あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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今日から始まる (ベルトラン・タヴェルニエ監督)

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『田舎の日曜日』(名作!)や『ダディ・ノスタルジー』他好きな作品多数のベルトラン・タヴェルニエ監督が北フランス、嘗ては炭鉱町として有名だったエルナンを舞台に、子供たちのために奮闘する幼稚園の園長ダニエル・ルフェーブル(フィリップ・トレトン)の姿を描いたもの。ダニエル園長のひたむきな行動を通して、教育現場の抱える諸々の問題、子供たちの権利の尊さ、不公正と闘う人たちの姿は、切々と心に沁み入るもの。ベルトラン・タヴェルニエ監督のお顔などを拝見していつも想うのは”お優しく誠実なお方だろうなぁ”と。そんな監督の誠実さと厳格さのようなものはこれまでの作品たちにも感じられるもの。”社会”というもの、その中で生きている私はこの行った事もない北フランスの町のお話なれど、この日本の現状にも充分なほどの共通した問題があり、この映画の中でそれらの厳しいテーマを語っているのだと感じる。

決して壊せないものがある
肉体の中に 大地の中にあるものだ
この大地に ひとつひとつ
小石を積んだ
父が 祖父が積んだのだ

雨にも 風にも耐えて
積み重ねた夜には
月光が影を作るように盛り上げた
ソリの遊びができ 星にも届くようにと
高く積んだ小山だ
子供たちにその事を語ろう
.............
子供たちに語ろう
先人たちや 父たちから引き継いだのだ
その小山と 彼らの勇気とを

詩人ドミニク・サンピエロ (字幕より)


b0106921_18593915.jpg今日から始まる/CA COMMENCE AUJOURD'HUI
         1999年・フランス映画
監督:ベルトラン・タヴェルニエ 脚本:ドミニク・サンピエロ、ベルトラン・タヴェルニエ、ティファー・タヴェルニエ 撮影:アラン・ショカール 出演:フィリップ・トレトン、マリア・ピタレシ、ナディア・カシ、ヴェロニク・アタリー、素人の子供たち
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”語っている”というのは私個人のとても大切に想うことのひとつのようで、好きな映画、好きな音楽、詩や小説の中の言葉、絵画の中の物語や視線の行方、語る友たち...その語り方は其々で多くを語らずとも、無言でも語ることが出来る。人間には五感というものがある。私の母は死の床の晩年、もう視力が無くなっていた。私がお見舞いに行っても私の顔が見えないのだ...片方の体は神経が無くなっており、唯一右手のみ(多くの針仕事をしてきた手)を握り締め耳元で声をかける。長い闘病生活だったので色々なことが想い出されるけれど、その母の指の感触と表情、時に涙を流す...これも母と私の会話だったのだ。また映画と関係の無いお話をしている。そうそう、この映画に出演している3歳~5歳の幼児たち30人は皆素人の子供たち。そして実際にある幼稚園の中で撮影されたそうだ。なので、ドキュメンタリー風でもあり素敵に思う。こんな幼い子供たちを生き生きと捉えることができるなんて!役者方と監督・スタッフ方のお人柄なしでは成り立たないだろう。炭鉱の閉鎖で失業した人々、彼らは子供たちの学費を払うのも困難、幼稚園の運営資金や先生たちも苦境な現状。社会はお調子者で弱者の切捨てもお手のもの。こんな時代だからこそ社会や家族、人と人との繋がりが大切なのではないだろうかと監督は詩情溢れる映像と共に伝えて下さり、私は嬉しく頷き涙する。そして、”今日から始まる”のだなと勇気をいただける。ありがとうございます☆
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※この映画は子供たちと大人たちのための作品だと想うので、カテゴリーなんてどうでもよいです♪
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by claranomori | 2007-11-27 21:36 | 銀幕の少女たち・少女映画