『真珠の耳飾りの少女』 少女グリート(フリート) 原作:トレイシー・シュヴァリエ
2007年 10月 19日
白水社から出版されているトレイシー・シュヴァリエの小説を映画化した『真珠の耳飾りの少女』の公開も記憶に新しい。通常『青いターバンの少女(娘)』とも呼ばれているヨハネス・フェルメールの代表作のひとつ。この映画は実話ではないけれど、謎に包まれたフェルメールの姿をコリン・ファースが好演していて好きなもの。そして、この絵のモデルとなったと原作にある少女グリート(フリート)のスカーレット・ヨハンソンも適役のように思う。貧しい家庭の少女は奉公先のご主人(フェルメール)に色彩感覚の才能を見初められ、誰も彼のアトリエには入れないのだけれど、いつしかモデルにまでなった。平和な家庭のフェルメール家が徐々に崩壊してゆく。妻の嫉妬を買うのも当然で、この少女グリートにはやや小悪魔的なものが見える。彼女には結婚しようとしていた恋人ピーター(キリアン・マーフィがまた良い!)がいるのだけれど、彼は肉屋の息子で芸術に触れる喜びと主人のフェルメールに寄せる恋心を優先する。美術や衣装デザインも素晴らしく美しい♪下の『真珠を量る女』は原作には出てこないものだったと思いますが、色合いや全体の雰囲気(陰影と光)がとても好きな一枚なので載せてみました☆
「 旦那様の目がただ私だけを見つめられるこうした時間が、週のうちでもわたしは何にもまして好きだった。 」
真珠の耳飾りの少女/GIRL WITH A PEARL EARRING
2003年・イギリス/ルクセンブルグ合作映画
監督:ピーター・ウェーバー 原作:トレイシー・シュヴァリエ 脚本:オリヴィア・ヘトリード 撮影:エドゥアルド・セラ 美術:ベン・ヴァン・オズ 音楽:アレクサンドル・デプラ 出演:スカーレット・ヨハンソン、、コリン・ファース、トム・ウィルキンソン、キリアン・マーフィ、エシー・デイヴィス