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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『太陽がいっぱい』 監督:ルネ・クレマン 主演:アラン・ドロン (1960年) 原作:パトリシア・ハイスミス

『太陽がいっぱい』 監督:ルネ・クレマン 主演:アラン・ドロン (1960年) 原作:パトリシア・ハイスミス_b0106921_1141893.jpg
★アラン・ドロンの名は永遠だろう。この『太陽がいっぱい』はきっと今後ずっと名画として語り継がれてゆくもののひとつだと思う。これはパトリシア・ハイスミスの原作を、ルネ・クレマンが脚本化し映画化されたもの。好きな名場面の連続で大好き!こんなに幾度も観たくなる映画なのだからかなり好きなのだろう。アラン・ドロンがトム・リプレーを演じるにあたって、ルネ・クレマン監督は原作から部分的に変えていったように思えてならない。当時24歳の美青年、演技だけではなくアラン・ドロンというお方の内から滲み出る背徳の匂い、そのような魅力を監督は察知していたに違いないと。当初はモーリス・ロネがリプレーという設定だったともお聞きする。モーリス・ロネもハンサムで素敵なお方。淀川長治さんは古くからこのリプレーとフィリップの同性愛的な描写について語っておられた。私は最初は貧しい青年の嫉妬心からの完全犯罪を描いたものだと思っていた。でも、何十回も観る映画のひとつなので、今ではちょっとしたふたりの会話やシーンを思い浮かべそのようなニュアンスを感じることもできるようになった。そして、美しい男同士だからこそ描き得た、何とも言えないナルシシズムが香る。カミュの『異邦人』が少し重なったりも。そして、上等のサスペンス・ドラマだけれど青春映画だとも思う。
『太陽がいっぱい』 監督:ルネ・クレマン 主演:アラン・ドロン (1960年) 原作:パトリシア・ハイスミス_b0106921_11413164.jpg
モーリス・ロネ、アラン・ドロン、マリー・ラフォレという美しいこの組み合わせも完璧!少しずつ実年齢が離れていてそれぞれの魅力がどのシーンにも見られる。青い海と空、そして太陽。終盤の破綻の訪れ寸前の海辺のリプレー。”太陽がいっぱいだ。”と語る。マルジェの手にキスをする時のあの陰鬱な野心に満ちた眼差しのインパクト!同じ1960年にルキノ・ヴィスコンティ監督は『若者のすべて』で心優しい青年役としてこれまた哀しくも美しくアラン・ドロンの眼を捉えている。でも、全く違う。船上での3人のやり取りも複雑なお互いの心理描写でドキドキする。そして、忘れてはならない!この映画が完璧だと思うのは撮影がアンリ・ドカエ。そして、あの哀愁を帯びた旋律の名曲はニーノ・ロータ。嗚呼、見事な揃い組み。両親の洗脳ゆえに小学生の時から”アラン・ドロン好き~♪”と言っていた私はいつの間にかアラン・ドロンのファンに自らなってゆき、今も毎年アラン・ドロン大会をしてしまう。モーリス・ロネも素晴らしいお方なのでもう少し長生きして頂きたかった。マリー・ラフォレは歌う女優さまのおひとりでもあり、レコードも色々持っている。60年代から70年代頃のそれらのジャケットを時折眺めるために並べてみたりする。とっても美しいお方でうっとり☆
『太陽がいっぱい』 監督:ルネ・クレマン 主演:アラン・ドロン (1960年) 原作:パトリシア・ハイスミス_b0106921_11412152.jpg
太陽がいっぱい/PLEIN SOLEIL
1960年・フランス/イタリア合作映画
監督:ルネ・クレマン 製作:ロベール・アキム、レイモン・アキム原作:パトリシア・ハイスミス 脚本:ポール・ジェゴフ、ルネ・クレマン 
撮影:アンリ・ドカエ 音楽:ニーノ・ロータ
出演:アラン・ドロン、モーリス・ロネ、マリー・ラフォレ、エルノ・クリサ、ビル・カーンズ、フランク・ラティモア、アヴェ・ニンチ、ヴィヴィアーヌ・シャンテル、ネリオ・ベルナルディ、バルベル・ファンジェ、リリー・ロマネリ、ニコラス・ペトロフ、エルヴィーレ・ポペスコ、ロミー・シュナイダー

by claranomori | 2007-01-04 10:40 | 文学と映画★文芸・史劇