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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『レ・ミゼラブル』 監督:クロード・ルルーシュ ★ 少女サロメ(サロメ・ルルーシュ:SALOME LELOUCH)♪

19世紀の文豪ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』を映画化したものを幾つか観ているけれど、このクロード・ルルーシュ監督による1995年映画は、ユゴーの作品や登場人物を織り交ぜながらも、ルルーシュのオリジナル映画である!この映画は少女映画ではないけれど想いは巡る。ちょっと脱線するけれど、この映画を観て涙腺の緩い私は大泣きした!このお話に、そして深い皺を顔に刻んだ笑顔のジャン=ポール・ベルモンドに!そして、大ドラマの天才ルルーシュに!!(「少女愛惜」と名付けたブログなので反するようだけれどこれも私の好きな世界なのでご理解ください)☆嘗て、映画好きの友人とあれこれとお話する中、私の好きなルルーシュを馬鹿にされたことがある。言い分は大ドラマ、メロドラマである点をインテリのその友人は軽く蹴飛ばした。けれど、人それぞれの好きな世界がある(友人に悪意はない)。グッと堪えても翌日も口惜しいのだった...情けないことに、私はいつも反論することが出来ない。心の中よりもずっと軽々しく”でも、ルルーシュはいいよ!”と笑って過ごした。ルルーシュと言えば音楽はフランシス・レイ!!これまた大好き!!あの甘美なメロディよ♪もうこの辺は好きか嫌いかと分かれるところのようだけれど、この『レ・ミゼラブル』では崇拝されるルグランも共同参加しているのだ。けれど、あくまでもフランシス・レイが中心となってのもの。音楽も当然素晴らしい!!
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ジャン・ヴァルジャンというと、映画ではジェラール・ドパルデューやリーアム・ニーソンが演じたものが新しいけれど、やはりジャン・ギャバンな私、リノ・ヴァンチュラもいい!(”カレセン”というらしくどうも私も大いにその兆候がかねてから見られるみたい。枯れ行く線描は人生の歩みの証し。そんな中に美を見出し、そんな人々に魅了されるというようなことだろう)。そして、このルルーシュのユゴーへのオマージュ的な一大ドラマの主人公アンリ・フォルタンを演じるベルモンドの円熟というのか人間味溢れるあの表情に涙する。コゼットのような少年時代、ジャン・ヴァルジャンのような成人後の葛藤の人生...けれど、彼は笑う!この笑顔はなんだろう...ヴァルジャンも然り!フォルタンも然り!ここでもユダヤ人であるが故に迫害され逃亡しなければならない人々や心優しき夫妻のようでお金に惑わされる人たち...様々な人間模様を見ることができる。フォルタンは生きるために悪事をはたらくこともある。けれど、心にはいつも正義がある。言葉で語ると綺麗事のようだけれど、人間らしいのではないだろうか...。
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ジマン夫妻の娘役として、サロメ・ジマンが登場する。この少女サロメを演じるのはクロード・ルルーシュの実の娘さまでお名前はサロメ・ルルーシュ(Salomé Lelouch)!!こんなお名前を忘れるはずはない。お母様はルルーシュ映画に欠かせない女優さまのエヴリーヌ・ブイックス。サロメ・ルルーシュは1983年生まれということなので、この映画での撮影当時は11~12歳頃の少女。利発そうな少女ながら、どこか愛嬌がありかわいい。小さいので大人たちを見つめる折の上向きのお顔と目つきが特に印象深く残っている。フォルタンとジマン家族の友情の美しさを映画の終盤で大いに見せてくださる。過去の悪事を咎められ窮地(刑事殺しの罪とされる、違うのに!)のフォルタンを彼からの恩を忘れぬジマン氏が彼の弁護に力を尽くし、娘サロメも成長し結婚式の日がやってくる。その若い夫妻に心から祝福するフォルタン。そして、彼の苦難の人生の中で輝ける幸福という光を身に受けるのだ!こんなことをつべこべ語っても、フォルタン役のベルモンドの魅力の僅かの部分しか語ってはいない。この主人公の苦難の末の幸福とは、お金や名声ではないこと。ルルーシュの本質、真骨頂ここにあり!と私は嬉しくて大泣きするのだ。ルルーシュを好きな人が好きでそれでいい。ユゴーの『レ・ミゼラブル』は日本では『噫無情(ああ無情)』として有名。『悲惨な人々』の人生にも意味があるのだ。そんな一大叙事詩☆
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※ベルモンドの他、フランス映画の数々で名場面を刻んできた方々も登場される。ジャン・マレー、ミシュリーヌ・プレール、そして、そしてアニー・ジラルド!!たまらなく素晴らしい存在感なのです☆

レ・ミゼラブル/LES MISERABLES
1995年・フランス映画
監督・脚本・撮影:クロード・ルルーシュ 原作:ヴィクトル・ユゴー 音楽:フランシス・レイ、フィリップ・サーヴェイン、エリック・ベルショー、ミシェル・ルグラン、ディディエ・バルベリヴィエン 出演:ジャン=ポール・ベルモンド、ミシェル・ブジュナー、アレサンドラ・マルティネス、サロメ・ルルーシュ、アニー・ジラルド、フィリップ・レオタール、クレマンティーヌ・セラリエ、フィリップ・コルサン、ニコル・クロワジール、ジャン・マレー、ミシュリーヌ・プレール

by claranomori | 2008-09-18 11:58 | 銀幕の少女たち・少女映画