あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『運動靴と赤い金魚』 アリ少年と可愛い妹ザーラ♪

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マジッド・マジディ監督の1997年作品『運動靴と赤い金魚』の少年アリ君と妹の少女ザーラちゃんのいたいけな姿。修理してもらった妹のピンクの靴をじゃがいもを買いに行った帰りにアリはどこかで失くしてしまう。帰宅後、ザーラにそのことを告げるけれど親には言えない。ザーラはその靴が無いと学校へ行けないのだ。兄のアリも一足しか自分の靴はない。なので、ザーラが先に兄の靴を履いて登校し、その後アリはその靴を履いて学校へ...走って!走って!もう必死で健気すぎる。でも、どうしても遅刻してしまうので先生には叱られるのだった。そのザーラの靴は誤って屑屋さんが持っていってしまったのだけれど、ある日、ザーラは自分のピンクの靴を下級生が履いているのを見つける。そして、アリとザーラはそのお家をそお~っと覗く。その子の父親は盲目だと知り何も言えず引き帰す。とにかく優しい子たち!お家はとっても貧しくて家賃も滞納している暮らしながら、家族が慈しみ合い厳しい現実の中で優しさを他人にも忘れないのだ。”履いてゆく靴が無い”という状況は今の私達とは違うけれど、嘗てはそのような時代もあったのだ。日本の小学生達にもこんな映画を観て頂きたいなあ♪
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アリの父はあるお屋敷の庭の手入れの仕事にありつく。報酬は良いので”この仕事が続けていられたら何でも買ってやれる”と、アリが妹の靴を買ってあげてほしいとお願いしたのだ。しかし、人生とは上手く行かないもの。その二人の乗った自転車のブレーキが利かなくなり、街路樹に激突!父は大怪我をしてしまう...どうやら妹の靴は買ってもらえそうにはない。そんな折、アリは小学生のマラソン大会に出場することにする。3等の賞品が運動靴だったので!もうたまらなく健気で愛しいのだけれど頑張って頑張って走ったアリは優勝してしまうのだ。その大会には様々な子供たちが出場している。裕福な子供は運動靴が欲しいために出場するのではなく、出来れば一等賞になりたいだろう。アリはとにかく3等になりたいのだ...普通なら大喜びの一等なのに、アリは妹にも向ける顔がなく意気消沈して悲しむ。一生懸命走ったので一足しかない靴もボロボロになってしまった。笑顔の可愛いアリなのに、終盤のこの辺りは悲しい表情で辛い。しかし、疲れた足を水盤の中に浸す。すると、アリの傷ついた心と疲れた足を慰めてくれるかのように赤い金魚たちがアリの足に寄ってくる。美しい☆
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製作は児童少年知育協会というカーヌーンと呼ばれる機関が担っている。なので、この映画をイランの子供たちは無料で学校教育の中で観ているのだそうだ。子供も大人も一緒に観て感動できる作品。イラン映画が私は好きなのは、少年少女たちが主役の作品が多いので自然の成り行きのよう。でも、問題提起を含む作品もあるし、厳しい検閲の為に上映中止やシーンをカットされる作品も数多いという。性的な描写は勿論、イスラム教の管轄故女性の髪ひとつでさえ厳しいチェックが行われる。でも、子供を主役に問題提起を含む作品は辛うじて免除されることもあるようだ。

運動靴と赤い金魚/BACHEHA-YE ASEMAN
         1997年・イラン映画
監督・脚本:マジッド・マジディ 製作:児童少年知育協会 撮影:パービズ・マレクザデー 出演:ミル=ファロク・ハシェミアン、バハレ・セッデキ、アミル・ナージ
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by claranomori | 2008-06-06 04:44 | 銀幕の美少年・少年映画