あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『タクシー・ドライバー』 少女子役時代のジョディ・フォスターと神憑り的凄さのロバート・デ・ニーロ!

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★マーティン・スコセッシ監督の『タクシー・ドライバー』を最初に観たのはテレビで多感な頃。何度か観ているのだけれど、何かがこの作品に対して残ったまま今日に至ってる気がしてならない。去年も再見し、今年も。年月が経過する中で病めるアメリカ、世界の大都市ニューヨークで生きる人々、街の光と影。時代への叛逆、若者の孤独と混沌としたものが不気味に胸に突き刺さるばかり。この頃のロバート・デ・ニーロの蒼白な顔つきは好きだけれど、ここでのトラヴィス役は何だろう...凄まじい。70年代のアメリカ、アメリカン・ニューシネマの名作に違いないのだろう。マーティン・スコセッシ監督はカンヌでパルムドール受賞作品ながら、本国アカデミーは候補に挙がりながら受賞を逃した。バーナード・ハーマンの珠玉のスコアも素晴らしいけれど、脚本のポール・シュレイダーは主人公トラヴィスに当時のご自分の内面を映し描いたという。またスコセッシ監督もその脚本に共鳴し、ロバート・デ・ニーロはトラヴィスを神憑り的凄さで壮絶なまでに演じきった。
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そのトラヴィスが恋心を抱く美しい女性ベッツィー役は前述のシビル・シェパード、街に立つ娼婦アイリス役は撮影当時12歳~13歳の少女子役時代のジョディ・フォスター。お若いハーヴェイ・カイテルは壮絶な最期を迎えるスポーツ役。スコセッシ監督もちょこっとタクシーのお客さん役として登場する。凄く豪華な脇役たちであると再確認、そしてやはりデ・ニーロは凄い。
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私はこの映画が好きか?と問われたなら、今もまだ答えられない。でも、この恐怖感は今を生きる私達にとてもリアルな感覚も持ち合わせているように思う。30年以上前の作品なのに。一見、英雄のように映るトラヴィス。そこが怖いと思うし、今日的な気がする。華やかな街のざわめきを照らすネオン。タクシーで徘徊しながらトラヴィスは不浄な世界が目に付き苛立ちと持って行き場の無い怒りと孤独が募る。ベトナム戦争から帰って来たというのも要因だろう。恋も実らず、ますますやるせない気持ちが狂気を伴っていく様から終盤へ...壮絶だ。見事過ぎて怖い!

この映画の公開後、ジョディ・フォスターは、あるジョディの熱狂的なファンによるレーガン大統領が襲われるという事件が起こり大きなショックを受ける。演技者として優れた才能は映画を離れても予期せぬ形で影響を与えてゆく。現実と妄想の境目が不安定になるというお方も多い。幸い、どうにか私は映画が大好きで感情移入し過ぎて時に暫く境界を彷徨う一瞬がある。それが魅力だとも思っているし、映画は最良の娯楽だと思っているので、美しい風景の中にいつまでもいたいと願う作品に感銘を受けても、また現実に戻ることができる。多くの映画好きなお方はそうだろうし、もっと細かい分析をされたり、かなり精神的な衝撃を受け深い思考に陥ることもあるだろう。何が言いたいのだろう...よく自分でも分からないけれど、デ・ニーロは優れた名優だけれど役柄のトラヴィスではない。そして、トラヴィスは結果的にアイリスを救ったけれど彼女のためという英雄劇ではなく、己との葛藤や憤り、都会の孤独や寂寥が痛ましいデス・コミュニケーション。この残像が30年以上経った今もリアルに色褪せないものとして伝わってくるように感じる。でも、少女子役時代のジョディ・フォスターの登場シーンは幾度観てもときめく。現在50代になったジョディ・フォスターは今も大好きで、出演作品を追うことはまだ続けています。
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タクシー・ドライバー/TAXI DRIVER
1976年・アメリカ映画
監督:マーティン・スコセッシ
製作:マイケル・フィリップス、ジュリア・フィリップス 脚本:ポール・シュレイダー
撮影:マイケル・チャップマン 特殊メイク:ディック・スミス 音楽:バーナード・ハーマン
出演:ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ジョディ・フォスター、ハーヴェイ・カイテル、
ピーター・ボイル、アルバート・ブルックス、ジョー・スピネル、ダイアン・アボット、
ヴィック・アルゴ、レオナルド・ハリス、マーティン・スコセッシ

※2007年に綴ったものに画像と少し追記いたしました♪

少数派ブログながら参加してみました♪
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by claranomori | 2012-03-09 18:25 | 銀幕の少女たち・少女映画