エリザとエリック (ヴィルジニー・テヴネ監督)
2007年 12月 13日
80年代は大好きです。逆説的な時代ですね。ロマンティックでもあり、実際的でもある。これ以上の逆説的な時代は、ちょっと想像できません。70年代は理想主義的で少し悲しい。68年以降、あの世代は自由な理想社会というものを知り、自分たちがそうでないことに気づいたのです。当然のこととして。しかも70年代は”5月革命”で終わりました。未来はなくなったのです。その後に続いた80年代は、少し絶望していて同時にダイナミックでもあります。悲しみや絶望の中には何か人を陶酔させるものがあり、それが創造力を生むのです。70年代に人は夢を見、80年代にそれを造りました。80年代は軽薄さと深刻さ、ダンディズムと実用性が混じり合った時代なのです。
また、両性具有と思春期というテーマは、とても今日的だと思うと語り、代弁してくださっているかのように共感できる以下のお言葉で決定打♪
思春期は、いわゆる”モラトリアム”の状態です。18歳から30歳 - あるいはもう少し上までの年代で、大人になることを、何かを選択することを拒否する人々...。エリザとエリックは猶予の状態にあるのです。自己の発見、自らの性を知ること、性の目覚め、成熟、そういったものすべての猶予状態にあるのです。
(ヴィルジニー・テヴネ監督のインタビューより)
エリザとエリック/JEUX D'ARTIFICES
1987年・フランス映画
監督・脚本:ヴィルジニー・テヴネ 撮影:パスカル・マルティ、ダリウス・コンジ、マルタン・ルグラン 音楽: アンドレ・デュメイ 出演:ミリアム・ダヴィッド、ガエル・スガン、ルドビク・アンリ、エチエンヌ・ダオー、アリエル・ドンバール、クロード・シャブロル、フリケット・テヴネ、ヴィルジニー・テヴネ