少女シリア 『私の王国』 (ルイザ・メイ・オルコットの『ライラックの花の下』より)
2008年 02月 14日
私の王国
私は小さな王国を持っている、
そこには考えも感じもある。
それを上手に治めることは、
とてもむずかしい仕事。
熱情が惑わすから、困らせるから。
強情が道をまちがえさせるし、
すべての言葉と行いとに、
わがままが影を作らせる。
私はどうして
太陽の魂を持ったらよいのか、
人生の道を照らすためには?
私はどうして
小さな心を整えたらよいのか、
楽しく一日を歌い暮らすのには?
愛する天の父なる神よ、
恐れを消し去る愛を、
私に与えさせたまえ。
御身に頼らせ、
おそば近きを知らしめたまえ。
誘惑も目に見え、
子供の悲しみも、
小さくなきことを教えたまえ。
限りなき忍耐を持って、
御身がすべてをやわらげ、
慰め給うがゆえに。
私は王冠などは望まない、
ただこのお願いだけを。
どんな世界も、
征服しようとは思わない、
ただ一つ、心の中の世界を。
神よ、導きたまえ、
優しい御手にひかれて、
心の中の幸福な御国を、
私が見出すまで。
そしてその指揮のできるまで。