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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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ロマーヌ・ボーランジェ:ROMANE BOHRINGER 『伴奏者』の少女ソフィ♪

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クロード・ミレール監督の『なまいきシャルロット』『小さな泥棒』に続くシャルロット・ゲンズブール主演での3部作として当初構想されていたという『伴奏者』(1992年・フランス映画)。シャルロットはこの少女ソフィ役にはもう少し成長していたので、リシャール・ボーランジェの出演が決まった折にご自分の愛娘さまであるロマーヌ・ボーランジェを監督に薦め実現したそうだ。この大人への階段を上り始める少女期の心のゆらぎ、ひだを憂いを湛えたロマーヌ・ボーランジェはソフィ役に最適だったと想う。ロマーヌとリシャールの親子共演はその前にディディエ・グルッセ監督の 『神風』(面白い!)で先に実現していた。劇中でも親子役だった。一等大好きなシーンは、お部屋に大きな『なまいきシャルロット』の映画ポスターが貼られているのだけれど、そのポスターをまだ13歳頃のロマーヌが見つめ、シャルロットのポーズをキュン♪と真似てみるシーン!!もうこの場面だけでいい!と想える程に私の心は躍るようだった。それから成長し、この『伴奏者』の撮影当時19歳位になっていたロマーヌ(『野性の夜に』も同時期)は、さらに魅力的になったと想えた。今も素敵♪
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舞台は1942年の冬、ドイツ占領下のパリ。ソプラノ歌手のイレーヌ・ブリス(エレナ・ソフォーノワ)のコンサートに訪れる。質素な佇まいの少女ソフィ・ヴァセール(ロマーヌ・ボーランジェ)はその美しさに心は奪われてしまったのだった!伴奏者に雇ってもらおうとイレーヌの楽屋でも、その美の前での緊張と空腹から気絶してしまう。優しいイレーヌはソフィを豪華なレストランへ連れ出す。そこでも綺麗なドレスに身を纏い振舞うイレーヌの姿、その光景に心がついてはゆかず。ソフィは子供たちにピアノを教える母と二人暮らしの慎ましやかな生活を送っている少女。まるで別世界の光景だったのだ。ソフィの弾く繊細なピアノの音色と視線に心打たれたイレーヌはソフィを伴奏者として専属に決めた。そして、母の反対を押し切ってイレーヌとの同居生活が始まる。イレーヌには夫シャルル(リシャール・ボーランジェ)がいる。初めての伴奏者としての舞台も大成功!しかし、観客の賞賛と喝采はすべてイレーヌのもの。名前すら覚えてもらえぬ伴奏者としての虚しさをも体験する。こうした、イレーヌに対する憧憬と嫉妬の気持ち。ロマーヌの持つ魅力が輝く瞬間だと想う。おとなしいけれど心の奥底に強いものを持つソフィ。ますます評判の高まるイレーヌに次第に憎しみすら覚えるようになる。そして、彼女たちは戦争の影響からロンドンへ移ることになる。さらに、イレーヌの浮気やシャルルの自殺などの悲劇が待っていた...。
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彼女は私に目もくれずに歌う。
栄光も幸運も彼女だけのもの・・・・・・。
私は伴奏者。
今夜は彼女の夜。私のものではない。


ソフィは質素ながらも音楽への情熱が溢れんばかりにいる。伴奏者は主役の陰であることを知っている(20歳の若さで既に体験してしまう)。その音楽や敬愛する者への献身的な心は純粋で激しいものだと想う。イレーヌの美声のみならず、彼女に憧れてもいたのだけれど。

人生は私のわきを通り過ぎて行く。
私はドラマの主人公にはなれない。


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原作はニーナ・ベルベーロワで、舞台はロシア。映画化に当り脚本をミレール監督はパリへと移し主役のソフィの年齢も下げて描かれたもの。ボーランジェ親子は勿論ながら、イレーヌ役のエレナ・ソフォーノワ(エレナ・サフォノヴァ)がまた素晴らしい!このロシアの女優さまを知ったのはニキータ・ミハルコフ監督(名作多数!)の『黒い瞳』。マルチェロ・マストロヤンニやシルヴァーナ・マンガーノがお目当てで観ることになり、今もとても大好きな作品のひとつ☆
by claranomori | 2008-03-23 10:39 | 銀幕の少女たち・少女映画