人としての志や尊厳という気高き心は国家なくしてあり得ないと私は想うのです。強制的なものではなく、其々の想いがあって当然という上で。もどかしい。素晴らしい三船敏郎を語った、詩人である白石かずこ氏によるお言葉の一部が今再び私の心に沁み入るのです。

三船敏郎こそは、まさに時代の人、あの戦争という日本人のエネルギー、明日をも知れぬ不安を抱きながら魂の噴火の最も強烈だった時代そのものを全身で現すことのできる人だった。それは彼の演技ではなく、彼の地、そのもの。

戦後は、三船という幟をたてて日本の映画が縦横無尽に走った、繁栄していった時代だったと思う。

忘れてはならないのは、このかつてはよく知られざる国、日本を最初に注目させた、そして今日も尚、彼への憧憬は変わらぬ世界に最も愛されている国際的スターだということだ。天上にいった今もおそらく金星のように、この地上で、わたしたちの記憶の中で、光りつづけることであろう。あまりにも巨きく、気持ちよいほどの元気を、戦後の日本人たちに与えてくれた人よ。

引用: 白石かずこ 『ダイナミックな国際性』 より

ずっと観たいと願い続けて来た『黒部の太陽』の44年ぶりの上映という朗報は喜ばしきことながら、何か私の心は寂寥たるものをも伴う。それは何だろうと想像する。やはり浮かぶは子供の頃、少女だった頃の蒼い私であり、共に在った家族や友人、田畑や川の流れなどの風景である。伊丹の生まれでずっと社会に出るまで育った場所。家の付近には野菜と果物畑、稲穂の香の田んぼ。しかし、そのような風景と私の人生が合致しているのは概ね小学生の頃くらいまでのこと。だんだん人手不足だったのか、荒地になってゆく田畑、そしていつしかその地にマンションが建ったり駐車場に変わって行った。果物畑で苺を育てていたおばさんからよく獲れたての苺を頂いた。母はそのおばさんからお野菜などを買っていたので、一緒に付いてゆくといつも何かくださるのだった。母より年長のお方だった。

家族と最も時間を共有することのできたあの頃を、その頃から幼な心で好きだったアラン・ドロンや三船敏郎という両親譲りの映画スター。映画を想うとどうしても郷愁が伴うのでセンチメンタルにもなってしまう。阪神・淡路大震災であの懐かしき阪急伊丹駅の崩壊をテレビのニュースで観た折の気持ちは言葉に今もできない。それでも、あの震災の後の関西は復興した。失ったものは尊いけれど、それでも生きて行くのが人間だもの。凄いなあ...と想う。そして、間もなく一年となる東日本大震災という正しく未曾有の災害、そして豊かな日本が嘘であったかのような原発事故の衝撃は心身に応えた。けれど、あの戦後の空襲及び原爆投下による日本中の焼け土からここまで日本はやって来た。自然と科学、文化と文明の鬩ぎ合いの中で国際的経済大国と呼ばれる国に。けれど、真に自立は今もしてはいない。なので、尖閣諸島は危機にさらされている。私は国粋主義ではないけれど日本が大好きなだけ。自分の国だから。その日本の風土や景色が奪われてゆくのはやるせない。取り返しのつかないことになるような憂国の想いは心身を蝕むようで体調はあまり良くない。こんな想いを綴っていて嫌気がさすお方も居られるだろう。でも、幸いにも少なくとも共感してくださる方が居て下さることに感謝して、その方々を心の友だと慕い勇気を頂きながら今日を生きる。何故か毎日泣いています。恐怖ではなく危機感というものを今ほど感じた事がない自分がよく分からないのだろう。

●追記です●
上のお写真のアラン・ドロンと三船敏郎のツーショットは、共演した映画『レッド・サン』でのオフショットです。三船さんと云えば、やはり子供の頃から好きな萩尾望都さまも好きな俳優に挙げておられたことを想い出します♪


少数派ブログながら参加してみました♪
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by claranomori | 2012-03-04 09:13 | キネマの夢・シネマ万華鏡
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私の一等好きな日本の男優は子供の頃から今も変わらず三船敏郎である。戦後の焼け野原の日本の復興に当時の日本人は愕然と折れてばかりではなかった。三船敏郎は映画人生の中で、日本を体現していた本物の役者であった。晩年まで海外からの出演オファーは絶えなかったという。そして、出演を決められる際に幾つかの三船としての信念があり、その中の一つに「日本人を茶化していないこと」があったという。三船敏郎の映画デビューは1947年。まだGHQ占領下の日本であった。三船敏郎と黒沢明監督が先陣を切り世界に日本映画在りと。その後、幾人もの名優方が日本映画を彩った。三船を尊敬しており、いつか共演したいと想っていたという昭和のもう一人の輝けるスターに石原裕次郎が居た。1962年に日活の製作に飽き飽きし独立する。石原プロモーションである。三船敏郎も同じ年1962年に三船プロダクションを設立。当時の五社協定その他の障害を経て、この『黒部の太陽』が完成したのは1968年。三船プロダクションと石原プロモーションの共同製作の下、熊井啓監督による超大作映画。けれど、限られた公開のみでソフト化も未だになされていない幻の映画。

ずっといつか観たいと熱望していた作品が、震災復興を願って、全国チャリティー上映会が開催されるという。大阪は以前も抽選での鑑賞のみで観たくても観れなかったお方も多いだろう。版権は石原プロがお持ちで、生前の裕次郎さんの夢であったという、「映画は大きなスクリーンで観てほしい」という想いをまき子夫人が英断され、上映の一部は被災地に寄付される。私も是非とも!スクリーンで観たいです。

そこで、嬉しいテレビ放映の情報です。
明日3/4(日)夕方5:00~5:50 チャンネル銀河
映画『黒部の太陽』を巡る旅
●映画カメラマンがロケ地を巡るという番組のようです。

そして3/17(土)夜8:00~10:20 NHK BSプレミアム
『黒部の太陽』 特別編
●3時間を超える大作の編集版のような形ながら放送されます。

★観終えた後に感想を綴りたいと想っています。本当に嬉しいです!石原プロに感謝いたします!三船敏郎と云えば、我が家では両親共に大ファンでしたので、幼い頃から父の傍での浪人姿とあのお声、ミフネという圧倒的な存在感に魅了されていました。石原裕次郎と云えば、『太陽にほえろ!』等の刑事ドラマでのボスです。後追いながらやはりショーケン(萩原健一)のマカロニ刑事の頃が特に好きです。裕次郎さんがお亡くなりになった折の特番を静かに見守っているかのような両親の姿が浮かびます。美空ひばりさんの折も似ていました。三船さんがお亡くなりになる前に、私の両親は亡くなってしまったのですが、日本の名優、スター方の死と共にひとつずつ何かが消えてゆくかのような哀切な想いがあります。激動の昭和は同じ戦後でも平成とはやはり違う気がします。三船敏郎と石原裕次郎、正しく昭和の日本の巨星であった。その後、『風林火山』でも共演されていますが、この『黒部の太陽』は初共演作であり、映画ファンにとって夢の共演が実現した大作なので特別版放送にも感謝したいです。

黒部の太陽
1968年・日本映画
三船プロダクション・石原プロモーション提携作品
監督:熊井啓 助監督:片桐直樹
製作補:銭谷功、小林正彦 企画:中井景
原作:木本正次 脚本:井手雅人、熊井啓
撮影:金宇満司 美術:平川透徹、山崎正夫、小林正義
編集:丹治睦夫 音楽:黛敏郎 音響効果:杉崎友治郎
●出演者と役名●
三船敏郎 北川(黒四建設事務所・次長)
石原裕次郎 岩岡(第三工区・熊谷組岩岡班)
滝沢修 太田垣(関西電力株式会社・社長)
志村喬 芦原(関西電力株式会社・常務取締役)
佐野周二 平田(関西電力株式会社・黒四建設事務所・所長)
辰巳柳太郎 源三(岩岡の父)
玉川伊佐男 佐山(岩岡班・幹部)
下川辰平 安部(岩岡班・幹部)
平田重四郎 重夫(岩岡班・安部の弟)
加藤武 国木田(第一工区間組・所長代理)
高津住男 大野(第一工区間組・工事課長)
柳永二郎 藤村(第三工区熊谷組・専務)
山内明 塚本(第三工区熊谷組・工事課長)
宇野重吉 森(第四工区佐藤工業社員)
寺尾聡 賢一(第四工区佐藤工業社員・その長男)
二谷英明 小田切(第四工区佐藤工業・工事課長)
成瀬昌彦 熊田(第五工区大成建設・工務部長)
清水将夫 田山(地質学者)
樫山文枝 由紀(北川の長女)
日色ともゑ 牧子(北川の次女)
川口晶 君子(北川の三女)
高峰三枝子 加代(北川の妻)
岸野小百合 筈見(建設事務所・事務員)
北林谷栄 きく(森の妻)
信欽三 武本(黒四建設事務所・次長)
芦田伸介 黒崎(黒四建設事務所・建設部部長)
岡田英次 吉野(黒四建設事務所・次長)
庄司永建 大橋(黒四建設事務所・社長秘書)
雪丘恵介 漱山(黒四建設事務所・第三区・工区長)
長尾敏之助 倉沢(黒四建設事務所・代理)
英原穰二 山口(黒四建設事務所・木工課長)
鈴木瑞穂 千田(黒四建設事務所・技師)
山本勝 木村(黒四建設事務所・社員)
小柴隆 芝田(黒四建設事務所・事務所)
水谷貞雄 谷村(黒四建設事務所・技師)
牧野義介 高橋(技師)
大滝秀治 上条(上条班・班長)
小林亘 抗夫1(上条班)
熱海弘到 抗夫2(上条班)
二木草之 助抗夫3(上条班)
根本義孝 抗夫4(上条班)
島村謙二 抗夫5(上条班)
嶺田則夫 抗夫6(上条班)
内藤武敏 診療所医師
武藤章生 武山(岩岡班抗夫)
千代田弘 榎本(岩岡班)
伊豆見雄 抗夫B(岩岡班)
晴海勇三 抗夫C(岩岡班)
岩手征四郎 抗夫D(岩岡班)
田畑善彦 抗夫E(岩岡班)
有村道宏 抗夫F(岩岡班)
中平哲仟 抗夫G(岩岡班)
大浜詩郎 抗夫H(岩岡班)
草薙幸二郎 上手(岩岡班抗夫)
下絛正巳 神田(岩岡班抗夫)
岡倉俊彦 ピン(岩岡班抗夫)
稲垣隆史 テツ(岩岡班抗夫)
日野道夫 田中(岩岡班抗夫)
佐野浅夫 川村(岩岡班抗夫)
長弘 木内(黒四出張所・技師)
斉藤雄一 高木(黒四出張所・技師)
須崎孝 須田(黒四出張所・技師)
伊藤浩 伊藤(黒四出張所・技師)
宮崎準 徳田(徳田班班長)
肉倉正男 労務者イ(徳田班)
山吉克昌 労務者ロ(徳田班)
近江大介 労務者ハ(徳田班)
小川吉信 労務者ニ(徳田班)
宮坂将嘉 木原(取締役大阪支店長)
桝谷一政 労務者一
紀原土耕 労務者二
露木護 労務者三
岡部政明 記者
伊藤寿章 A建築事務所部長
山口仁奈子 A建築事務所女事務員
寺田誠 与一郎
田口精一 高熱墜道抗夫
西原泰江 熊谷組看護婦
(参照:allcinema)


少数派ブログながら参加してみました♪
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by Claranomori | 2012-03-03 11:02 | キネマの夢・シネマ万華鏡
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【第84回アカデミー賞】

クリストファー・プラマーに助演男優賞! 82歳で史上最高齢受賞

第84回アカデミー賞の授賞式が2月26日(日本時間27日)、米ロサンゼルスのハリウッド&ハイランドセンターで行われ、「人生はビギナーズ」 で、息子に同性愛者であることを告白する父親を演じたクリストファー・プラマーが助演男優賞を初受賞。現在82歳のプラマーは、史上最高齢でのアカデミー賞受賞となった。

ブロードウェイ出身の名優プラマーは、ユアン・マクレガー主演の本作で、妻に先立たれた5年後、ガン宣告を受けたことをきっかけに、息子にカミングアウト。新しい恋人と共に残された人生をおう歌する父親を好演した。「サウンド・オブ・ミュージック」(65)のフォン・トラップ大佐役で映画界に一躍その名を広め、その後もコンスタントに話題作に出演しており、「終着駅 トルストイ最後の旅」(09)ではロシアの文豪レオ・トルストイを演じ、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。

「人生はビギナーズ」 (マイク・ミルズ監督)は、38歳独身で奥手なオリバーが、ある日突然父からゲイであることをカミングアウトされる。事実をなかなか受け止められないオリバーだったが、真実を告白し人生を楽しむ父の姿に触発され、運命的な出会いを果たしながらも一歩先に進めなかった女性との関係を見直し、人生を前向きに生きようと変化していく姿を描く。

引用: 映画.com 2012年2月27日 より

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第84回アカデミー賞受賞結果
作品賞●「アーティスト」
主演女優賞●メリル・ストリープ「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」
主演男優賞●ジャン・デュジャルダン「アーティスト」
助演女優賞●オクタビア・スペンサー「ヘルプ 心がつなぐストーリー」
助演男優賞●クリストファー・プラマー「人生はビギナーズ」
監督賞●ミシェル・アザナビシウス「アーティスト」
短編アニメーション賞●「THE FANTASTIC FLYING BOOKS OF MR.MORRIS LESSMORE」
短編ドキュメンタリー賞●「Saving Face(原題)」
短編実写映画賞●「THE SHORE」
脚本賞●「ミッドナイト・イン・パリ」ウッディ・アレン
脚色賞●「ファミリー・ツリー」
主題歌賞●“Man or Muppet” 「ザ・マペッツ」
作曲賞●「アーティスト」
視覚効果賞●「ヒューゴの不思議な発明」
長編アニメーション賞●「ランゴ」
長編ドキュメンタリー賞●「UNDEFEATED」
録音賞●「ヒューゴの不思議な発明」
音響編集賞●「ヒューゴの不思議な発明」
編集賞●「ドラゴン・タトゥーの女」
外国語映画賞●「別離」(イラン)
メイクアップ賞●「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」
衣装デザイン賞●「アーティスト」
美術賞●「ヒューゴの不思議な発明」
撮影賞●「ヒューゴの不思議な発明」

★今年の第84回アカデミー賞の受賞結果を知り最も嬉しかったのは、カナダ出身の名優クリストファー・プラマーの初オスカー受賞です。クリストファー・プラマーは私の好きな男優のお一人なので、この82歳にしてのオスカー初受賞は朗報でした。マックス・フォン・シドーもノミネートされており、どちらも長い役者人生で名優に違いないお方。それでも、オスカーはやはり格別な映画賞なのだとしみじみ。恐るべしメリル・ストリープの『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』での3度目のオスカー受賞は天晴!ノミネート記録はまだまだ更新されるでしょうし、もう一度くらいオスカー受賞も有り得るようなお方です。同じ主演女優賞にグレン・クローズもノミネートされており、お二人は親交の深いお方ですが、今回もグレン・クローズは受賞できず残念でした。受賞しなくても名女優だと想いますがオスカーとは凄いものなのだとしみじみ。あと、フランス映画であるミシェル・アザナビシウス監督の『アーティスト』が3冠で、それも白黒&サイレントで古き良き時代のハリウッド映画へのオマージュ作品のようなので、こちらも公開が楽しみです。今年のアカデミー賞はノミネート情報から気になっていたのですが、クリストファー・プラマーのオスカー受賞となり本当に嬉しいです。おめでとうございます!!
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by claranomori | 2012-03-01 17:34 | キネマの夢・シネマ万華鏡
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★昨日に続き、アレクサンドル・ソクーロフ監督映画かニキータ・ミハルコフ監督映画のことにしようかと想ったのですが、今日は初めて観たロシアのことにします。初めて観たと云っても映像の中での出会いで、イタリアの名匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督の『ひまわり』(1970年)という名作です。ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ、イタリア映画に欠かせない名優のお二人が主役。このコンビ映画は多数ありどれも好きです。殊にマルチェロ・マストロヤンニは私の好きな男優のベスト5に入るお方で大好きです。このイタリア映画である『ひまわり』は初めてソ連でのロケを許可された海外作品でもあります。この映画が好きなのは、すべてが素晴らしいと想えること。ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ、そしてもうお一人、リュドミラ・サベリーエワの憂い漂う美しさが初めて観た折から今も印象強く残っています。そして、ヘンリー・マンシーニの主題歌もまた耳にというか心の中に深く残っています。美しくも哀切なメロディーが映像と一体化し名場面を哀愁を伴い蘇らせるのです。
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私は戦争を描いた作品が好きですが、戦闘場面よりもその状況下で生きる人々の姿を描くことでの、声高く反戦を叫ぶのではなく、静かに訴えかける作品が好きです。そういう意味でも、この『ひまわり』は良質の反戦映画の一つだと想います。誰も悪くはない。戦争さえなければ引き裂かれることのなかった男女。けれど、逃れることのできない運命もまた人生だと考えさせられます。ひまわりが一面に咲く場面は圧倒的映像力です。ソフィア・ローレンの名演にも心打たれますが、あのひまわりの下には戦争で亡くなった兵士たちが眠っている墓地であること、あの鮮やかに咲き誇るひまわりと多くの死者たちの眠り。ヴィットリオ・デ・シーカの作品の多くが好きなのは、美を映し出しながらも人生の悲哀や運命をも描く上等さというようなものだろうか。

他にも色々印象強く残っている場面のこと、想いがあるのですがあり過ぎるのでまたの機会にと想いますが、2つだけ。出演者のカルロ・ポンティ・ジュニアとは、カルロ・ポンティとソフィア・ローレンのお子様で赤ちゃんが登場しますがその方です。そして、アントニオとマーシャの娘である少女がジョバンナに"ボンジョルノ"と挨拶する場面。大人たちの事情を知らない無垢な少女の一言と、哀しい現実を受け止めなくてはならないジョバンナの心。幾度観ても泣いてしまいます。


●映画『ひまわり』でのヘンリー・マンシーニによる哀愁の主題歌です♪

ひまわり/I GIRASOLI
1970年・イタリア映画
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
製作:ヴィットリオ・デ・シーカ、カルロ・ポンティ
脚本:チェザーレ・ザヴァッティーニ、
トニーノ・グエッラ、ゲオルギ・ムディバニ
撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ 音楽:ヘンリー・マンシーニ
出演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ、リュドミラ・サベリーエワ、アンナ・カレナ、ジェルマーノ・ロンゴ、グラウコ・オノラート、カルロ・ポンティ・ジュニア
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【あらすじ】 貧しいお針子のジョバンナ(ソフィア・ローレン)と電気技師のアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は、ベスビアス火山をあおぐ、美しいナポリの海岸で出逢い、恋におちた。だが、その二人の上に、第二次大戦の暗い影がおちはじめた。ナポリで結婚式をあげた二人は、新婚旅行の計画を立てたが、アントニオの徴兵日まで、一四日間しか残されていなかった。思いあまった末、アントニオは精神病を装い、徴兵を逃れようとしたが、夢破ぶられ、そのために、酷寒のシベリア戦線に送られてしまった。前線では、ソ連の厳寒の中で、イタリア兵が次々と倒れていった。アントニオも死の一歩手前までいったが、ソ連娘マーシャ(リュドミラ・サベーリエワ)に助けられた。年月は過ぎ、一人イタリアに残され、アントニオの母(アンナ・カレナ)と淋しく暮していたジョバンナのもとへ、夫の行方不明という、通知が届いた。これを信じきれない彼女は、最後にアントニオに会ったという復員兵(グラウコ・オノラート)の話を聞き、ソ連へ出かける決意を固めるのだった。

異国の地モスクワにおりたった彼女は、おそってくる不安にもめげす、アントニオを探しつづけた。そして何日目かに、彼女は、モスクワ郊外の住宅地で、一人の清楚な女性に声をかけた。この女性こそ今はアントニオと結婚し、子供までもうけたマーシャであった。すべてを察したジョバンナは、引き裂かれるような衝撃を受けて、よろめく足どりのまま、ひとり駅へ向った。逃げるように汽車にとびのった彼女だったが、それを務めから戻ったアントニオが見てしまった。ミラノに戻ったジョバンナは、傷心の幾月かを過したが、ある嵐の夜、アントニオから電話を受けた。彼もあの日以後、落ち着きを失った生活の中で、苦しみぬき、いまマーシャのはからいでイタリアにやってきたとのことだった。まよったあげく、二人はついに再会した。しかし、二人の感情のすれ違いは、どうしようもなかった。そして、ジョバンナに、現在の夫エトレ(ジェルマーノ・ロンゴ)の話と、二人の間に出来た赤ん坊(カルロ・ポンテイ・ジュニア)を見せられたアントニオは、別離の時が来たことを知るのだった。翌日、モスクワ行の汽車にのるアントニオを、ジョバンナは見送りに来た。万感の思いを胸に去って行く彼を見おくるこのホームは、何年か前に、やはり彼女が戦場へおもむく若き夫を見送った、そのホームだった。 (参照:goo映画より)

●追記です●
★映像の中での"初めて観たロシアのこと"は、この『ひまわり』が最初で当時ソ連時代でしたが、そのソ連の街や風景を観れたものとしての最初です。ロシア(旧ソ連)の最初の映像体験は学校で観た『戦艦ポチョムキン』でした。一人の先生が短く解説してくださったのですが、資料のようなものは配られず、15歳の私にはほとんど理解出来ず。年月を経てDVD化されたもので再度観直しました。ロシア映画に於いて、重要な作品であることを知りました。年月が必要な映画は数多いです。殊に、歴史劇や社会派ドラマなどは、その時代背景を少しでも知るとある場面がくっきりしてくる、そして再度感動に至る。やはり、映画は最良の娯楽であり学びの宝庫です☆
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by claranomori | 2012-02-03 07:58 | キネマの夢・シネマ万華鏡
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★1967年の英国映画である『007 カジノ・ロワイヤル』。私はこのピーター・セラーズとデヴィッド・ニーヴンの共演するスマートなコメディが好きみたい。このひねくれたイギリスらしいセンスと、この華麗なコンビの雰囲気が好き。気品溢れるデボラ・カーもここでは可笑しな役(ラッパの罰ゲームとか)、まだお若い頃のジャクリーン・ビセットはミス太ももという役柄だし。ジョン・ヒューストンの鬘が飛んだり...随所にクスクス笑える場面がいっぱい。そう云えば、アメリカにも好きなコンビが居る。ジャック・レモンとウォルター・マッソー。こちらもまた誰にも真似できないユニークさ。でも、シリアスな演技も出来る名優方々ばかり。

2時間強のこのハチャメチャっぽい『007 カジノ・ロワイヤル』。オープニングから最後まで流れる音楽はバート・バカラックとハル・デヴィッドとの黄金コンビ!最近のSFXを多用した映画には無いチープな可愛らしさが随所にあり、やはりこんな映画の方が性に合う気がした。知らなかったけれど、この作品は5人もの監督さんが一緒に作った様だ。そして、キャストの何とも豪華な顔ぶれ!

ウディ・アレンはニーヴン扮するジェームズ・ボンド卿の甥のジミー・ボンド。終盤しゃっくりの数の吹き出しとかあの変な動きが好きだ。そう言えば、この映画と『何かいいことないか子猫チャン』はとてもメンバーがだぶっている。ああ、面白い。ジェームズ・ボンド卿が唯一愛した女性はかのマタ・ハリ。その二人を両親に持つ娘の名はマタ・ボンド。こんな役名も馬鹿馬鹿しくて好きだ。役者が揃っているが故にこのギャップが愉しい。

ファッションも鮮やかでさり気ない置物にもクスクス笑えるものがあちらこちら。お腹を抱えて笑う事も無く気楽に観れる。ああ、やはり映画は最良の娯楽である。ピーター・セラーズが着せ替えごっこをしてヒトラーやナポレオンになったり、最後は各国軍入り乱れて(ジェロニモが踊っていたり)訳が分からないけれど可笑しい。でも、あの有名な曲「愛の面影」が流れると何故かジ~ン♪・・・そんな小粋な映画☆

007 カジノ・ロワイヤル/CASINO ROYALE
1967年・イギリス映画 
監督:ジョン・ヒューストン、ケン・ヒューズ、ロバート・パリッシュ、ジョセフ・マクグラス、ヴァル・ゲスト
製作:チャールズ・K・フェルドマン、ジェリー・ブレスラー
原作:イアン・フレミング
脚本:ウォルフ・マンキウィッツ、ジョン・ロウ、マイケル・セイヤーズ
撮影:ジャック・ヒルデヤード
作詞:ハル・デヴィッド 音楽:バート・バカラック
出演:ピーター・セラーズ、デヴィッド・ニーヴン、デボラ・カー、ウィリアム・ホールデン、ウディ・アレン、シャルル・ボワイエ、ジョン・ヒューストン、オーソン・ウェルズ、ウルスラ・アンドレス、ダリア・ラヴィ、ジャクリーン・ビセット、ジャン=ポール・ベルモンド
 
※2005年に書いたものに少し追記いたしました。今後、どんどん好きな映画もこちらで感想等を綴ってゆきたいと想います。
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by claranomori | 2012-01-18 10:19 | キネマの夢・シネマ万華鏡