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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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「子どもたちに生きよう」 ★ 『小さな園丁』 著:フリードリッヒ・フレーベル 『人間の教育』(1826年)

「子どもたちに生きよう」 ★ 『小さな園丁』 著:フリードリッヒ・フレーベル 『人間の教育』(1826年)_b0106921_9194561.jpg
★フリードリヒ・フレーベル(Friedrich Fröbel:1782年4月21日~1852年6月21日)はドイツの教育者。幼稚園の創設者であり、生涯子供たちの教育に生きたお方。上の画は『小さな園丁』と題された、フレーベルの代表的な著作である『人間の教育』(1826年)の中の挿絵です。この絵が示唆するように、命を労わる心を育てるためにフレーベルは庭の教育的意味を重視した。ドイツ・ロマン主義的な観点からの思想でもあるとされる。フレーベルの「幼稚園」(Kindergarten)を特徴づける第一の教育原理は「庭」(garten)の原理であるという。

庭でさまざまな植物が―理性的で因果関係に明るい園丁の世話によって―それぞれのやり方で完成に向って、その本質にあった多様な方向に発達するように、同じ方法で、人間、少なくとも幼児は、彼の内的、根源的な本質に忠実に、そして同一の根源をもつ自然および生命と調和して・・・・・発達、教育、形成される。

引用: 著:フリードリヒ・フレーベル 幼稚園の教育原理 『人間の教育』 より

フレーベルのここで云う「庭」とは人工的な箱庭ではなく、力強い生命に溢れた雄大な自然そのものであり、「庭」は幼稚園の象徴であるばかりでなく、現実の欠かせぬ教育環境をも構成している。フレーベルはこの『人間の教育』に於いて、「子どもたちに生きよう」と親たちに語りかける。イエスの言葉である「天国は幼な子らのものである」や「幼な子のようになれ」を愛用し様々な意味が込められているが、とりわけ「子どもたちに生きよう」という言葉によって、フレーベルは「子供たちと一緒に生活しよう」あるいは、「子供たちから学ぼう」ということを強調している。この「子どもたちに生きよう」というフレーベルの言葉は19世紀のものながら、今日でもまったく古くはない言葉だと想います。私はただ幼い子供たちや少年少女たちを愛おしく想うがゆえに、どういう訳か教育者でもないのにフレーベルの難解な御本を読むことになった。そして、教育者として生きたフレーベルの思想に、私の大好きなロマン主義文学との関係も深いこともあり、美学思想にまで及びそうですし、さらに児童文学の世界にも繋がるのでとても興味深い御本であります。絵本や児童文学の良書を多数発行されている日本の出版社「フレーベル館」はこのフリードリヒ・フレーベルから名付けられた社名なのも納得です。
by claranomori | 2012-02-27 09:16 | 詩人・作家・画家・芸術家