『すべての子供たちに』 詩:ボリス・ヴィアン 訳・解説:永瀧達治 ★ ジョーン・バエズの歌で♪
2012年 02月 29日
四月の霧たちこめた朝に
背嚢を背にして発った、すべての子供たちに
私は記念碑を作りたい
苦悩に満ちた眼差しを下げ
背嚢を背にして泣いた、すべての子供たちに
私は記念碑を作りたい
引用: 詩:ボリス・ヴィアン 訳詩:永瀧達治
★好きである故になかなか想いが書けない、纏まらないことも多い。このボリス・ヴィアンについても然り。けれど、少しずつ書いてみよう。フランスという国は諸外国の中でもやはり一等好き。理由は色々あるけれど、映画とシャンソンやフレンチ・ポップスに少女の頃から親しんで来たからだろうと想う。ボリス・ヴィアンはシャンソン作家、歌手、トランペット奏者、作家、俳優...と数多くの肩書がある(当のご本人はそんなものに執着はなかっただろうが)。フランス現代文学史にも名を残すお方であることは間違いないけれど、インテリならではの遊び心というのか、風刺や揶揄、虚構の態を取って表現するので、迂闊にはゆかない面白さがある。その系譜はセルジュ・ゲンスブールへと踏襲されて行ったようにも想う。
ボリス・ヴィアンに関する書物や訳詩、解説などは永瀧達治氏のものに親しんでいる。私の場合、ボリス・ヴィアンに限らず、フランスの音楽というと永瀧達治氏の影響はとても大きい。後に色々とお世話になってゆく事等は想像すらしてはいなかったけれど。以下の永瀧達治氏の言葉はとても心に残っている言葉で、今の私にとって重要な言葉でもあるようなのです。『すべての子供たちに』は色々な歌手の方々が歌っていますが、ジョーン・バエズもフランス語で歌っている素晴らしいものがありますので聴いてみてください。
行き着くところまで来た感のある日本の嘘の「豊かさ」と嘘の「民主主義」の中で、ボリス・ヴィアンの精神は現代の若者たちには理解されにくいものでありながら、だからこそ、彼らが待ち望んでいる「あるきっかけ」なのではないかと考えるのは単なるファンのはかない期待なのであろうか。
永瀧達治
●ジョーン・バエズが『すべての子供たちに』をフランス語で歌っています♪
★上記の言葉は、日本の嘘の「豊かさ」と嘘の「民主主義」という中でぬくぬく生きて来た私の心を打つのです。憂国への道は先輩方はとっくに感じていた。母子がこの経済大国日本の中で餓死してゆく。何が豊かさだろう。新自由主義なるアメリカに依存するような属国的な日本はいつ脱却できるのだろう。戦後レジームからの脱却はいったい。間もなく東日本大震災から一年になる。TPPだってすべてアメリカ主導ではないですか。その点、中国の態度の方がずっと真面に想えた。一部の投資家や企業のお金持ちの方々は良いようですが、一般庶民、就職も見つからない若者たち、子供たちのことを考えたら、先ず、日本の国内優先であるべきなのは私にだって分かる。フランスという国は戦勝国ながら長い間ナチス・ドイツの占領下であった時代がある。その時代は様々なフランス映画の中で描かれ続けている。日本は敗戦国となりGHQの占領下に置かれた時代。そんな時代があったことを知らない人も多いけれど、当時を知らない私ながら、やはり腑に落ちない。もういい加減よいのではないだろうか。日本が日本であるために日本として真の自立をしても。1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約により日本が主権回復した日から60年を迎える今年がその年になればと願います。