あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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制服の処女:MÄDCHEN IN UNIFORM (清純な少女マヌエラ:ヘレタ・ティーレ)

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孤独で純情な14歳の少女マヌエラ(ヘレタ・ティーレ)は、最愛の母を亡くし全寮制の寄宿女学校に入れられる。少女たちから慕われている毅然たる美貌のベルンブルク先生(ドロテア・ヴィーク)。1931年というトーキー幕開けのような時期にこの深い問題提起!ドイツも好きな国。物語の中盤から終末のマヌエラの死に至るまでの繊細な描写は素晴らしくも胸が苦しくなるものだった。私は映画を先に観、後からクリスタ・ウィンスローエの原作を読むことができた。どちらも好きだけれど、少女マヌエラとベルンブルク先生の心の奥深く、静かに燃える炎のようなものは小説の方がより胸に差し込むというのか、好きな繊細さのように想う。

「胸のこの奥に感じられるものは、もう、燃えるような幸福よ!これから先ずぅっと、あたしは美しい、清らかな心で生きていきたいわ。あたしは立派な人間になりたいのよ!もうなんにも世の中に恐ろしいものはないみたいよ!ああ、あの方さえ、いらしてくださったら・・・・・・」

マヌエラは両手を自分の胸に押し当ててこのように語る。この少女の気持ち、心のいったいどこが汚らわしいというのだろう!女性が女性を好きになり恋慕うことの何が...と。心の自由さを誰も奪うことなどできないはずなのに。どうして、マヌエラは死を選ばなくてはならなかったのだろう?!性的な描写などはない。純愛であり、乙女の死によって問うものはとても大きなもので、今の時代にも通ずる投げかけなのだと想う。

日本公開は1933年だそうで、それも大ヒットを記録した作品。本国ドイツ・ベルリンでひっそりと公開され、口伝えに広まりロンドン、パリ...と世界中で人気を博したという。それも、無名監督、無名の出演者たちによって僅か22日間で完成。原作、監督、主要スタッフ、出演者はすべて女性ばかり。同性愛のロマンスでもあるけれど、当時のドイツはワイマール共和国時代。ナチスの台頭の不吉な足音の聞こえ出す折だという歴史はこの映画の中でも大きなものだと想う。軍国主義者の女校長、厳しい規律、抑制された自由の無い制服の少女たちの青春とは...。謳歌しよう、すべきだという作者や監督の強い意思は、哀しいマヌエラの自殺を通して訴えかけてくるようで、”何故?!”と私にも悲痛に響く。清純な乙女の心を汚らわしいもの、学校の汚名だと校長はマヌエラを罰する。権力の下で身動きの取れない少女たちの閉ざされた心の殻は不自然なのに、そういう体制の時代。レオンティーネ・サガン監督はこの後、ナチスを逃れるために英国に渡り、オックスフォードを舞台にした作品を作られたそうだ(観てみたい!!)。このような感性、きめ細かな描き方は女性監督ならではのように想う。古い古い映画なのに、こうして時代を超えて共鳴させていただけることが嬉しい♪20年後に、若き日のロミー・シュナイダー主演でカラー・リメイクされているけれど、その映画は残念ながら未見なので死ぬまでに観てみたい☆

制服の処女/MÄDCHEN IN UNIFORM
       1931年・ドイツ映画
監督:レオンティーネ・サガン 監修:カール・フレーリッヒ 原作:クリスタ・ウィンスローエ 脚本:F・D・アダム 撮影:ライマール・クンシュ、フランツ・ワイマール 音楽:ハンソン・ミルデ・マイスナー 出演:ヘレタ・ティーレ、ドロテア・ヴィーク、エミリア・ウンダ、エレン・シュヴァンネケ、イルゼ・ヴィンター
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       ◆フリードリヒ大王の如き女校長と制服の少女たち!
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by claranomori | 2007-11-17 01:03 | 銀幕の少女たち・少女映画