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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『少女に』 作:寺山修司 『われに五月を』 より

『少女に』 寺山修司

たれでもその歌をうたえる
それは五月のうた
ぼくも知らない ぼくたちの
新しい光の季節のうた

郵便夫は愛について語らない
花ばなを読み
ぼくの青春は 気まぐれな
雲の時を追いかけていたものだ

ああ ぼくの内を一つの世界が駆け去ってゆき
見えないすべてのなかから
ぼくの選択できた唯一のもの 少女よ
ぼくはかぎりなく
おまえをつきはなす
かぎりなくおまえを抱きしめるために

『われに五月を』 -三つのソネット- より

『少女に』 作:寺山修司 『われに五月を』 より_b0106921_11145678.jpg
★この『少女に』は、1957年(昭和32年)刊行の第一作品集『われに五月を』に収録されている「三つのソネット」の中のひとつです。寺山修司21歳の折の作品です。5月に死去された、まだ47歳だった。「寺山修司が大好き!」だと年月を経る中でその度合いが増してゆき、この先もそうだろうと思います。残してくださった沢山の「ことばたち」が私の心の中に居てくださいます。私の心の栄養源に寺山修司というお方の「ことばたち」があることに感謝しています。
by claranomori | 2010-10-21 11:04 | 愛の花束・日本の抒情・文学