あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

『ふたりのトスカーナ』 原作:ロレンツァ・マッツェッティ 監督:アンドレア&アントニオ・フラッツィ 

b0106921_541657.jpg
          ♥ペニーとベビーの愛らしい少女姉妹♪

映画監督でもあるイタリアの女流作家ロレンツァ・マッツェッティ(ロレンツァ・マゼッティ)の自伝的小説『天が落ちてくる(空が落ちる)』を映画化した『ふたりのトスカーナ』。監督はイタリア・フィレンツェ出身の双子の兄弟アンドレア&アントニオ・フラッツィで、この作品が長編デビュー作。イタリアはローマに一度だけ行ったことがある(トレビの泉にコインを投げてきたので再び行けるのだろうか...)。映画が大好き!色々なことを学び考えさせられる。好みの作風は多種に渡るのでその中で色々と連鎖し、また原作やスタッフや俳優たち...好きな世界が少しずつ広がりながら心や頭に浸透してゆくようだ。この作品の舞台となるイタリアのトスカーナ地方は、いくつかの映画の中で知ることができたとても美しい緑の自然の景色。感動的だ!お話は、第二次世界大戦下のトスカーナ地方、両親を交通事故で失い孤児となってしまったふたりの少女姉妹は、伯父夫婦のもとに引き取られる。そのひと夏の出来事と同時に、戦争による悲劇をも情感豊かに描いたドラマ。姉ペニーの目を通して描かれ、両親を亡くした幼い姉妹ながら、美しい自然の中で健気に生きる姿。過酷な厳しい現実(時代)の中でペニーの愛らしい微笑みが脳裏に焼きつき涙に溢れながら、私も微笑返しをしてしまう。かのフェデリコ・フェリーニが、「この本を読んだ時ほど、熱狂的にのめり込み、楽しんだことはめったにない。」と語り、イタリア三大文学賞のひとつのヴィアレッジョ賞を受賞。世界中で翻訳されこうして私も原作を読むことができる。可愛い子供たちと、伯母カッチェン・アインシュタインに扮するイザベラ・ロッセリーニがとても素晴らしい!そして、まだ幼く姉にべったりの甘えん坊の妹ベビーは、両親の死すらよく分かってはいない。なので、ユダヤ人である伯父達にナチスの手が迫り悲劇を目の当たりにしてさえも...。

あたしとベビーはヴィラにいった。焼けた屋根の梁のあいだから射しこむ空の光を、割れた鏡が映していた。みんなはそこにいた。おじさまも。
ベビーはおじさまの上にかがみこんだ。おじさまに話しかけた。
「返事しない」 「だれも返事をしないわ・・・・・」
そして、血で汚れた手で涙をふきながら、泣き叫び始めた。



ふたりのトスカーナ/IL CIELO CADE
     2000年・イタリア映画
監督:アンドレア・フラッツィ、アントニオ・フラッツィ 原作:ロレンツァ・マッツェッティ 脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ 撮影:フランコ・ディ・ジャコモ 音楽:ルイス・バカロフ 出演:イザベラ・ロッセリーニ、ジェローン・クラッベ、ヴェロニカ・ニッコライ、ララ・カンポリ、バルバラ・エンリキ、ジャンナ・ジャンケッティ
b0106921_552043.jpg

わたしたちは黄金の夜明け
大気と光に向かって元気に育つ
わたしたちはイタリアの子ども
さらに偉大なイタリアを望む
わたしたちの小さな心
小さいけれど愛で燃える
声を震わせて鳴く小鳥のように
神よ、統帥をとわに救いたまえ


《ペニーが”あたしが一番好きな歌”と語る「イタリア少女団の歌」より。》

※嗚呼!こうして綴っているだけでも涙が溢れてとまらない。自分で綴っている文字が滲む。哀しいなぁ...切ないなぁ...何も悪いことなどしてはいないのに。カテゴリーは”少女映画”としているけれど、そんな表象はもうどうでもよくなってしまう!悲劇なのは少女たちをも含めて、いったい、どのくらいの人達が!と、私がいつも引っ掛かり留まるところ。またこうして立ち止まる...可愛い少女たちを眺めているだけの時は過ぎてしまった。”もっと、もっと見つめよ!思考せよ!”と心の中の私が掻き立てるかのように突き刺さり響くものは何?...。
[PR]
by claranomori | 2007-10-30 07:07 | 銀幕の少女たち・少女映画