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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『アデルの恋の物語』のアデル・ユゴー(イザベル・アジャーニ:ISABELLE ADJANI)♪

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この『アデルの恋の物語』の実在のヒロインは、かの文豪ヴィクトル・ユゴーの次女のアデル・ユゴー。そして、まだ有名になる前の撮影当時18.19歳頃のイザベル・アジャーニが見事に演じている。私はフランソワ・トリュフォー監督が好き。トリュフォーは作品のヒロインを全身全霊、愛を込めて描き出す。また、アジャーニはこのような情念の女を演じるお姿がお似合いだと想う。アジャーニの主演作品で一等好きなものは、多分きっとこの『アデルの恋の物語』だとこの先も想える程に大好きなのだ。文芸作品が好きだし、愛に生きる女性(乙女)の姿を描いたものはどうしても気になる。嘗て、フランスの名女優アニー・ジラルド主演の『愛のために死す』という映画を観て感動したものだ。私はまだ今生ではまだまだ色々な壁や岐路に面するのだと想う。”愛”というものが如何に尊く崇高なものであるのか...と小説や映画の中のヒロインの生き様から様々な愛のかたち、貫きゆく様から何かを感じ、考えることができることを幸せに想う。
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1852年、クーデターを起こしたナポレオン三世が政権を握り、政敵であったユゴー一家は英仏海峡のガーンジー島へ亡命する。ユゴーの次女アデルは、そこで英国騎兵中尉アルバート・ピンソンと恋におちる。お話は、そのアデルがピンソンを追ってハリファックス港に着くところから始まり、まあ!息を呑む暇も無い圧倒的な力で狂気に至るアデルの姿に魅入る。アジャーニの真骨頂というところ。後に『カミーユ・クローデル』を演じるけれど、このアデル役があってのことだとアジャーニは語っていた。ちょっと、脱線。このアデルが追い求め愛を貫く英国騎兵中尉ピンソンを演じるのはブルース・ロビンソン!まだ彼もお若く実にハンサム。その他、主要な役柄は英国俳優が担っている。映画を国籍でのみ捉えることなど無意味であるといつも想う。『恋のエチュード』などを観ても実感したものだ。また、背景にあるもの、歴史を知ることもできるので映画から学ぶことがとても多い私。初めて観た折はアデルが実在の人物だとも知らずにいたけれど、いつまでも心に残り幾度か観ているうちに、次第に少しずつ知り得る見えない(描かれていないもの)との繋がりを感じたりしてゆく。そして、さらに忘れられないものとなるのだろう。
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それにしても、ピンソンを神のように想い、ピンソンのアデルへの愛は冷め、他の女性と結婚しても追い続けるアデルの姿。怖い程の女の情念、愛の熱情に圧倒される。アデルは次第に自分の行動すら自身では理解できなくなってゆく。そして結ばれることのない愛ながらも、アデルはただひとつの愛を貫いたのだ。発狂したアデルはアメリカからフランスに戻り、精神病院へ入れられ後の人生を過ごした。可哀想という感情とも違う。今の時代だともっと違う言葉で語られるような女性。ピンソンからするとどんな気持ちだろうか?!とも想うけれど、ここまで人を愛し貫く女性の姿は壮絶だ。トリュフォーとアジャーニ、また原作のフランセス・ヴェルノール・ギール、そして音楽はモーリス・ジョーベール!トリュフォーの愛が溢れている☆

アデルの恋の物語/L'HISTOIRE D'ADELE H.
        1975年・フランス映画
監督・製作:フランソワ・トリュフォー 原作:フランセス・V・ギール 脚本:フランソワ・トリュフォー、ジャン・グリュオー、シュザンヌ・シフマン 撮影:ネストール・アルメンドロス 音楽:モーリス・ジョーベール 出演:イザベル・アジャーニ、ブルース・ロビンソン、ジョゼフ・ブラッチリー、シルヴィア・マリオット
by claranomori | 2008-03-13 11:32 | 銀幕の少女たち・少女映画