『まぼろし』監督:フランソワ・オゾン★マリー役について語るシャーロット・ランプリング (2001年)
2010年 07月 05日
★日本で公開直前のインタビュー記事より。2001年、大阪の今はもう無い小さな映画館で観たもの。観終えた私はお仕事に戻る為に、その帰り道を呆然とフラフラと歩いていたと思う。涙がいつまでも止まらないまま。雑誌の整理をしていたら出てきたこの記事。偶然は有り得ない。当時の私はこのインタビューを繰り返し読んだ。そして、今、ようやくこのお言葉に頷くことが出来るようになった...まだ不安定だけれど、私も両親の死をやっと受け入れる用意ができるところまで。小学生の私をあの視線が釘付けにした。そして今も。特別な思い入れの強いお方。それにしても、素晴らしい作品。フランソワ・オゾン監督を見直した作品であり、シャーロット・ランプリングでなければ!という静かで美しい崩れゆくさま。挿入歌でバルバラのシャンソンも流れる。
※上記は2006年5月29日に記したものです。それから4年経た今の私も然程当時と変化はないかもしれない。けれど、やはり「死」を受け入れることは難しい。最愛の人ならば一層...。シャーロット・ランプリング!私はまだ11歳か12歳という子供の頃に『愛の嵐』で知ったお方。私の初恋の女優さま。幼い私が強烈な衝撃を受けた...ダーク・ボガードも然り。上手く綴れないけれど、敬愛してやまぬ私の父を想う。自覚はまったく無かったけれど、どうもファザコンであったらしい。そんな自分を言葉に出来るようになったのは、少しばかり成長したのかもしれない。映画『まぼろし』はマリーと同じ50代になった頃、観直すとまた違った想いを抱くのだろうな...とも想う。重く哀切な美しい映画を今はない小さな劇場で観れたあの思い出(空間)は忘れることは無いだろう。
2001年・フランス映画
監督:フランソワ・オゾン 脚本:フランソワ・オゾン、エマニュエル・ベルンエイム、マリナ・ドゥ・ヴァン、マルシア・ロマーノ 撮影:アントワーヌ・エベルレ(第一幕)ジャンヌ・ラポワリー(第二幕)
音楽:フィリップ・ロンビ 出演:シャーロット・ランプリング、ブリュノ・クレメール、ジャック・ノロ、アレクサンドラ・スチュワルト、ピエール・ヴェルニエ、アンドレ・タンジー