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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『眠れる森の美女』 シャルル・ペロー:作 エドマンド・デュラック:絵

『眠れる森の美女』のお話は少年少女時代に多くの方が読み聞かされたり、ご自分で絵本で読まれたりして記憶にある有名なおとぎ話のひとつでしょう!私は園児頃に大きな文字と挿絵の入った絵本で知ったもの。随分後になってから、それはグリム童話の方のお話(『いばら姫』)で、素敵な王子さまがやって来て接吻をしお姫様は百年の眠りから目覚めハッピーエンド♪子供心に”ああ!ステキ☆”と素敵な王子様を夢見たものです。
『眠れる森の美女』 シャルル・ペロー:作 エドマンド・デュラック:絵_b0106921_4471950.jpg
さて、シャルル・ペローの方はというと、その続きがあり過酷な試練が待っていた。その試練を乗り越えて、ようやく真の幸福を得ることができるのだというようなお話。悪い妖精と良い妖精、魔女や自然界の精霊の存在も重要なように想う。私はこの歳になっても、こうして、ふと、童話や絵本を読み返したくなると再読し心地よい気分になると同時に、他の作品や映画などを連想したりしながら考えさせられることがあり、相変わらずの濫読癖は続いている。そして、何故だか今回の久しぶりの再読で過ぎったものは『ヴァージン・スーサイド』や『ピクニック・アット・ハンギングロック』という大好きな少女映画たち...。死に至る少女たちや消失してしまう少女たち、そして、この眠り続けるお姫様が繋がる。100年の眠りは少女のある時期、束の間の刻の象徴でもあり、その通過儀礼を経て乙女になる。思春期のつむのひと時を、宮廷作家らしくペローは上品な表現で優雅に語っているのが好き。このような想いは私は堂々巡りのように必ず戻って来ることのようで、その度に微かな自己の体験や想い出、友人たちのお話や鑑賞したりして心に焼きついたものたちなどから、その都度留まり考える...それがどうしたの?と思われるお方もおられるようなことかもしれないけれど、私にはずっと重要なことのよう。なので、『少女愛惜』なのだとも想う。

※この『眠れる森の美女』の原書は1910年というので、かれこれ100年近く前のもの。勿論、私は再販ものしか持っていないのですが、上の絵は好きな場面のひとつです。フランス育ちで英国で有名になった画家でもあるエドマンド・デュラックの挿絵も大好き!ペローの童話(児童文学)の世界やデュラックの絵について、また触れたいと思います♪
by claranomori | 2008-01-19 23:57 | 童話・絵本・挿絵画家