『月光公園』 文:宙野素子 絵:東逸子★天使のような少年と月の中の少女ティコ♪
2011年 05月 24日
文は宙野素子、絵は東逸子の両氏によるファンタジー『月光公園』の中に登場する男の子と女の子。月光公園への切符を首にかけて綺麗な少年は天使のよう。その公園の中には「月の光植物園」という場所やメリーゴーランドも。まわるまわるメリーゴーランド。私もメリーゴーランド大好き。少年の髪を風が走りぬけ、まるで飛んでいるように感じている。さらさらさら・・・と聞こえる音は風じゃない。少年ははっと息をのみ広場の砂や小石が動くを見た。「ごとん」と音がして、メリーゴーランドはゆっくり止まった。少年が空を見上げると お月さま!月が降りてくる。月が地面とふれあい、光の中で小さな影が動く。・・・それは少女だった。少女がブランコをしている。月の中の少女はティコ。
少女の影が、波のようにゆれる。後ろにおおきくゆれるたびに、少女のからだは月に溶ける。月は、少女が溶けこむごとに、うっとり欠けていく。
少女が少年に手を差しだし、少女がぐいっと引く。ふわっと浮き上がった少年を柔らかな月が包む。少年に聞こえてくる小さな声、何度も何度も繰り返す声、すぐ近くで囁いているような声、遠くからやって来るような声、優しい声・・・「いつも、あなたを、見てる」「いつも、あなたを、見てる・・・」と。その声を聞くうちにだんだん眠くなりいつの間にか少年は眠ってしまった。目覚めた少年は切符がないことに気づく。そして空を見上げると、そこには月があった。月は静かに少年を見ているのでした・・・。
★絵本 『月光公園』 文:宙野素子 絵:東逸子
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