ワーズワースの詩がいつまでも心に残る美しき青春映画のひとつ。高校生の多感な時期の心の揺れを見事な演技力のバッド役のウォーレン・ベイティと、子役時代の可愛さから成長し、まばゆいばかりの美しさのナタリー・ウッド♪監督はエリア・カザン。私は
ナタリー・ウッドが好きな上に女性なので、どうしてもディーニーに感情移入してしまう...(冷静に観てるつもりながら)。このような名作映画を観ずして少女映画を語りたくは無いと想う。この映画のタイトル、ワーズワースの詩が心に響く。繊細な壊れやすい少女の心、その微妙な心理描写に胸が痛む程伝わるものがある。ハッピーエンドにはならないけれど、苦い初恋の経験も人生だし輝ける青春の刻なのだろう。”少女映画”、”ガーリー”、”少女趣味”、”少女愛好”、”少女幻想”...一括りにはできないし、イメージ先行で馬鹿にされるのもやっぱり悔しい。もうずっと、こんな具合で生きている。なので、そろそろ心を開いて語っても責任は持てる歳になったかな...と想う。そして、心の赴くままにさらに深まるようなのだ。こういうことが何になるのだろう...そんなことは分かりはしない。私はもう少女ではないけれど、向かう心に逆らいたくはない。”少女”や”乙女”...という言葉に拘ってもいない。ただ心が求める...それは時にとても苦痛でもあるけれど好きなのだろう。変なの☆
草の輝くとき
花美しく咲くとき
ふたたび それは帰らずとも
嘆くなかれ ―
その奥に秘められし力を見出すべし・・・
この
『草原の輝き』は以前にも映画ブログで感想を綴ったので、あまり重複しないように。身分の違いや進路の違いですれ違う愛する者同士の切なく儚き恋。ディーニーがバッドに会えなくなり精神を壊してしまう辺りの乙女心に涙する。でも、時が流れ互いに大人になってゆく。そして、久しぶりに再会した折のバッドの姿...そして、その時のディーニーの微笑はあまりにも辛いけれど、これからはお互いの人生を歩んでゆくのだ...そして、ワーズワースの詩がたまらない余韻を残す...。
草原の輝き/SPLENDOR IN THE GRASS
1961年・アメリカ映画
監督:エリア・カザン 原作・脚本:ウィリアム・インジ 撮影:ボリス・カウフマン 音楽:デヴィッド・アムラム 出演:ナタリー・ウッド、ウォーレン・ベイティ、パット・ヒングル、 ゾーラ・ランパート、サンディ・デニス、オードリー・クリスティー