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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『恋に生きた女ピアフ』 監督:クロード・ルルーシュ 音楽:フランシス・レイ、シャルル・アズナヴール

『恋に生きた女ピアフ』 監督:クロード・ルルーシュ 音楽:フランシス・レイ、シャルル・アズナヴール_b0106921_15584846.jpg
★世紀のシャントゥーズ!ジャン・コクトーはエディット・ピアフの声を「芸術だ」と絶賛し、運命的とも言えるピアフの訃報を聞き同じ日に他界してしまったという。そんな「エディット・ピアフ」という存在はいつまでも私には大き過ぎる...。

この映画はエディット・ピアフとマルセル・セルダンの友情を越えた深い絆で結ばれた愛の時間を描いたもの。2時間40分に及ぶものだけれど、時間が足らない位なのかもしれない。名曲「愛の讃歌」はピアフが書いた壮絶な尊い愛のシャンソンだという事を知ったのは、美輪明宏様のお歌の会に行くようになってから。そんな事を知った上で観たのでなおさら感動的だった。監督はクロード・ルルーシュ。音楽はフランシス・レイとシャルル・アズナヴール(共に出演されている)。

劇中、ピアフを取り巻くブレーンのお一人の中にジャン=クロード・ブリアリも居て嬉しかった。国民的歌手であるピアフと、国民的英雄ボクサーの二人の愛。セルダンは事故で命を失ってしまう...当時を知る方々にとって、この悲劇がどれだけの人々の心をも哀しみに包んだだろうか!作り話でもなく実話なのだから。ピアフはその後、アルコールやドラッグ、自殺未遂...と身体がボロボロになってもあの小さな身体で最期まで歌った。歌う事が宿命の様なお方だったのだろう。ピアフの人生を描くには時間が足らない。でも、二人の関係、セルダンの死までを映画にしたルルーシュの眼差しには、とても尊敬と優しさのようなものが感じられるのだった。親交の深かったシャルル・アズナヴールは全編を通して登場している。

エディット・ピアフというお方は与える事を惜しまないお方だったという。愛した人、友人達に惜しみなく...そんな人だから、愛されたのだろうし、愛した男達は道が開けて行った。素敵な女性だと思う。最後の方で「あなたと共に」と繰り返される歌声を聴きながら涙に溢れていた。

セルダン役はセルダンの実際の息子さん(マルセル・セルダンJr)が演じていた。そんな配役やシャルル・デュモンの曲なども含め、クロード・ルルーシュのピアフを讃える、それも押しつけがましくない描き方で粋に思えた。ピアフ役のエヴリーヌ・ブイックスは、少しパトリシア・カースの美しさを想起させるお方だ。ルルーシュ作品にはよく出ているお方でもある(一度ご結婚されており、お二人の間には娘さんのサロメ・ルルーシュがいる)。

恋に生きた女ピアフ/EDITH ET MARCEL
1983年・フランス映画 
監督:クロード・ルルーシュ 
脚本:シルビー・ケークライン 撮影:ジャン・ボフェティ 
音楽:フランシス・レイ、シャルル・アズナヴール 
出演:エヴリーヌ・ブイックス、マルセル・セルダンJr、ジャン=クロード・ブリアリ、シャルル・アズナヴール、ジャック・ヴィユレ(ジャック・ヴィルレ)

by claranomori | 2005-01-27 15:54 | キネマの夢・シネマ万華鏡