あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『道』 少女のようなジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ) 監督:フェデリコ・フェリーニ♪

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ジュリエッタ・マシーナは半世紀をフェデリコ・フェリーニと生涯の伴侶として生きた女優さま。何から・・・というくらい想いは積み重なるばかり。フェリーニの名を知ったのは『甘い生活』のリバイバル。母と一緒に梅田方面へ偶に出向くようになった頃から、プレイガイドに立ち寄ることを欠かさなかった。まだお小遣いを貰っている身分の私は、近日公開される映画のチラシや来日情報などをチェックして満足している状態だったのだ。ルキノ・ヴィスコンティ映画のリバイバルがやって来た!これは今も色褪せることなどない。フェリーニへの興味も吹っ飛び、同時代映画のどの作品よりも魅せられてしまった。劇場で映画を観ることによる感動は言葉を軽く超える。初めての映画の衝撃はテレビで観た『愛の嵐』なのでどうもイタリア映画とのご縁を光栄に想ったり。映画がとても好きである私はやはりそれらの衝撃を忘れることはできない。そして、その時の私、あの瞬間にタイムスリップしてしまう。それらの思い出と両親の思い出が重なることも多い。
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ヴィスコンティが一等好きである私は今も変わらない。けれど、フェリーニへと繋がれるものは私にとってはマルチェロ・マストロヤンニだった。ジュリエッタ・マシーナのこと、この『道』のことを綴るのに始まらない...涙あふれて。フェリーニの『道』はテレビ画面だったけれど、ジュリエッタ・マシーナ演じるジェルソミーナの愛くるしい表情や仕草、瞳が焼き付いている。初めて観た時は、可哀想なジェルソミーナのことばかり。アンソニー・クインはこのザンパノ役のイメージのお陰で長年好きではなかった。けれど、これまた私に欠かせない女優さまである、ドミニク・サンダ様を拝見するために観た『沈黙の官能』でアンソニー・クインに開眼...既に長い役者キャリアのお方で初老であった。愚かな私に気付いたとも言える。憎々しい役柄を演じる力量はどんなだろう!そして、”可哀想”という気持ちにばかり覆われていたジュリエッタ・マシーナ演じるジェルソミーナの心は...と。フェリーニ監督は少年時代から道化師に憧憬を抱いておられたという。後の作品たちにもたびたび登場する。ジュリエッタ・マシーナはこの作品を撮っている時、既に30歳を超えている。劇中のジェルソミーナは不器量だということになっている。母親と4人姉妹の貧しい生活故、泣く泣く母親は旅芸人のザンパノにジェルソミーナを1万リラで売り渡す。我が子をお金に換えるのだ...家族との別れ、世間を知らず従順で無垢なジェルソミーナは知恵が遅れているという役柄でもある。知恵がなんだ!と想う。家族と別れる意味をジェルソミーナは心で理解しているし、その別れの日、海を見つめ大きな瞳は潤む。粗野なザンパノと旅芸人稼業。ザンパノに愛想がつき離れようともした。何もできない自分を蔑み死にたいと想うとザンパノの悪友でもあるゴッフレド(リチャード・ベースハート)に告げる場面。好きな場面なのだけれど、彼は”小石にも存在する意味があるのだ”と何かで読んだという。どんな存在の意味があるかは知らないけれどとふたりの交わす会話。ジェルソミーナは、”それなら私にだって何か意味があるのだ”と想え微笑む。ザンパノは彼女を必要としている、愛しているとも。ところが、ザンパノは自分の心の中をじっくり覗くようなタイプではない。一本気で不器用とも言えると想う。旅芸人生活。アメリカ製のバイクに荷車が合体したような車がふたりの寝床でもある。色々な出会いや出来事があり、ザンパノはジェルソミーナを棄てる。ラッパをそぉっと置いて。幾年か経てある町でジェルソミーナが口ずさんでいた歌を耳にする。その女性のハミングはジェルソミーナの死を告げることに。ザンパノはジェルソミーナの死をもって、彼女の存在、愛に気付く。暗い夜の海辺でザンパノはうつ伏せ泣く場面で終わる...。海は涙との絆が深いのだろう。また、どこまでも続く道に小石たちは存在する。ジェルソミーナの歌や道化は町の人々の心に伝わっていた。子供たちもジェルソミーナに興味があり好きだった。ジェルソミーナは少女の心、純粋無垢な心故に愛され、やがて精神を病み死にも至ってしまったのだと想う☆
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 道/LA STRADA
1954年・イタリア映画
監督:フェデリコ・フェリーニ 製作:カルロ・ポンティ、ディノ・デ・ラウレンティス 脚本:フェデリコ・フェリーニ、エンニオ・フライアーノ、トゥリオ・ピネッリ 撮影:オテッロ・マルテッリ 音楽:ニーノ・ロータ 出演:アンソニー・クイン、ジュリエッタ・マシーナ、リチャード・ベースハート



※まったく纏まらない!もっとなんとかならないものだろうか...とも。ジュリエッタ・マシーナの命日は母と同じ。後から知ったことだったけれど母にもお伝えしておいた。微笑む母を想う☆
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by claranomori | 2008-12-05 08:20 | 往還する女と少女