あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『都会のアリス』 少女アリス(イエラ・ロットレンダー) 監督:ヴィム・ヴェンダース♪

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ヴィム・ヴェンダース監督の映画『都会のアリス』(1973年)は、リュディガー・フォグラー主演でのロードムービー三部作の第一弾。次の『まわり道』(大好きなナスターシャ・キンスキーが子役時代に出演した作品なのでまた後日)、『さすらい』と続く。ジャーナリストのフィリップ(リュディガー・フォグラー)はアメリカ旅行記がなかなか書けずにいる31歳の青年。アメリカから帰国の空港で母親リザ(リザ・クロイツァー)と娘アリス(イエラ・ロットレンダー)親子に出会う。フィリップはこの9歳の少女を一日預かる約束をしたけれど、母親リザは消えてしまう。そんなことでフィリップは思いもよらぬ少女との旅が始まる。アムステルダムからヴッパタール、そしてルール地方へとアリスの祖母の家を求めて。優しいフィリップで良かった。それでも道中、幼いアリスは食べ物のことや場所に不満になったり、苛立つことも。フィリップも時に苛立つけれど、アリスが寝る前に”何かお話をして”というとしてあげる。すると、お話が終わらない前に寝てしまっている...とても子供らしくて愛らしい。かと思うと、少しませた表情も見せる...なかなか素晴らしい少女子役ながらこの作品でしか知らない。
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ルイス・キャロルの”アリス”がここにも見え隠れする。迷い込んだのはフィリップも一緒。彷徨う都会の風景を映し出しながら、彼らの心象風景もさり気なく描き出しているようで、淡々としたモノクローム映像と流れる音楽などが妙に自然な感じ。ローリング・ストーンズやチャック・ベリー等の曲の他、CAN(イルミン・シュミットが主のようだけれど)がサントラを手掛けているのも嬉しい。私は母親リザを演じるリザ・クロイツァーも好きな女優さまなのだけれど、やはり、この作品はアリス役のイエラ・ロットレンダーに尽きる!ポラロイドや写真が重要な装置のようで、印象的な場面は幾つもあるけれど、4連のふたりで映った写真の笑顔など微笑ましいものだった。途中、母親が見つからずにアリスが泣き出してしまう。祖母の家を持っている写真を手がかりに探すのだけれど、さらに幼い頃の記憶なのではっきりしない...すべて当然だろうと想う。ガムをくちゃくちゃ噛みながらの車窓から視線、9歳なのに目の下に疲れが出ているところとか、旅先でお洋服を着替える場面の靴下を履く場面、海辺でのひと時...ナボコフの”ロリータ”も感じてしまう。また、ラストシーンも美しいのだけれど、その前に新聞でジョン・フォード監督の死のニュースを知るフィリップ。きっと、ファンだったのだろう。始めの方でテレビから映し出される古い映画は『若き日のリンカン』(ヘンリー・フォンダ主演の1939年作品)だし。2時間弱の映画の中で色々な探し物ができるようなまったりと観れる好きな作品。それでも、冒頭から20分経ち画面に登場するアリスを待ってしまう☆
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都会のアリス/ALICE IN DEN STADTEN    
       1973年・西ドイツ映画
監督:ヴィム・ヴェンダース 脚本:ヴィム・ヴェンダース、ファイト・フォン・フェルステンベルク 撮影:ロビー・ミューラー 音楽:CAN(イルミン・シュミット) 出演:リュディガー・フォグラー、イエラ・ロットレンダー、リザ・クロイツァー



(追記)
イエラロットレンダーの出演作は今作でのみ知っていると想っていたのだけれど、『時の翼にのって』でワンカット出演されていると教えて頂きました。ナスターシャとオットー・ザンダーばかり観ていて見逃していたようで見直してみたいと想います。そして、『緋文字』の娘役でしたが、こちらは未見のままなので、また観終えたのちにと想います。
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by claranomori | 2008-12-01 22:59 | 銀幕の少女たち・少女映画