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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『点子ちゃんとアントン』監督:カロリーヌ・リンク原作:ケストナー★やっぱり点子ちゃんにはかなわない♪

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★10歳の少女点子ちゃんが大好き!本当の名前はルイーゼ・ポッゲ(ドイツ語原題ではピュンクシェン)という。ミュンヘンで暮らす点子ちゃんの父親(アウグスト・ツィルナー)は医者で母親(ユリアーネ・ケーラー)はボランティア活動に励む多忙な日々を送っている裕福な家庭。エーリッヒ・ケストナーの原作(1931年)ではべルリンで、ポッゲ氏の職業はステッキ工場の経営者ながら、映画化にあたり、監督のカロリーヌ・リンクは1999年に合わせた時代設定に脚色されているのも面白い。この少女点子ちゃん(エレア・ガイスラー)にはアントン・ガスト(マックス・フェルダー)という同い年の男の子のお友だちがいる。アントン少年は母子家庭でその母親(メレット・ベッカー)は病気で入退院を繰り返す生活。けれど、アントンとお母さんはとっても仲良しで、点子ちゃんの内心はそんなアントンが羨ましい。お金持ちの点子ちゃんのようにアントンは暮らせないけれど、母親思いの優しい少年。母親が入院している間もその職場で代わりに働いている。退院してから職が無くなっては困るから。何とも健気なアントン君。

そんなアントン君の家庭の事情を知り、点子ちゃんは両親に相談するのだけれど、お仕事に忙しい両親は聞く耳を持たない。裕福でも親の愛の希薄な少女なのだ。点子ちゃんの話し相手は、養育係であるロランス(シルヴィー・テステュー、原作での名はアンダハト)、家政婦のベルタおばさん(グードルーン・オクラス)、そして愛犬のピーフケぐらいである。点子ちゃんはアントン君のお母さんを療養させてあげたい気持ちでいっぱい。両親は無関心で相手にならないので自ら実行することに!閉店後の街で歌を歌ったりしてお金を貯める。結局そのことが両親に知れる。けれど、そこまでアントンを思う友情に心打たれる。また、多忙な毎日で点子ちゃんの両親の仲もあまり良くない。私が点子ちゃんを好きなのは、心の優しさから生まれる勇気を持ち、まっすぐな少女だから。決して男勝りな少女ではないのだけれど、この勇敢さに感動してしまう。そんな点子ちゃんが羨ましいのかもしれない...。泥棒騒ぎでのベルタおばさんの活躍の場面も微笑ましい。そして最後は点子ちゃんと両親の破綻がちな家族の仲も戻り、アントン君と病気のお母さんと5人で出かけることに。その海での笑い合う姿は美しく、点子ちゃんは一人その光景を眺めてしあわせに思うのだった。その時の点子ちゃんの表情が最高に愛らしくてジ~ンとくる!こうして、またちょっぴり少女は成長したのだろうと思う♪
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点子ちゃんとアントン/PUNKTCHEN UND ANTON
1999年・ドイツ映画
監督・脚本:カロリーヌ・リンク 製作:ペーター・ツェンク、ウッシー・ライヒ
原作:エーリッヒ・ケストナー 撮影:トルステン・ブロイアー 
音楽:ニキ・ライザー 出演:エレア・ガイスラー、マックス・フェルダー、ユリアーネ・ケーラー、アウグスト・ツィルナー、メレット・ベッカー、シルヴィー・テステュー、グードルーン・オクラス

by claranomori | 2011-01-19 11:58 | 銀幕の少女たち・少女映画