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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『耳に残るは君の歌声』少女フィゲレ(クローディア・ランダー=デューク)スージー(クリスチナ・リッチ)

『耳に残るは君の歌声』少女フィゲレ(クローディア・ランダー=デューク)スージー(クリスチナ・リッチ)_b0106921_1231899.jpg
★ロシアで父と暮らす貧しいユダヤの少女フィゲレ。この幼女役のクローディア・ランダー=デュークという少女がとても可愛かった!2005年に観た折のメモ書き程度の感想にも、やはりこの小さな少女子役クローディアのことを、「前歯が抜けている場面とか子供特有の動きにキュンとなる」などと書いていた。欲を云えば、この少女時代をもう少し観てみたかった...。

少女フィゲレはロシアからイギリス、フランスへと渡り、成長してゆく。少女フィゲレの成長後、この映画の主役のスージー(フィゲレ)役はクリスティナ・リッチ。チェーザー役はジョニー・デップで、少ししか出てこなくて台詞も大してないのだけれど、存在感を残していた。ジョニー・デップ・ファンの友人が多いのだけれど、私は熱狂的ではないけれど俳優として好きだと云える。作品によって様々な人物になるけれど、このチェーザー役のジョニー・デップは好き。クリスティナ・リッチは10歳位から子役として順調に演技力を身につけている。何かを感じさせる人だ。小さくて丸っこい体型と大きな瞳も個性に思う。残念ながら、その後は体型を変えてしまったけれど。私はこの作品の中では断然!ケイト・ブランシェットが好きなので彼女の鮮やかでしっかりとした存在感、巧さを感じさせる演技にうっとりするのだった。ケイト・ブランシェットが大きいのでクリスティナ・リッチと並ぶと凄い身長差。 ジョン・タトゥーロはナボコフ原作の『愛のエチュード』(チェスの名手役)でとても感動した。この『耳に残るは君の歌声』ではオペラ歌手の役ダンテ。アメリカ人ながらヨーロッパ映画にもよく出演されるのが何か分かる気がする...どことなく顔つきが暗く決して陽気な快活さではない。ナイーヴな繊細な演技の出来る俳優だと思う。ケイト・ブランシェットはとにかくカメレオン女優で本当に何を拝見しても上手だし素敵!その他、ハリー・ディーン・スタントンにオレグ・ヤンコフスキーと、個性派の俳優方を配しているのだけれど、少し物足らなさが残った。

けれど、音楽が素晴らしい!サリー・ポッター監督は元来音楽才能にも長けておられるので、この映画は音楽をとても重要としてして、ゆえに、出演者たちの台詞よりも眼差しや表情、流れるロマ(ジプシー)音楽やタイトル曲でもあるビゼーのアリア『真珠採り』、劇中クリスティナ・リッチが歌うシャンソン『暗い日曜日』(イヴァ・ビトヴァが歌っている)等がいつまでも印象強く残っているのだろう。 ジョン・タトゥーロ演じるダンテ役の歌う場面はサルヴァトーレ・リチートラの歌唱でうっとりする。また、オスヴァルト・ゴリジョフのスコアの演奏はクロノス・カルテットで、個人的に結構慣れ親しんでいるもので安心感もあり素晴らしいと思えた。この辺りもサリー・ポッター監督の人脈だろう。

映画の最後は幼い頃に離ればなれになったお父さんにやっと出会うことが出来るフィゲレ(スーザン)。でも、その時はもう病床であった。涙を流しながら美しい歌声で歌う...その静かな描写は父と娘の心の動きを優しく包んでいた。静寂な美しい映像と音楽で綴られる人間の運命と人生を想う。

耳に残るは君の歌声/THE MAN WHO CRIED
2000年・イギリス/フランス合作映画
監督:サリー・ポッター 製作:クリストファー・シェパード 脚本:サリー・ポッター 撮影:サッシャ・ヴィエル 美術:カルロス・コンティ 衣装:リンディ・ヘミング 編集:エルヴェ・シュネイ 音楽:オスヴァルト・ゴリジョフ 音楽プロデューサー:サリー・ポッター 演奏:クロノス・カルテット 
出演:クリスティーナ・リッチ、ジョニー・デップ、ケイト・ブランシェット、ジョン・タートゥーロ、ハリー・ディーン・スタントン、オレグ・ヤンコフスキー、クローディア・ランダー=デューク
『耳に残るは君の歌声』少女フィゲレ(クローディア・ランダー=デューク)スージー(クリスチナ・リッチ)_b0106921_1233695.jpg
※この画像はノベライズである『耳に残るは君の歌声』 より♪

by claranomori | 2010-10-19 11:56 | 銀幕の少女たち・少女映画