ペーター・アルテンベルク:PETER ALTENBERG
2007年 08月 03日
写真や手紙、絵葉書などの隅にいつも即興でなにやら書き記されていたという。そんな中の一枚。そこには”絶対的理想の脚!13歳のエヴリン.H・・・・・PA1916”と書かれている。彼の兄ゲォルク・アルテンベルクに捧げられたという著書『その日が私に告げるもの』の中で、自分自身について以下のように書いている。
『私の人生は神の創り給いし芸術品(婦人への肉体)への前代未聞の讃嘆に捧げられたものだ。私の貧しい部屋は壁紙の剥げかかった壁に仕上げた裸体習作が掛けられている。きちっと額縁に入れられたものはどれもみな著名と書き込みがある。15歳の娘の写真にはこう書かれている。「美は美徳である」ほかのにはこう書いてある。「裸体のたったひとつの行儀悪さは、裸体にわいせつ性を感ずることである」』
なかなか興味深い。彼の最初の著作は『私の見たまま』1896年のもの。そこでも、「私はちっちゃな手鏡に過ぎないのです。世界の鏡じゃありません。化粧鏡です。」と謙遜して語った言葉が残されているけれど、当時のウィーンの街頭やウィーンの森、彼が傍観した記録の断片たちは貴重なものとして、今私のような者が19世紀末のウィーンにうつつとなる。”主観主義、万歳!”である。忘れ去られることなく語り継がれるには何があったのだろう。実にユニークなペーター・アルテンベルク!