『赤と青のブルース』 監督:マルセル・ムーシー 主演:マリー・ラフォレ & ジャック・イジュラン 1960年
2011年 12月 28日
『太陽がいっぱい』で映画デビューのマリー・ラフォレの第二作目となるもので、あのマルジュよりも髪型はショートで劇中、タイトル曲の『赤と青のブルース』と『タンブルウィード』の2曲を歌っています。イジュランとの『赤と青のブルース』を歌う姿がやはり強烈に焼きついています。原題は『サン・トロペ・ブルース』で、イジュラン扮するジャン・ポールが経営することになるクラブの店名でもあります。マリー・ラフォレを観る映画とも云えるコミカルな青春ロマンス作品ですが、イジュランの身のこなしはやはりただ者ではないと再確認できます。音感、リズム感の良さが動きによく表れています。けれど、ジャック・イジュランとしてスターになるのは1980年代に入るまで待たねばならなかったのですが。
劇中、ちょこっとクロード・シャブロル監督が登場されます。ヌーヴェル・ヴァーグ繋がりの友情出演という感じでしょうか。この『赤と青のブルース』の監督であるマルセル・ムーシーは、フランソワ・トリュフォー監督の1959年名作『大人は判ってくれない』を共同脚本していたお方。ステファーヌ・オードランも出演されています。おそらくこの当時、クロード・シャブロル監督の奥様であったと想います。『タンブルウィード』の作詞はジャック・プレヴェールで、邦題は「風まかせ」という曲です。南仏で過ごす若者たちのヴァカンス、アンリ・クロラとアンドレ・オディールによる楽曲たちもこの時代の空気を伝えるジャズ・ナンバーで素敵です♪
1960年・フランス映画
監督・脚本:マルセル・ムーシー
製作:ジュール・ボルコン
撮影:ピエール・ロム
音楽:アンリ・クロラ、アンドレ・オディール
主題歌:マリー・ラフォレ 『赤と青のブルース』
出演:マリー・ラフォレ、ジャック・イジュラン、ピエール・ミカエル、
ファウスト・トッツィ、モニーク・ジュス、
ステファーヌ・オードラン、クロード・シャブロル
【あらすじ】 両親も避暑に出かけてしまい一人パリのアパートに残って試験勉強をしているアンヌ・マリー(マリー・ラフォレ)のところに、ジャン・ポール(ジャック・イジュラン)がドライヴのさそいにやって来た。勉強にもぼつぼつ飽きていたアンヌ・マリーは喜んで南仏サン・トロペへのドライヴに出発する。避暑客でにぎわうサン・トロペでアンヌ・マリーはジャン・ポールの紹介で愉快なグループと親しくなった。若い彼等とアンヌ・マリーはダンスにヨットにと楽しい時を過すのだった。ある夜、ジャン・ポールの発案で屋外パーティがひらかれた。モダンジャズとアルコールの興奮に、若い男女は次々に海に飛び込んでいった。アンヌ・マリーの大胆なビキニ姿の写真が土地の新聞のスキャンダル・ページをかざったのはその翌朝のことである。グループの一員になっていたジャック(ピエール・ミシェル)という青年にひかれてデイトを楽しんでいたアンヌ・マリーは、両親からの長距離電話でそのことを知った。おどろいた彼女はパリに連れて帰ってもらおうとジャン・ポールの姿をさがす。やっと近所の洞穴に壁画の制作にうち込むジャン・ポールを見つけた彼女に、ジャン・ポールの言葉はつめたかった。ジャックへの嫉妬が彼をそうさせたのだ。壁画の女はまがうことなきアンヌ・マリーであった。あきらめたアンヌ・マリーはパリまでの車を仲間に頼む。美しいアンヌ・マリーの頼みは二つ返事だ。だが彼女の心は晴れなかった。その時かけつけたジャン・ポールの唇から彼女に対する愛の言葉がささやかれた。今はジャン・ポールを愛していると知ったアンヌ・マリーは彼の胸にとび込んだのだった。 (参照:goo映画より)