美輪明宏『光をあなたに』 装画・挿絵:中原淳一
2007年 11月 12日
私は子供の頃からヨーロッパかぶれした子供だったけれど、今もそうだけれど日本が好き!好きではないところもあるけれど、多くの好きなものは日本の抒情のように想う。文学や絵画、ファッション...私は時代遅れかもしれないけれど、昭和が今でも大好き!戦後生まれの私は戦前の昭和、またはそれ以前の大正や明治時代の日本のモダニズムに魅せられる。流行には興味がないかも。だからと言って新しいものを否定したいのではない。居心地が良い世界、心が穏やかでいられる世界に生きていたいと願うだけ。美輪明宏さまのお歌の会やお芝居に嘗ては一緒に行ってくださる友人もいなかったので、一人で鑑賞しては感動で胸がいっぱいになり泣いていた。そして心豊かなエネルギーを頂いてお仕事にまた向かうことができた。今は美輪さまのファンのお友達も周りにいてくださるので、ご一緒に語らうことができて幸せ♪
『光をあなたに』はもう幾度も読んでいるのでこの画像では小口が分かりにくいけれど、結構古びている。でも、愛読書ほど、古びてゆくもの。そして、この朽ちてゆく外形が愛おしくも感じられる。美輪さまはこの序文に以下のように記されているので嬉しい☆
本書は、個人的な悩みに答えるという形にはなっていますが、私としては全てのひとに光が射し込むようなメッセージを込めたつもりです。装幀も、ページをめくるだけで気分がなごむような情緒豊かなものになりました。どうか枕許に置いて、幾度も読み返していただけるとありがたいと思っています。(美輪明宏)
表紙の絵、中のページにはお花のイラストが綺麗。それらは中原淳一氏によるもの。母達が女学生の頃に親しんだという古い乙女雑誌(母は「ジュニアそれいゆ」以前のことはよく知っていた)や映画雑誌...これらのページをめくるだけで嬉々とする心を感じられるなんて!
本は「心の糧」ともいわれています。私達の精神生活の上に大きな恩恵をもたらしてくれるものなどといったら少々大げさにもなりますが、色々な持物の中でも、一字一字たどって読んだ本には特に深い愛着を覚えるものです。青春のある時期に大そう感銘をもって読みふけった本、忘れ難い人から貰った本・・・・・。或る本の数行は暗誦しているほど好きな一節、或るものは幼い頃読んだ童話の本で、その頁の美しいさしえにまつわる思い出・・・・・等々、本棚に並んだ本を眺めると、それらの本に自分の心の遍歴をみるような気がします。(中原淳一)
このお言葉と同じように思う私は、こうして今書き写しながら幸福な想いで涙に溢れています☆