あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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カナダ映画『ソナチネ』の少女シャンタル(パスカル・ビュシエール)とルイゼット(マルシア・ピトロ)♪

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とても思い入れの強いカナダ映画の『ソナチネ』(1984年)。大好き!な世界観に溢れている。先ず、美少女シャンタル(パスカル・ビュシエール)のお話で始まる。バスの運転手のおじさんとの心の交流が静かに私には伝わるものだった。シャンタルは背骨が曲がっているらしく病院に通院しているリセエンヌ。常にウォークマンを付けている。おじさんが”君はきれいだ”と言ってくれた声を録音し繰り返し聞き微笑む、瞳はキラキラ♪そして、スラリとした少年っぽい女の子ルイゼット(マルシア・ピトロ)はお家でも両親との会話もなく閉ざしている。ある日、”人生の冒険へ出るには今しかない”と家出する少女。彼女もまた、ある船乗りのおじさんとの束の間の心の交流に安堵する。おじさんはフランス語が話せない(舞台はモントリオールなのでフランス語での会話)けれど、おじさんの何か人生に疲れた感じと、思春期の少女の持つ不安感が奇妙なめぐりあいをする...この感じもミシュリーヌ・ランクト監督は巧く描いていると想う。ルイゼットはシャンタルより少し薄めのウォークマンを常に付けている。彼女達はウォークマンをほとんど放さない。まるで、社会の騒音や雑音からわが身を守るかのように。時代を感じる重そうなウォークマン、ローラースケート、80年代的ファッションはこの映画には欠かせない。

そして、最終章。ルイゼットのお父さんは地下鉄の運転手をしている。その電車をふたりで待ち手を振るのだけれど、父親は無反応...ルイゼットの心は曇る。そして、実際に当時のケベックではストライキ問題が大きかったそうだけれど、この映画にも表れている。ふたりは学校の病院から盗み出したお薬を袋に持ち帰りある行動に出る。”誰かが止めない限り、私達は死にます”と手書きで作ったプラカード(ペラペラで小さすぎるのも可愛い)を持参し、いざ、地下鉄へ。ふたりは並んで車内に座り周りの人たちの反応を窺うけれど、ほとんど無反応。読んだ人も本気だとは思ってもいないようだ。終点が近づく中、ふたりは大量のお薬を飲んで眠ってしまう。終点に着いたと同時にストライキ決行のアナウンス。さっさと車掌さんたちは退散してしまい、シャンタルとルイゼットは眠ったまま、その車内に置き去りにされて終わる...。小さな地味な作品かもしれないけれど、私はこの映画が大好き!じめじめしていないし、同世代的な感性のお陰かもしれない。私はウォークマンを持ち歩く勇気がなくて、大人になってからフランス語教室に通っていた時、アルバイトで本屋さんに通うバスの中で座れた時しか使ったことがない。でも、嫌な会話も聞こえないし、自分の世界にいながら社会を歩くことができた。今はiPodや携帯を身軽に常に持ち歩くお若い人々が大勢。時代は変われど、思春期の少年少女の心の空虚さをそれらが埋めてくれるのかもしれない、擬似現実あるいは仮想世界に夢を求める☆
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ソナチネ/SONATINE
1984年・カナダ映画
監督・脚本:ミシュリーヌ・ランクト 撮影:ギイ・デュフォー 音楽:フランソワ・ランクト 出演:パスカル・ビュシエール、マルシア・ピトロ、ピエール・フォト
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by claranomori | 2008-08-28 06:35 | 銀幕の少女たち・少女映画