あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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美の極致★『ベニスに死す』(ルキノ・ヴィスコンティ監督) タッジオとアッシェンバッハ♪

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美の極致

何度見るも感慨はあらたであろう。トーマス・マンの59年前の短編は、ここに色鮮やかにその1911年の時代を甦らせた。
 
夏のベニスのそのホテルの美しさ。華麗豪華とはいうまい。古さびた大理石の美しさでもない。あじさいのピンクブルゥのやさしさの中に沈む夏の日の倦怠。この映画では美術は決定的であり、しかもその美は人間の内面に残酷苛酷である。

初老の作曲家アッシェンバッハは、美少年のタジオに、生涯求めて得られなった美を知った。魂は奪われた。どこまでも跡を追った。少年は14歳。その年齢はものを知る知らぬのけじめもつかぬ冷たい早春。まして乙女ならぬ同性のその少年の気づく気づかぬその意識のいけにえとなってゆく作曲家。
 
夏の海はけだるく、いちご売りの声が長く尾を曳く。少年はひとりロビィで手すざびのピアノ”エリーゼのために”をくり返し弾いていた。これを聞く作曲家は思わず若き日の遊び女の弾いたその同じ曲を思い浮かべ、あわててその思い出をかき消した。魂の愛が、肉体の美を少年に求めたか。
 
初めてホテルでこの少年を見た日に流れていたメリイ・ウィドゥのあの”ヴィーリア”の曲のやさしさが、やがて夏も終わりを告げるその去りゆく夏のベニスをコレラが犯し、作曲家はひたすらタジオの安否に心を痛めた。
 
いま遠く渚にたたずむそのタジオを見つめ、哀れすでに病に犯された作曲家は、その時ひとりさびしく息をひきとった。愛する者は敗者なのであろうか。そしてこの愛の残酷が、この映画を見終わった貴方にどうひびき、どのように理解され得ることか。

淀川長治 (パンフレットより)


★「なんでもない日のお茶会」(私は音楽担当で毎月スタッフ参加させて頂いている大好きなイベント♪)で、不定期に私と司会のレベッカ様との映画トークのコーナー「映画大好き!Cinema Chouchou」というまったりコーナーを設けてくださっているのですが、第五回目を昨日終えました。GWということもありお若い可愛らしい少女や麗しいお方の夏っぽい装いを前にドキドキしながら始めました(打ち合わせは無し)。でも、私をいつもお優しくさり気なく誘導くださるレベッカ様と、あたたかな眼差しでお聞きくださるお客様たちのお陰で愉しく終えることができました。まだまだ後何時間でもお家では相方にお喋りは続く程に、大好きな映画『ベニスに死す』。出来るだけ、レンタル屋さんにもあり、購入可能な好きな映画をと心掛けています。次は秋頃の予定です。お若いお方がヴィスコンティ映画やビヨルンの美しさ!また、名優ダーク・ボガードやシルヴァーナ・マンガーノをご存じなくて当然だと想う。いったいどんな反応が得られるのか...と想っていましたが、やはりビヨルンの美しさは時空を超えたもの。”観てみたい”と想ってくださったお方がいてくださってとても嬉しかったのです。また、既にご覧のお方と後でお話させて頂くことも出来ました。そして、私の拙いお喋りをあたたかく見守ってくださりサポートしてくださる友人たちがブース周辺や最前列にいてくださったこと。皆様に感謝しています。ありがとうございます☆
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by claranomori | 2008-05-05 08:45 | ♥ルキノ・ヴィスコンティ