少女ムシェット(ナディーヌ・ノルティエ:NADINE NORTIER) ロベール・ブレッソン監督
2007年 10月 20日
またしても悲惨な少女が主役の作品について綴っている。この映画が好きなので仕方が無い。台詞もあまりなく、モノクロームな映像。響くは音楽や音。ブレッソン監督はこの少女ムシェット(このお名前からして、虫けらのような扱いであることが伝わる)に全く同情の余地すら表わしてはいない(画面では)。その徹底した姿勢がヒリヒリと最後の衝撃的な死まで私を捉えて離さない。酷すぎる。救いのない14歳の少女の死は殉職者であるというのだろうか。カトリック的な教えや習慣のある方々にはもっと伝わるものがあり、または違う見方ができるのかもしれない。でも、映画の魅力は言語も国籍も風習も超え、多くはなくても胸に刺さる者は世界中にいる。この作品をブレッソンの一番好きな作品だと仰る方も多い。私は一番は『抵抗』(最初の衝撃だったからかもしれない)だけれど、観れた作品たち、どれも好きなので好きな監督のおひとりだと思う。下のバンピング・カーで遊ぶ場面が忘れられない。
少女ムシェット/Mouchette
1967年・フランス映画
監督:ロベール・ブレッソン 製作:アナトール・ドーマン 原作:ジョルジュ・ベルナノス 撮影:ギスラン・クロケ 音楽:クラウディオ・モンテヴェルディ、ジャン・ウィエネル 出演:ナディーヌ・ノルティエ、ポール・エベール、マリア・カルディナール、ジャン=クロード・ギルベール、ジャン・ヴィムネ
『少女ムシェット』 監督:ロベール・ブレッソン 1967年 原作:ジョルジュ・ベルナノス★ 再び