『夜と霧』 アラン・レネ監督映画 と フランクル教授の手記
2012年 10月 24日
- ジャン・ケロール -
★『夜と霧』という映像を観たのは偶然テレビでだった。これほどのドキュメンタリー映画の衝撃は、その後もいまだに私にはない。アラン・レネの要望で実際に収容所に収容された体験のある作家ジャン・ケロールによって、この危険を伴う作業は進められたという。このアウシュビッツの生々しい映像ドキュメンタリーを初めて観た時から随分時が経つけれど、今も甦るのは凄まじい恐怖の歴史と哀しく美しいミシェル・ブーケのこのナレーションの印象。戦争の恐怖、人が人を虐殺するという残虐な殺戮、けれど逃れることの出来ない時代の大きな渦の中に巻き込まれる歴史に是非はないようにも思います。私はホロコースト映画をも見逃すわけにはゆかないのです、なぜだか。これもまた人間の姿であるという悲劇。ナチス・ドイツの姿は何も遥か彼方の歴史ではない。そして、隣国の一党独裁体制下の中国共産党の侵略は、今もなお続いています。日本もその標的であることの脅威...!
1955年・フランス映画
監督:アラン・レネ 製作:アナトール・ドーマン
原作・脚本:ジャン・ケロール
撮影:ギスラン・クロケ、サッシャ・ヴィエルニ
音楽:ハンス・アイスラー ナレーション:ミシェル・ブーケ
引用: 野上弥生子 『夜と霧』 書評 より
『夜と霧』 1997年新装版 著:V.E.フランクル 訳:霜山徳爾