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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『オリエント急行殺人事件』(1974年)★豪華美麗キャストによる極上ミステリー原作:アガサ・クリスティ

『オリエント急行殺人事件』(1974年)★豪華美麗キャストによる極上ミステリー原作:アガサ・クリスティ_b0106921_2221133.jpg
★1974年(公開は1975年)の超豪華キャストによるアガサ・クリスティ原作の映画化。「オリエント急行」を映画の中で拝見でき、この英国俳優を中心に私の好きな方々が揃っていてそれだけでも堪能できるもの。アガサ・クリスティものというと機会があれば観るようになっている。最初はTV放映で観たのだけれど、まだアガサ・クリスティ女史という推理作家のことも知らない頃だった。『そして誰もいなくなった』か『ナイル殺人事件』、この『オリエント急行殺人事件』のどれもテレビが初見なので最初に観たものがどれだか記憶が曖昧でもある。ミス・マーブル・シリーズやおしどり探偵・シリーズも観ているけれど、このような豪華キャスト・シリーズの映画化はやはり華やかで味わいが違う。他の作品も追々に感想を綴る予定。今のところ、一等好きなのは『ナイル殺人事件』かもしれない。

この映画のことを思い出したのは、2年半程前に綴った『ピクニックatハンギング・ロック』からの連想ゲーム癖によるもの。あの寄宿学校の厳格な学園長を見事なまでに演じておられたレイチェル・ロバーツが忘れがたい。撮影はこちらが先だけれど、公開は同じ年の1975年。レイチェル・ロバーツはこの『オリエント急行殺人事件』の中でロシア貴族に仕えるドイツ人の召使であり、同性愛者という役柄でもある。英国の優れた女優様であったのに1980年に自殺された、その理由は知らないけれど残念である。ミステリーがミステリーを呼び、現実と虚構の狭間で揺れ動く私の頭の中では何故か、こうしてインプットされてしまっている。また、この映画でベルギー人の名探偵エルキュール・ポワロを演じるのはこれまた名優アルバート・フィニであり、レイチェル・ロバーツとは共にお若い頃『土曜の夜と日曜の朝』(アラン・シリトー原作)で共演されていた。こうした名優が揃うと次々と連なるので愉快!

この『オリエント急行殺人事件』で、イングリッド・バーグマンが3度目のオスカーを獲得されている(2度は主演女優賞で今作では助演女優賞を)。そのスピーチも大女優なのに謙虚な素敵なお姿であった(リアルタイムではなく『アカデミー賞特集』の番組にて)。私の友人に熱狂的なミステリー・ファンがいる。その点、私ときたらお気楽な映画好きなので、あまり緻密な分析など出来ないけれど、アガサ・クリスティ御本人がまだ存命中に作られたこの映画は、1930年代という時代を華麗に表現していると思う。お美しい女優陣のお衣装やアクセサリーも見どころ。最後はジーンと切ないものを残し美しい。ジャンルなど関係なく、何か物悲しさを湛えた作風は大好きなのだと想う。

【あらすじ】1930年、ニューヨーク、ロングアイランドに住む大富豪アームストロング家の3歳になる一人娘が誘拐された。20万ドルという巨額の身代金が犯人に支払われたにもかかわらず、幼児は死体となって発見された。悲報のショックで夫人も亡くなり、アームストロング自身もピストル自殺を遂げてしまう。事件後6ヵ月目に犯人が逮捕されたが、莫大な金力とある種の秘密勢力を利用して証拠不十分で釈放されるという結果に終わった。それから5年後の1935年。イスタンブールからパリ経由カレーに向かうアジアとヨーロッパを結ぶ豪華な大陸横断国際列車オリエント急行には様々な国からの乗客が乗っていたが、その中には名探偵エルキュール・ポワロの姿もあった。2日目の深夜、折りからの雪で線路が埋まり列車が立往生している中、ポワロの隣の客室にいたアメリカ人富豪ラチェットが身体中を刃物で刺されて死んでいるのが発見される。鉄道会社からの依頼で事件の究明に乗り出したポワロは、一等寝台の車掌と12人の乗客たちの尋問を開始する…。

オリエント急行殺人事件/MURDER ON THE ORIENT EXPRESS
1974年・イギリス映画
監督:シドニー・ルメット 原作:アガサ・クリスティ 脚本:ポール・デーン 撮影:ジェフリー・アンスワース 音楽:リチャード・ロドニー・ベネット 出演:アルバート・フィニー、イングリッド・バーグマン、ローレン・バコール、ジャクリーン・ビセット、マイケル・ヨーク、アンソニー・パーキンス、ショーン・コネリー、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、リチャード・ウィドマーク、ウェンディ・ヒラー、ジョン・ギールグッド、ジャン=ピエール・カッセル、レイチェル・ロバーツ、コリン・ブレイクリー

by claranomori | 2009-08-27 22:20 | 文学と映画★文芸・史劇