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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『アンネの童話集』アンネ・フランク

『アンネの童話集』アンネ・フランク_b0106921_7572080.jpg★まだ小学生の低学年の頃の私。読むご本というと少女漫画ばかり。読書好きな母は、そんな私を叱りもしないで優しかった。でも、もう少し違うものも読んだ方が良いと思っていたのだろう。毎月一冊(中学生になるまで定期化された)自動的に届けられる世界の偉人たちの伝記ものや童話たち。小さな時は大きな字で絵も入っていた。でも、実は読んでいないものもあったけれど。そして、その頃から好き嫌いがあった。気に入ったものは何度も読んだり眺めたりする。そんな頃から強い印象を持ち続けている人物が何人かいる。このアンネ・フランクもそのお一人。幼い私は”ユダヤ”という言葉を覚えた。でも、どういう人々なのか?何故、捕らえられたり逃げたりしないといけないのかは分からないでいた。でも、今だと年月が経ち少しは色んなものから知る事が出来、そして、終戦の足音が聞こえる中、15歳で死んでしまった少女アンネ・フランク(アンネリース・マリー・フランク)のことを時折考える。そう、”愛惜”という言葉に近い気持ちのように思う。


『アンネの童話集』アンネ・フランク_b0106921_7581740.jpg今も世界中で愛読されている『アンネの日記』。色んな国のお方達が今も研究しているもの。1942年から1944年の2年間。美しいお家に住む裕福なフランク一家は、ナチス・ドイツによるユダヤ人狩りが進む中、ドイツからオランダに移り隠れ家で過ごすことになる。私の気持ちは、”何故?”。今も綴りながら思う。その後、遂に家族は離れ離れに各強制収容所へ移される。アンネは姉のマルゴー(マルゴット・ベッティ・フランク)と一緒にベルゲン・ベルゼン収容所で1945年に亡くなった。当時大流行していたというチフスによる死因だけれど、殺されてしまったのだ。息絶えた妻や娘たち、一人だけ生き残ることができたオットー・フランク。彼が解放後、隠れ家に戻りアンネの日記帳を見つける。そして、父が娘の書いたものを当時は私家版として僅かだろうけれど発行された。それから60年以上経った今も、世界中の人々が読み続けている。作家になることを夢見ていたアンネ。隠れ家のアンネのお部屋の出入り口は本棚で塞がれていた。大好きなご本たちが彼女を守っていたかの様に思う。この『アンネの童話集』には私の好きな妖精のお話もある。そして、アンネが隠れ家生活の重圧から、憂さから逃れたいという消極から書かれたものではなく、仲良く遊んでいたお友達と遊べなくなり、でも希望を絶やさず心の中を筆で記したものなのだと、大切にしているもの。それにしても、アンネの残されたお写真には何と笑顔が多いことか...。どんなに寂しく恐怖が彼らを襲っただろう。でも、アンネはキティという分身のような心の中の友人たちとお話をする。この清らかで尊い心。それが残された笑顔に感じられる。アンネ・フランクが好き。彼女を思う時に、美少女だとかロリィタとか、そんな言葉は忘れてしまう。


by claranomori | 2006-09-16 07:47 | 本の中の少女たち・少年たち