クリスマスが近づいてくる。映画『クリスマス・ツリー(L' ARBRE DE NOËL)』は1968年のフランス映画ながら、監督は英国のテレンス・ヤング。幾度かテレビで観たけれど国籍不明のイメージがずっとある。渋いウィリアム・ホールデンはアメリカの大スター!だし、お美しいヴィルナ・リージはイタリア女優さまだし、アンドレ・ブールヴィルはフランスの俳優・歌手だし...まぁ、国際色豊かな豪華な顔ぶれ!原作はミシェル・バタイユ、音楽はジョルジュ・オーリック(あの「禁じられた遊び」の曲が使われている遺作)。そして、海で放射能を浴び白血病に侵され余命僅か半年...の可愛いパスカル坊や(”フラー坊や”)の無邪気さと健気さはラストシーンで感極まる!”Good Luck”と。父と息子、そして新しい母親や友人たちの悲しみ。メロドラマ嫌いなお方は駄作だと仰るかも。でも私は単純なのでこうして綴りながら、浮かぶ場面たちが涙を誘う。瞳がパッチリとした利発そうな愛らしいブルック・フラー君。1958年(1959年説も)生まれなので、この時期は10歳~11歳。さらに幼い1963年には、かのルキノ・ヴィスコンティ監督の『山猫』にリトル・プリンス役で出演しているので4~5歳頃が映画デビューのよう。イタリア語もフランス語も話せるニューヨークっ子。ヴィスコンティは流石に審美眼が鋭い!この美少年をこんなに幼少時に起用しているのだから。その後の活動は全く知らないけれど、この『クリスマス・ツリー』のパスカル坊やは今も色褪せない。美しい薄倖の息子と父との愛の物語。この笑顔...独特の可愛らしさで永遠に時が止まっている☆
♥ウィリアム・ホールデン~ブルック・フラー坊や~ヴィルナ・リージ!
♥最後のクリスマス・ツリーとパスカル君のこの俯き姿の愛らしさ♪