あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『黒衣の花嫁』 監督:フランソワ・トリュフォー 主演:ジャンヌ・モロー 原作:コーネル・ウールリッチ

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★ジャンヌ・モロー!この今もなお現役の大女優。好きな作品は数知れず。その中から先ず、初めて観た作品を取り上げようと思う。これもテレビで放映されたのが最初。同じ頃、『雨のエトランゼ』もテレビで。なので、長年その2作がごちゃ混ぜになっていた程の衝撃作だった、どちらも。それから年月が経ち自分でもこの『黒衣の花嫁』のビデオを購入する事が出来、今までに幾度となく観ている。やっぱり好きなのだ。

『突然炎のごとく』のカトリーヌの笑顔も好きだけれど、ビリー・ホリディのレコードを持つ『エヴァの匂い』のエヴァ、そして、この『黒衣の花嫁』のジュリーも好き。魔性の女を演じる方が好きだとも言える。あの強い視線に圧倒され引き込まれていくのだ。これぞ!映画の魔力なり。

『黒衣の花嫁』はフランソワ・トリュフォー監督の長篇第6作目で、コーネル・ウールリッチの原作をトリュフォーとジャン・ルイ・リシャールが脚色したもの。ウールリッチはアメリカの推理作家ウィリアム・アイリッシュの別名でもある。トリュフォー作品の中でも極めて珍しい殺人劇、それも華麗なる映像で描かれていて、そして、ヒッチコックの影響を随所に感じさせる、やっぱりこよなく映画を愛する映画人、トリュフォー万歳!という感じ。ラウール・クタール(ヌーヴェル・ヴァーグを代表する!)のカメラワークと共に、この絶妙なテンポを刻む音楽担当はバーナード・ハーマン(ヒッチコック映画を数多く手掛けている)。

さて、この結婚式の日に愛する夫を殺されてしまった花嫁ジュリー。その復讐の為に華麗なる殺人を計画し、次々と実行していく。何故?私はこの作品が初めてのジャンヌ・モロー出演体験作でトリュフォー作品なのだろうか?とも思うけれど、ドキドキしながらブラウン管に釘付けとなったのだ。そして、脳裏に焼き付いたのだから仕方がない。画家のフェルギュスが描いた理想の女性像はジュリーに瓜二つ。そのベッドに横たわる女性像、狩猟の女神、ディアナと化して現前する辺りは特にゾクゾクするシーンだ。クールで鮮やかな身のこなし、ピエール・カルダンの黒と白のみのモローの衣装の鮮やかさ。

この作品はジャンヌ・モロー主演作で一等好きなものではない。トリュフォー作品としても。でも、最初の出会い。それもとてもスリリングな感覚を強く受けたものとして。ジャンヌ・モローもやはり、このジュリーの様に情念の女を演じたものが好き。またそれらについても綴るのだと思う。そして、歌うジャンヌ・モローも同様にとても好きなのだ。決して上手い訳ではないけれど、イイ雰囲気♪を漂わせている。恋多き女性と言われ、人生に恋をしながら生きてきたというこの大女優さま。今年76歳!端役となっても今なお凛!とした存在感で現役だ。親交の深かったマルグリット・デュラス役を演じた『デュラス 愛の最終章』も記憶に新しい。嗚呼!「インディア・ソング」が頭の中で流れ出す様だ。これまた大好きな曲!
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わたし 栄光なんか信じないわ
そんなものは関係ない
幼かったとき
わたしはただひとつのメロディー
ひとつの詩編
<芸術>のなかの一存在でありたかったの
わたしは女優
それは 詩のなかのどこかに存在する
仕方なんじゃなくて?
         
by ジャンヌ・モロー

今回は古い本に記されたモローの詩で終えよう・・・この詩そのもの!
なんて素晴らしいのでしょう☆

黒衣の花嫁/LA MARIEE ETAIT EN NOIR
1968年・フランス/イタリア合作映画
監督:フランソワ・トリュフォー 原作:コーネル・ウールリッチ
脚本:フランソワ・トリュフォー、ジャン=ルイ・リシャール
撮影:ラウール・クタール 音楽:バーナード・ハーマン
出演:ジャンヌ・モロー、ジャン=クロード・ブリアリ、ミシェル・ブーケ、クロード・リッシュ、シャルル・デネ、ミシェル・ロンズデール、ダニエラ・ブーランジェ、アレクサンドラ・スチュワルト

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by claranomori | 2004-08-08 20:59 | 文学と映画★文芸・史劇