『マドゥモァゼル・ルウルウ』著:ジィップ訳:森茉莉★おしゃまな貴族の14歳の少女ルウルウ (1888年)
2010年 11月 05日
1888年(19世紀末)作品ながらとてもモダンで、少女ルウルウは訳者の森茉莉さんのようにも想えたりしながら記憶されています。軽快でユニークな作品。主人公は、おしゃまな貴族の14歳の少女ルウルウ。天衣無縫な少女ルウルウの颯爽とした優雅な身のこなし、知性はのびやかで、男性に媚びることもなく、綺麗な少女ながら少年ぽいイメージも私にはあります。ゆえに、大好きな少女像でもあるのですが。森茉莉さんが翻訳されたのは1933年なので、作者ジィップの死後ということになります。その事は森茉莉さんも悲しまれていたそうです。
ジィップは革命の直後、貴族の家に生まれました。彼女は周囲の虚礼的な、そうして権力のない者を冷遇するような生活態度に反感を持っていたらしく、その文学にはそれが出てくるようです。また非常に頭のいいために男というものに不満で、くだらない男より動物のほうがいいというので動物に夢中だったといいます。彼女は少女のときに、モンテスキュウに可愛がられたそうです。上流の家に生れて、馬鹿げた因襲、虚飾に反抗して、男の悪口をいい、動物に夢中になっているルウルウはジィップそれ自身のようです。 引用:訳者のことば 森茉莉 より
著:ジィップ 訳:森茉莉
※上のカラーの画像は2009年新装版の『マドゥモァゼル・ルウルウ』の見返しの美麗な絵(宇野亜喜良)をスキャンいたしました。天・地・小口はピンク(薔薇色)で、表紙も実物はもっと素敵です(ゴテゴテしていなくて)♪