★ダイアン・アーバス(Diane Arbus:1923~1971)はニューヨークの裕福な家庭に生まれ、18歳でアラン・アーバスと結婚。その頃から写真に興味を抱き始め、父親の依頼によりふたりでデパートの広告写真のため、共同でファッション写真を撮り始める。1955年から1957年にかけて、ダイアン・アーバスはリゼット・モデルに師事し(この影響は大きいように思う)、次第に性倒錯者、双子、小人、施設に収容されている人たちのドキュメンタリー写真に没頭するようになる。1971年48歳での自殺まで、多くの作品を残し彼女のいない今日もなお、それらの影響と論議は続いている。社会的に認められるかどうかの境界線で生きている人々を、臆せず真正面から撮影した彼女の写真が訴えかけてくるものは何だろう!!アランと離婚後も、彼らと共同生活をし撮り続けていた。彼女が異端、フリークス、精神障害者、ツイン、トリプル...と対立を生むであろう作品を多数残しこの世を自ら去って行った。被写体の少女が1人、2人、3人と複数になる中で生まれる歪んだ空間は何だろう...ダイアン・アーバスが没頭してゆく過程の中、世間で”フリークス写真家”と呼ばれる(称賛の声と共に)中、彼女の心は何を求めていたのだろう。ミステリアスでとても深い心の葛藤を感じる。10年足らずの活動ながら、今日も論争を生みながらも紛れもなく「”写真が意味するもの”の再構築に大きな影響を及ぼした。」お方!(写真集は全て死後刊行)。最も有名であろう上の『一卵性双生児 1967年』は、かのスタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』(ジャック・ニコルソンの怪演、シェリー・デュヴァルの絶叫!恐怖の名作)の中でも引用されていた。
毛皮のエロス~ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト~ 2006年・アメリカ映画
★ダイアン・アーバスの伝記『炎のごとく 写真家ダイアン・アーバス』を基に、スティーブン・シャインバーグ監督が映画化したもの。出演はニコール・キッドマン、ロバート・ダウニー・Jr、タイ・バーレル、ハリス・ユーリン他。