ラファエル前派とは、今日的意義という点に於いてますます興味深い絵画運動であると想っています☆
2012年 08月 08日
★ロンドン・オリンピックもいよいよ終盤となりました。四年に一度のオリンピックがやはり好きなので睡眠不足が続いております。昨年より今年の夏はさらに猛暑でもあり熱中症寸前の日もありましたが、どうにか過ごしております。ロンドンは好きな世界都市の一つなので、今日は英国の美のことを。私は英国というとどうしても19世紀末のラファエル前派が欠かせない程大好きです。もっとも美術館や画廊巡りをしたのは80年代なのですが、ラファエル前派関連の展覧会にも幾度か行きましたことも懐かしい想い出として残っています。
ラファエル前派とは、イタリア・ルネッサンスの巨匠ラファエロ以前の自然に忠実な絵画精神を目指し、1848年に結成された絵画運動で、形骸化しつつあったイギリス画壇に大きな影響を与える。同派は1860年代以降、新たな開花を遂げ、ロセッティやバーン=ジョーンズ等の傑作はヨーロッパのみならず、遠くわが国日本の明治浪漫主義の芸術家にも多大な影響を及ぼすことになる。とりわけ後期を中心とするラファエル前派は、世紀末美術の源泉としてその意義が重視される、20世紀末に10代であった私の心と40代の今の心は変わらないものもあれば、今日的意義という点に於いてますます興味深い絵画運動であると想っています。
知人が私を「文化保守的タイプ」とおっしゃった。政治的、経済的なことは疎くもっと勉強したいと想っていますが、文化や伝統を保守することは右左、イデオロギー云々以前に、いつしか私の中でごく自然なことのように思えるのです。けれど、古ければ全て良し、とも思わない。そして新しいことが全て良いとも。人それぞれの感性は異なり、時代も変動する中で、やはり守るべきものは国柄ということではないでしょうか。この19世紀の英国の絵画運動は正しく英国という古い歴史と伝統を持つお国としての保守運動であったとも想います。そして、この混迷する混沌化する日本に於いて、私は日本人として守るべきものは「日本の美」であり「日本人の美徳」であると想います。難しいことは分かりませんが、芸術も政治も切り離すことは出来はしないという中で、私の心が求めるものへ、ただ素直に赴き、時に闇をも見据えなければならなくとも対峙する中で得られる尊いもの、それが精神的な崇高なる美に繋がると想いますので、これからも向かい合い、我流の異端であれど私らしく生きてゆきたいと想います♪