あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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青い麦 (監督:クロード・オータン=ララ 原作:シドニー=ガブリエル・コレット)

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北フランス、ブルターニュの海辺の避暑地、第一次大戦後のある夏の日の物語。その夏も一軒の別荘を共有していたフィルとヴァンカの家。二人は兄妹のような間柄だったが、少年は16歳、少女は15歳。反撥しあったりしながらも惹かれ合う、思春期の少年少女の微妙な心情。この心の揺らぎを繊細にかつ感覚的に描かれるコレットの原作はさらによく伝わるように想う。今読み返すとまた違った想いが過ぎる。このふたりは大人になる前のまだ青い麦たち。とても瑞々しく儚い時。また、”初恋”という一度っきりの淡い想い出は誰もが味わい、年月が経れどノスタルジックに残っているものなのだろうと想う。”つるにちにち草”(別名ヴァンカと呼ばれる草)のお花の淡青色はこの15歳の少女ヴァンカの瞳の色(少女の刻)のよう。性的な芽生え、その衝動と物語を女性作家コレットならではという感性で綴られてゆく。映画と平行して私は今浮かぶことを気ままに書き留めている。この小説はコレットが50歳の折に発表されたものだということに感動したりする。コレットの人生は波乱でスキャンダルも多い。ご自身の体験や友人たちとの想い出がこのお話にも関係しているようだ。いつもの如く、とても感覚的に!故に官能的に芳香するようにも想う。ひと夏の想い出はもう決して戻りはしない...”実る前の麦”の『青い麦』、素敵なタイトル。

公開当時は16歳の少年と白い婦人ことダルレエ夫人(エドウィジュ・フィエール)との関係が非難されたりしたそうだ(古き良き時代)。このエドウィジュ・フィエールがまた素晴らしい女優さまで、ジャン・コクトーの『双頭の鷲』(さらに古く1947年)の王妃の姿も気品と威厳に満ちた美しさで素敵だった。そして、ヴァンカ役のニコール・ベルジェの愛らしさが好き。その後いくつかの作品に出演されていたけれど、事故により30歳で他界されている。この『青い麦』は私の世代の作品ではないけれど、色褪せる映画ではないのは、誰もが思春期や青春時代を通過儀礼のように体験し、それぞれの想い出たちを持つからなのだろう。行ったこともないブルターニュの陽光や草の香りが、ほんのりと切なく感じられるなんて☆

青い麦/LE BLE EN HERBE
   1953年・フランス映画
監督:クロード・オータン=ララ 原作:コレット 脚本:クロード・オータン=ララ、ジャン・オーランシュ、ピエール・ボスト 撮影:ロベール・ルフェーヴル 音楽:ルネ・クロエレック 出演:エドウィジュ・フィエール、ピエール=ミシェル・ベック、ニコール・ベルジェ、ジョジアーヌ・ルコント、ルイ・ド・フュネス
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         ♥15歳の少女ヴァンカと16歳の少年フィル♪
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by claranomori | 2007-11-01 11:58 | 銀幕の少女たち・少女映画