あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

『ビリチス(ビリティス)の歌』 ピエール・ルイス:PIERRE LOUYS (訳:鈴木信太郎)

19世紀末から20世紀初頭に生きたピエール・ルイス(1870~1925)。耽美派小説を読み耽っていた時期がある。大好きな澁澤龍彦氏の作品群に浸り、生田耕作氏が推奨されるものや翻訳された作品の中でこのピエール・ルイスというフランスの高踏派詩人として、また耽美派作家が気になり作品を幾つか読んだ(絶版で未読のものもある)。最初は『女と人形』(生田耕作コレクション)として。まだ80年代の10代の折のこと...そして、ルイス・ブニュエルの遺作『欲望のあいまいな対象』の映画を観たのも近い時期。そして、すっかりブニュエルにハマる!当時ビデオの定価は高かったのだけれど幾つか購入した(今も大好きな映画たち)★また、これらの映画のお話や感想も追々に(長生きしなくては果てしない)♪そして、この映画化に当り邦題が改定されて出版されたことを知る。そして、今度は文庫で読み再読していたばかり。翻訳は飯島正氏のもの。『私の体に悪魔がいる』と言うものや『女とあやつり人形』という邦題もある。さらに後に成りマレーネ・ディートリッヒの『西班牙狂想曲』も原作は同じだと知る。他にも映画化されているので、このピエール・ルイスの小説の存在の大きさを想う。
b0106921_1323519.jpg
今の感じではピエール・ルイスの作品ではこの作品が一等好きなのかもしれない。でも、それ以前に出版されていた散文詩集の『ビリチスの歌』(1894年)。偶然は必然なのだろうなあ~と想える気もするのは、この時期の私はかなり読書時間が一日の比重として大きく、これらのフランス文学や神話や妖精に関する御本たちを毎日読んでいた。そして、音楽熱も高まっていた時期でもありアルバイトのお給与を頂くとたちまちに消えてゆくのだった。二束三文で古本屋さんに売ってしまって後悔しているものもあるけれど、今も私の好きな大切な世界にそれらの存在は無くてはならないものなのだと痛感している。随分年月は経てども変らない好きな世界を想うと幸せなのだ。また、今もまだまだそんな人生の過程なので、観たり読んだり聴いたりお話したりすることは、私の心の糧となりさらに深まるのだろう。”好き”という言葉は安易に使いすぎて自分でもはて~?と想うことがよくある。でも、私の好きなものたちの中でも、おこがましい様だけれど”好き”という感覚から”無くてはならないもの”、あるいはずっと胸に抱きしめているもののような気持ちになれることが嬉しい☆
b0106921_1316523.jpg
『ビリチスの歌』は古代ギリシャに魅せられ続けたピエール・ルイスの架空の物語。たいそう巧妙なので読んでいるとすっかりまるで”ビリチス”という女性が神話の世界に存在していたと想ってしまうのだ。なので、おかしな具合になるのだけれどこういうロマンティックな幻想は好きなので愉しい。順序からすると、先ずピエール・ルイスの『ビリチスの歌』(訳:鈴木信太郎氏)、そして、フランシス・レイが映画『ビリティス』の音楽を担当したのでそのレコードでサントラを聴いた(正確には母が持っていたポール・モーリアの『映画音楽のテーマ集』で先に聴いていたので、このお花の冠姿の少女たちのお写真はハミルトンのものとも知らずに可愛い!と見ていたのだと後に判明)。そして、映画はずっと後になって観ることができた。デビッド・ハミルトンの長編映画としての第一作に当るものながら、版権の問題なのか他の作品はDVD化されているけれどこちらはまだ...『デヴィッド・ハミルトンBOX』として発売して下さると嬉しいなあ♪と、今は最初に発売された『ビリティス』と、後に『柔らかい肌 禁じられた幼性』(『ビリティス』で良いではないかと想うけれど)と改題され発売されたビデオを幾度か観ている。この映画のこともまた後ほどと想うけれど、この原作の方がさらに好きであるということは今も変らない。挿絵も好きな絵だし、何よりもそれらの詩たちの世界が大好き!なので関連する作品も読み比べてみたりしている。とりわけお気に入りの詩篇たちは訳者も様々とあるので、また少しずつこちらで綴っておこうと想う。そうそう、連想ゲームの続きだというのは、この『ビリチスの歌』の主人公ビリチス(ビリティス)は先述のギリシャの女性詩人サッポー(サッフォー)の存在を識っていた(ビリチスの誕生は紀元前6世紀初頭とされている)。また、父の存在を知らぬ少女ビリチスは同じ年頃の少女ムナジディカとの悲歌を30篇程残している。彼女は美徳も悪徳も備えていたけれど、美徳しか知りたいとは思わないとも(全てピエール・ルイスによる創作なのに)。そして、年老いたビリチスが幼き少女時代の清純、成年期の濃艶な同性愛、後期の頽廃した遊女生活を回顧し、思い出を伝記として綴ったもののようなお話。まるでギリシャの女流詩人ビリチスがサッポーのように存在したかのように想えてしまう...実に素晴らしい☆

ささやかなこの古代恋愛の書は
未来の社会のうら若い女性たちに
恭々しく献げられる
b0106921_13171858.jpg
※この絵は、ピエール・ルイスと同じ時代を生きたハンガリー生まれの画家ウィリー・ポガニー(1882~1955)の『ビリティスの歌』(1926年)より♪


[PR]
by claranomori | 2008-03-29 11:30 | 19世紀★憂愁のロマンと美